美食に華を添える、器にこだわる名店5選 東京編

「器は料理のきもの(着物)」という北大路魯山人の言葉通り、季節を感じる料理に華を添える器選びは、名店ならではのおもてなしの一つ。今回は、芸術品のようなこだわりの器で料理を楽しめる、東京の美食の名店をご紹介します。

1.日本料理の魅力を世界に発信する銀座の名店、「小十」に込められた想い

銀座 小十(東京都/銀座駅)

美食の激戦区・銀座で、確かな味が食通を惹きつけてやまない「ミシュランガイド東京」二つ星の日本料理店「銀座 小十」。日本を代表する和食料理人と名高い奥田透氏による、厳選された食材の滋味を引き出す料理が味わえます。

店名の「小十」は、唐津の名陶、故・西岡小十氏への深い尊敬と思い出にちなんでいます。使用する器は、西岡小十氏を始め、名工の手によるもの。

料理の季節感に調和する器選びに、目でも風情を感じられることでしょう。清廉とした空間の中、日本料理の真髄に触れられる名店で、伝統文化が紡ぐ奥深さを五感で体験してみては。

「銀座 小十」奥田氏のインタビューはこちら:https://www.kiwamino.com/articles/interviews/744

懐石・会席料理

銀座 小十

東京メトロ丸ノ内線・銀座線・日比谷線 銀座駅 徒歩1分

30,000円〜39,999円

2.日本の伝統工芸を用い、フレンチの鬼才が魅せる“Respect Japan”

AZUR et MASA UEKI(東京都/乃木坂駅)

西麻布に2017年3月オープンの「AZUR et MASA UEKI」は、フレンチの鬼才・植木将仁シェフによる“和魂洋才”をコンセプトにしたガストロノミー。有田焼など伝統工芸品のお皿やカトラリーを採用し、北陸を中心とした和の食材をフレンチの技法で表現しています。

アーティステックな料理に華を添える器は、世界に通じる有田焼を作り続ける「カマチ陶舗」。洋食器の開発を2001年からスタートし、日本のみならずフランス人シェフからも注目される器を、オーダーメイドで発注しています。

写真左より、「カマチ陶舗」蒲地氏、「AZUR et MASA UEKI」植木氏

“Respect Japan”というテーマに取り組む植木シェフ。日本の素晴らしい伝統野菜や伝統工芸、歴史や文化を、食を通して世界に発信する姿勢は、訪れるゲストの胸を打つことでしょう。

「AZUR et MASA UEKI」植木氏と「カマチ陶舗」蒲地氏の対談はこちら:https://www.kiwamino.com/articles/interviews/14214

フランス料理

AZUR et MASA UEKI

東京メトロ千代田線 乃木坂駅 徒歩7分

3.「北大路魯山人」との縁が深い、日本を代表する高級料亭

紀尾井町 福田家(東京都/赤坂見附駅)

「紀尾井町 福田家」は、都心を代表する一等地・紀尾井町に佇む有名料亭。稀代の美食家としても知られる北大路魯山人との縁が深いことでも名高く、料理や器、設えなど、様々な面で彼の薫陶を受け、その精神を現在に受け継いでいます。

こちらの食器は別途10,000円(税・サ別)にて対応、要問合せ

料理の美味を素材の質に求めた魯山人の教え通り、多くの食材を産地直送で仕入れています。料理長・松下俊一氏の故郷、長野県から直送される食材も多いとのこと。魯山人を始め、有名な作家さんの器を古くから数多く所有し、風情ある日本の四季を感じられる器選びに気を配ります。

また、所有する魯山人の器を使った食事会「魯山人の器で特別献立を楽しむ会」を定期的に開催。人気の催しのため、気になる方は公式ホームページをチェックしてみては。料理のみならず、大皿や書、灯籠など店内の至る所に魯山人の作品が飾られている「紀尾井町 福田家」で、大人の美食を楽しみましょう。

「紀尾井町 福田家」主人・福田氏、料理長・松下氏のインタビューはこちら:https://www.kiwamino.com/articles/interviews/2309

懐石・会席料理

紀尾井町 福田家

東京メトロ各線 赤坂見附駅 D出口 徒歩3分

30,000円〜39,999円

4.シェフ自ら作陶した器で、素材を最大限に活かしたイタリアンをいただく

リストランテ イル バンビナッチョ(東京都/表参道駅)

西麻布近辺にある静かな町の一角に位置する「リストランテ イル バンビナッチョ」は、隠れ家のような雰囲気が自慢のレストラン。店内は、白を基調とした洗練された空間が広がり、つい時が経つのを忘れてしまうほど。

福田憲一シェフは、23歳の時にイタリア各地で修行し、ヴェネツィアの「リストランテ・ダ・ルーカ」で料理長に。2001年に「リストランテ イル バンビナッチョ」をオープンしました。イタリア料理の基盤の上に、日本の「旬、美、技」を取り入れ、素材の真味を感じられる一皿に仕上げます。

イメージした料理を最大限に活かす器を探すうちに、自ら作ることを始めた福田シェフ。店舗では定期的に器の個展を開いているそう。「作陶と料理は、常に新しい表現方法を追求する点で同じ」と語るシェフが作り出す、一皿のハーモニーを感じられます。

「リストランテ イル バンビナッチョ」福田氏のインタビューはこちら:https://www.kiwamino.com/articles/interviews/15459

創作イタリア料理

リストランテ イル バンビナッチョ

東京メトロ銀座線 表参道駅 徒歩15分

12,000円〜14,999円

5.世界各国から取り寄せる至福の逸品を有田焼で魅せる「華技和粋」の世界

銀座 上瀧(東京都/銀座駅)

銀座・外堀通り沿いに位置する「銀座 上瀧」は、舌の肥えた美食家も唸らせるカウンター10席のプレミアムレストラン。佐賀市中央本町で長年愛されてきた「チャイニーズレストランJOTAKI」を、2018年2月より銀座に移転し、2022年、銀座7丁目で「銀座上瀧」としてリニューアルオープンした話題のお店です。

伊勢海老やアワビといった海の幸を始め、フカヒレや和牛、トリュフ、キャビアなど世界中から厳選食材を取り寄せ、ゲストの目の前で料理の説明をしながら提供します。
オーナーシェフ・上瀧剛氏は、日本の美意識やこだわりといった日本人の心で中国料理の技を使う「華技和粋」がモットー。

地元・佐賀への想いも強く、名産である有田焼の食器を用い美しく盛り付けられた料理は、華やかかつエレガント。完璧なものを提供するために、客席を10席に絞り、こだわり抜いて仕入れた高級食材を使い、究極の一皿を生み出したいと語る上瀧氏。日本人の心と中国料理の技法が融合した美食の世界を堪能しましょう。

「銀座 上瀧」上瀧氏のインタビューはこちら:https://www.kiwamino.com/articles/interviews/9364

中華料理

銀座 上瀧

東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線 銀座駅 B6、B9出口 徒歩5分

50,000円〜

器を通して料理を愛でる感覚は、日本料理の枠を超えてさまざまなジャンルのレストランに浸透しつつあります。器が彩る美しい料理で、お腹も心も満たしてみませんか。

※こちらの記事は2023年04月07日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Airi Ishikawa

一休のメディア事業部長。日本全国を旅しながら、その道のプロにインタビューや取材をしています。休みには足をのばして国内ワイナリーを巡るのが好き。地産地消や、生産者に近い距離で食材や料理に向き合う「極みのシェフ」がいる店をご紹介します。
【MY CHOICE】
・最近行ったお店:銀座 しのはら / 南青山 まさみつ / サエキ飯店 / コートドール
・好きなお店:鮨 梢 / フランス料理 エステール / コンチェルト / エンボカ 京都
・注目しているお店:SeRieUX / プルサーレ / bistronomie Avin
・得意ジャンル:フレンチ / バー
・好きな食材:山菜 / 鴨

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