料理技術の高さや完成度、独創性、一貫性などを評価するミシュランガイド。美食のガイドとしてレストランを選ぶ際に参考にする人も多いことでしょう。今回は『ミシュランガイド東京2025』で星を獲得した寿司店の全リストと「一休.comレストラン」に掲載されている店を一挙ご紹介します。
目 次
ミシュランガイドとは

1900年8月に、フランスにて発行が開始された『ミシュランガイド』。2007年には、アジアで初となる『ミシュランガイド東京2008』が発表され、世界はもちろん東京のダイニングシーンのトレンドを発信する美食ガイドの代表格になりました。『ミシュランガイド東京』は今回で18回目の発表を迎え、掲載店舗数が507軒と過去最高に。東京は、世界で最も多くの星が輝く都市となっています。
『ミシュランガイド東京2025』の特徴とは
『ミシュランガイド東京2025』は、34ジャンルから507軒のレストランが掲載となりました。そのうち、寿司店からは、三つ星1軒・二つ星2軒・一つ星17軒が掲載。「佐野鮨」が新たに一つ星を獲得しました。メンターシェフアワード(自身の仕事やキャリアが手本となるような料理人に授与される賞)には「鮨 かねさか」の金坂真次氏が選出されました。金坂氏は、日本をはじめ、シンガポール・香港など国内外で10店舗以上を展開し、握りや器使いなどで日本文化を発信。寿司業界の発展に尽力してきた実績や、チームを率いてゲストをもてなす姿が評価されました。
『ミシュランガイド東京2025』に掲載された寿司店を全軒紹介
『ミシュランガイド東京2025』で星を獲得した寿司店を一挙ご紹介します。三つ星=そのために旅行する価値のある卓越した料理、二つ星=遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理、一つ星=近くに訪れたら行く価値のある優れた料理、と定義されています。寿司店は20店舗が星を獲得しました。
『ミシュランガイド東京2025』で星を獲得した「一休.comレストラン」掲載の寿司店を一挙ご紹介!
◆三つ星
青空(東京都/新橋駅)
江戸前寿司の激戦区・銀座に店を構える「青空」。『ミシュランガイド東京2025』では2年連続で三つ星を獲得した名店です。木の風合いを活かしたぬくもりある空間には、席間が広い檜のカウンター席を完備。隣席を気にすることなく、店主の握りを味わうことができます。
店主・高橋青空氏は、札幌の「すし善」で修業を始め「すきやばし次郎」では12年にわたり研鑽を積み独立。食材は、旬を熟知する大将自らが毎朝豊洲へ足を運び、上質なものを仕入れます。シャリは、2種類をブレンドし、米酢と塩を効かせます。妥協のない食材選びと細やかな職人技による握りに舌鼓を打ちましょう。
◆二つ星
鮨 かねさか(東京都/銀座駅)
銀座8丁目のビルの地下にひっそりと佇む「鮨 かねさか」。江戸時代の茶室をイメージした店内は、白木のカウンターをはじめ、葛飾北斎の名画や室町時代の花器、北大路魯山人の器と、本物の日本美に彩られています。
店主・金坂真次氏は、江戸前の技を基本に、温度・湿度・熟成具合など全工程に気を配り、至高の一貫を生み出します。ネタ・シャリ・わさびが三位一体となるよう、魚介の状態に合わせて握りの強さまで巧みに操るのだそう。“一貫の握りは、自分の人生観を表すもの”という金坂氏の言葉通り、真摯に向き合った一貫でゲストを魅了しています。
◆一つ星
鮨一條(東京都/馬喰横山駅)
東日本橋の裏路地に位置する「鮨一條」。店内へと一歩足を踏み入れると、都会の喧騒を感じさせない和の風情が漂っています。ゆったりと座れるカウンター8席からは、熟練の職人技をじっくりと楽しむことが可能です。
店主・一條聡氏は、人形町や新橋の名店で修業を重ねた熟練の職人。ネタは日本近海で獲れた天然物にこだわり、自ら市場に足を運びその日最良の素材を厳選。シャリには2種類の赤酢をブレンドしたものを使用し、砂糖を使わず塩のみで旨みと甘みを引き出します。素材の持ち味を活かす丁寧な仕込みと、匠の技による正統派の江戸前寿司をどうぞ。
鮨 はしもと(東京都/新富町駅)
隠れた名店が佇む新富町に店を構える「鮨 はしもと」。家紋がデザインされた暖簾をくぐると、上品な雰囲気の店内が広がっています。立派なカウンターにはヒバの木を使用。 カウンター越しには、店主・橋本裕幸氏の職人技を楽しめます。
橋本氏は、福島・郡山で寿司店を営む両親の元で育ち、上京後は10年以上にわたり名店「日本橋蛎殻町 すぎた」で修業。31歳で独立を果たすと、瞬く間に予約困難店となりました。握りは小肌からスタートするなど師匠のかたちを継承しながらも絶えず進化を遂げ、独自性を追求。あたたかみのある店内で正統派の寿司を味わえば、記憶に残るひとときを過ごせるでしょう。
鮨こじま(東京都/銀座駅)
銀座駅より徒歩約4分、外堀通りに面した好立地に位置する「鮨こじま」。店内はL字型のカウンターを構えた、凛とした雰囲気が印象的です。プライベート感がある個室席も完備しているため、特別な利用シーンにもぴったりです。
自らを“昭和気質の寿司職人”と称する、店主・小嶋道雄氏は江戸前流を貫きます。ネタは小嶋氏が豊洲市場に出向き旬の魚を目利き。素材の食べ頃と調理法を見極め、工夫を凝らします。シャリは2種類の赤酢、米酢をブレンド。寿司は食べやすいサイズで握られるため、多くの種類を楽しむのはいかがでしょうか。
熟成鮨 万(東京都/恵比寿駅)
恵比寿駅から歩いて20分ほどの場所に隠れ家のようにある「熟成鮨 万」。提供されるのは、店主・白山洸氏によるこだわりの熟成鮨です。ゲストとの距離感の近さを大切にし、席数はあえて6席ほどに限定。ゆったり寛ぎながら、美食のひとときを過ごせるでしょう。
おまかせコースは、胃を温めるために貝のスープからスタート。一品料理を楽しんだあとは、中トロから握りが始まり、濃厚な赤身、トロ、白身や青魚、〆の玉へと続きます。もちろん、どちらのネタもシャリと合うように熟成を経てから提供。店主の研究の先に辿り着いた至極の一貫をどうぞ。
すし家祥太(東京都/麻布十番駅)
麻布十番駅徒歩2分ほどの場所に立つ「すし家祥太」。茶室をイメージした店内は、中央に檜の一枚板のカウンター席を構える造り。余計な飾りはなく、シンプルで清々しい雰囲気の空間となっています。
店主・ムン・ギョンハン氏は「鮨かねさか」グループで、9年間の修業を積んだのち独立。“寿司をしっかり食べてもらいたい”との想いで、握りを中心としたコースを供しています。シャリには、香りも旨みも控えめな熟成1~3年の赤酢を使用。魚もこのシャリに合うように仕込んでいます。丁寧で繊細な仕事ぶりが詰まった江戸前寿司をご賞味あれ。
佐野鮨(東京都/芝公園駅)
芝公園駅より徒歩2分ほど、住宅街にひっそりと佇む「佐野鮨」。大きな看板が店の目印です。木のあたたかみを感じられる店内には、白木のカウンターが7席のみ。壁にはネタが書かれた木札が下がり、昔ながらの雰囲気も楽しめます。
店主は「築地青空三代目 丸の内」から独立した佐野正志氏。ネタには「フジタ水産」の最高級のまぐろを使用します。ふわりと握られたシャリとの相性は抜群でしょう。ほかにも、いくらの握りや腹と尾の両方を握る穴子など、独創的な一貫で食通を魅了しています。
鮨 将司(東京都/外苑前駅)
北青山エリアの一角に店を構える「鮨 将司」。居心地がよい店内は、つけ場のまな板と付け台の高さを同じに設計しているため、職人の美学を目でも楽しみながら過ごすことができます。
店主・山口将司氏はいくつかの有名ホテルで料理長を務めた経験の持ち主。提供されるのは、江戸前寿司にオリジナリティあふれるつまみで構成されたおまかせコースです。寿司は、キレよくさわやかな味わいで、口の中でほどける酢飯が特徴。看板メニューは、唯一無二の「マグロのすき焼き」。残った卵黄に、酢飯を入れていただく「寿司屋のTKG(卵かけご飯)」は、ぜひ1度はいただきたい逸品です。
鮨龍次郎(東京都/外苑前駅)
青山通りから少し入った路地に立つ「鮨龍次郎」。美しい木曽檜のカウンターを構えた店内は、落ち着きがある上質な空間。カウンター越しに繰り広げられる店主・中村龍次郎氏の仕事ぶりに魅了されるはず。ほかにも、カウンターを備えた全7席の個室もあるため、大切な接待などにもうってつけです。
中村氏は、金沢や銀座の寿司店にて修業を積み、青山「海味」へ。親方・長野充靖氏の元で腕を磨き「海味」の2代目を務めた実力派です。全国各地から仕入れたネタと、赤酢など3種の酢をブレンドしたシャリによる寿司は絶品。コースでは、部位の異なる4貫のまぐろを楽しめるなど、ここならではの美食時間が叶いそうですね。
英(東京都/赤坂駅)
赤坂駅から徒歩約6分、大人の隠れ家のように立つ「英」。暖簾をくぐると、白木の一枚板を使ったカウンターと七福神がゲストを迎えます。店主・中島英樹氏は、国内有数の江戸前寿司の老舗である「美家古鮨」で23年間修業を積み独立。
“素材の味を最大限に引き出すこと”を大切に、正統派の技術を受け継ぎながらも、時代の嗜好を取り入れた一貫でゲストを惹きつけます。おまかせコースでは、とろから始まり、小肌も欠かさず提供。ネタは東京湾で獲れる新鮮な魚介類にこだわり、少ない手数でやわらかく握るため口の中では酢飯がほどけるそう。一貫に込められた職人技を、心ゆくまで堪能してみませんか。
今回は『ミシュランガイド東京2025』で星を獲得した寿司店と「一休.comレストラン」に掲載されている店をご紹介しました。どの店も1度は行ってみたい、今旬の名店ばかり。記憶に残る美食を堪能しに、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
※こちらの記事は2025年02月22日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。