競争厳しい東京のレストランシーンにあって、開店後わずか1年で一つ星を獲得した屈指の実力店。高感度な店や舌の肥えた人々好みの飲食店が立ち並ぶ南青山で、2014年のオープン以来、美食家たちが熱視線を注ぐ新進気鋭の日本料理店「いち太」をご紹介します。
外苑前駅から少し歩いた閑静な住宅地。「いち太」が店を構える複合テナントビル「AOYAMA346」は、緑をアクセントにゆったりとしたスペースに建ち、瀟洒な界隈に溶け込んだ都会的な風情の建物。
1階のアプローチの先に現れる「いち太」は、一見して日本料理店だとは思い難いモダンなガラス張りの外観で、格式ある日本料理店が放つものとはまた違った、軽やかで瑞々しい空気感を感じる佇まいです。
穏やかな灯りに照らされた清潔感ある店内は、木の温もりとシンプルさが心地よい空間。店の顔とも言うべき無垢のヒノキ一枚板のカウンターが、落ち着いた雰囲気の中にしっとりと馴染んでいます。
個室も2室用意されており、会食や接待での利用にも最適。都心でありながら街の喧騒を逃れた、都会の大人にちょうど嬉しい頃合いの立地も、こちらで享受するホスピタリティの一つのように思えます。
店主の佐藤太一氏は「銀座 矢部」の系列店である新宿の「大木戸 矢部」にて修行を重ねた後に「いち太」をオープン。
「一期一会」を大切に、旬の食材との出会いに感謝しつつ日々の料理や接客にあたっているそうで、同時にゲストと旬の味覚との「一期一会」の場をも作り出しています。
「いち太」の何よりの魅力は、豊かな食材で旬を存分に味わえること。
それらを最高の状態、かつ最良の組み合わせで提供する店主の卓越した技術とセンスは、早くから多くの食通たちの目に留まりました。2016年には開店後わずか一年で一つ星を獲得する快挙を成し遂げ、注目店はますます注目の的に。現在では押しも押されもせぬ人気店として広く知られるところとなっています。
春の山菜、筍に始まり、夏には鮎や鱧がお目見え。秋になれば松茸や秋刀魚が美味しく、冬はフグや蟹、クエといった四季折々の味覚が魅力たっぷりに供されるコースを、じっくりと堪能。
さらに特筆すべきは〆に供される、手打ちの十割蕎麦の秀逸ぶり。今や「いち太」のシグネチャーディッシュと言っても過言ではないほどよく知られ、香り高さや喉ごしの良さに誰もが顔をほころばせる、なんとも素晴らしい〆。“東京の日本料理”らしさも感じられますね。
季節を丁寧に切り取った料理には日本酒はもちろんのこと、世界各地のワインやシャンパンを合わせたり、と形にとらわれないマリアージュを楽しめる店でもあります。
若き店主の研ぎ澄まされた感性と、火入れなどに伺える確かな技術で、日本の豊かな旬を上質に味わえる「いち太」。振舞われる一皿一皿に静かな感動があり、二度三度と訪れたくなること必至の名店です。評判に違わぬ実力を味わいに、足を運んでみてはいかがでしょうか。
※こちらの記事は2023年04月17日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。