味が良い上に栄養価の高い食材として、日本では古くから食されてきたうなぎ。その歴史は文献により室町時代まで遡ることができるほど、長い間人々に親しまれてきました。
今回は、東京で一度は訪れたいうなぎの名店を厳選してご紹介。蒲焼きや白焼きなど、様々な調理法で、うなぎの魅力を堪能できるお店ばかりです。
目 次
1.江戸時代初期から数々の食通を唸らせてきた、世代を超えて愛される名店
山の茶屋(東京都/国会議事堂前駅)
国会議事堂前駅より、歩いて約5分。日枝神社の裏手の閑静な坂道沿いに立ち、ひっそりとしながらも堂々とした門構えのうなぎ料理店「山の茶屋」。都心の真ん中とは思えないほど、緑の木々に囲まれたその佇まいは、軒先に掲げられた提灯と相まって「山の茶屋」という屋号に恥じない、落ち着きある風情を醸し出しています。
蒲焼きに使用するタレは、江戸時代から継ぎ足しを繰り返し、昔ながらの味を守り続けています。うなぎの身は、ふっくらと柔らかく脂がのりながらも、お腹に嫌な重さが残らない絶妙な一品。肝焼きや白焼きなど、うなぎを満喫できるコース料理もお勧めです。静寂で趣ある一軒家の老舗で、うなぎの魅力を余すことなく味わってみては。
2.舌の肥えた常連客も納得する、180年を超える伝統の味
うなぎ はし本(東京都/江戸川橋駅)
江戸川橋駅より徒歩約3分、神田川にかかる石切橋のたもとにある、うなぎ屋「はし本」。1835年(天保6年)の創業以来、この地で180年以上変わらぬ味を守り続ける老舗です。6代目となる現在の店主は、修業時代から自ら鰻問屋へ通って様々な研鑽を積み、これまでの伝統を受け継いできた“うなぎの目利き”。
素材選びからしっかりこだわり、九州産を揃えるうなぎは、舌の肥えた常連客も納得の美味しさ。1年以上成長させた成魚である「ひね子」を仕入れ、手間暇かけて香ばしくふっくらと焼き上げています。伝統の味を楽しめる「鰻重」は勿論のこと「肝焼き」「向骨」「ひれ」など、うなぎの旨味を存分に味わえる、種類豊富な串焼きも絶品です。
3.品質管理が徹底されたうなぎの風味を引き立てる、長年の職人技
日本橋 いづもや(東京都/三越前駅)
「日本橋 いづもや」は、1946年(昭和21年)の戦後間もなく日本橋・本石町で創業し、長年人々に親しまれてきました。江戸通りに面している本館は、今でも創業当時の建物のまま。廊下も柱も床の間も、大切に磨きこまれ、伝統を大切にする日本橋らしい落ち着いた雰囲気が感じられます。
お店のうなぎ選びには頑固なほどのこだわりがあり、料理に出される養殖うなぎは品質管理が徹底されたものを使用。天然物より脂の質や舌ざわりなどが優れているのだそう。厳選されたうなぎを、長年の勘がものをいう職人の腕によって、より一層の風味や味を引き立てた「いづもやの鰻」。その味わいを、ぜひ堪能してみてはいかがでしょうか。
4.落ち着きある空間で楽しむ、炭火で焼き上げられた絶品の関東風うなぎ
わたべ(東京都/春日駅)
落ち着いた雰囲気の中で、絶品のうなぎと昔ながらの佃煮を楽しめる、文京区・小石川のうなぎ料理専門店「わたべ」。春日駅より徒歩約1分というアクセスの良さも魅力です。店内には、落ち着いた雰囲気のテーブル席や、ゆったりと寛げる掘りごたつの個室などがあります。
うなぎは、古くから付き合いのある問屋から厳選してもらった、柔らかく脂が乗った太物を、割いてから白焼きし、よく蒸してから、炭火で焼き上げる関東風で提供。また、お店自慢の70余年継ぎ足してきたタレは、さっぱりしていてしつこさのない味わい。柔らかく香ばしいうなぎの他にも、季節のお刺身や串焼きなどのおつまみも充実している、リピートしたくなる名店です。
5.モダンな店内と、関西風・関東風が同時に楽しめる「うなぎ二段重」
銀座 四代目 高橋屋(東京都/銀座駅)
東銀座駅から徒歩で約1分、歌舞伎座の裏手のビル4階にお店を構える「銀座 四代目 高橋屋」。モダンでスタイリッシュな店内は、建築家・黒川紀章氏の愛弟子である、松井大輔氏の設計です。2面に大きく切り取られた窓からは銀座の三原橋交差点方面を一望でき、ゆったりと現代的な空間の中で、料理を楽しむことができます。
ここでしか味わえない「うなぎ二段重」は、上段に直焼き、下段に蒸し焼きのうなぎがはさんである逸品。小骨を抜いて適度に脂を落とした関西風の直焼きと、白蒸ししてから焼き上げた関東風の蒸し焼き、それぞれの味わいを一度に楽しめます。歌舞伎界にも愛される「高橋屋」の天然うなぎの蒲焼きを、ぜひ一度ご賞味あれ。
暑い夏を乗り切るための精がつく料理としても、昔から愛されてきたうなぎ。ぜひ、お好みのうなぎのお店を見つけて“伝統の味”を楽しんでみてはいかがでしょうか。
※こちらの記事は2024年11月25日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。