京都で非日常感を味わえる一軒家レストラン5選

日常から離れて特別な美食体験ができる街、京都。京町屋や歴史ある邸宅、独創的な一軒家で食事ができる魅力的なレストランが多数あります。京都らしい石畳のアプローチやレトロモダンなどの内装にも、ワクワクがとまりません。今回は、非日常を味わえる一軒家レストラン5軒を厳選して紹介します。

1.中華の技を織り交ぜたスタイリッシュなフレンチ

Restaurant MOTOI(京都府/烏丸御池駅)

烏丸御池駅から徒歩約10分、大正時代に建てられた呉服店が趣あふれる一軒家に改装されたフランス料理店「Restaurant MOTOI」。石畳のアプローチを抜けて、網代天井、菊文様の欄間を残した美しいメインダイニングに通されます。

「リーガロイヤル京都」にて中華料理を学んだ後、渡仏。帰国後は、大阪の「HAJIME」などでフランス料理の修業を経て独立したシェフ・前田元氏の京都愛が詰まった空間です。

スペシャリテは、フレンチならではの創作麻婆豆腐。ときに中華のエッセンスもさりげなく織り交ぜながら、フランス料理を逸脱することなく入念な構成でコースを練り上げます。手入れの行き届いた坪庭を眺めながら、独創的な料理に舌鼓を打つ、口福な時間を過ごすことができるでしょう。

フランス料理

Restaurant MOTOI

京都市営地下鉄烏丸線 烏丸御池駅 徒歩10分

20,000円〜29,999円

2.京町家で味わう、イノベーティブ・フレンチ

山地陽介(京都府/祇園四条駅)

祇園四条駅から徒歩約5分、京都を象徴する町家がひしめく花見小路の一角に店を構える「山地陽介」。毛筆で小さく自身の名を冠したのれんが、和モダンの雰囲気を漂わせます。扉を開けると、そこはスタイリッシュな別世界。陽の光がさんさんと降り注ぐウッディな空間に迎えられます。

シェフの山地陽介氏は、フランス・リヨンのポール・ボキューズ学院で学んだ後「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」「アストランス」「ロブション」で活躍するなど華やかなバックグラウンドを誇ります。

スペシャリテの「イカのカルボナーラ」は、フレンチの一言では表せないグローバルなひと皿。さまざまなテクニックやセオリーを駆使して生み出す、機知に富んだ料理の数々を味わってみてはいかがでしょうか。

イノベーティブフュージョン

山地陽介

京阪電気鉄道線 祇園四条駅 徒歩5分

20,000円〜29,999円

3.伝統にトレンドを吹き込む一軒家フレンチの老舗

ボルドー(京都府/北大路駅)

北大路駅より徒歩約6分、金閣寺近くの住宅地に佇む一軒家フレンチレストラン「ボルドー」。まるでフランスのグランメゾンのような外観で、長きにわたりゲストを魅了してきた老舗です。

30歳でこの店のオーナーシェフになった大溝隆夫氏は、京都のフランス料理店の老舗で10年間修業。その後フランスへ渡り、帰国後、木屋町のフランス料理店の料理長を務め独立しました。フランスや国内の旬を感じる素材に、16代続く母方の生産者が作る力強い京野菜を合わせ、フランス料理の伝統的な技術に最新のトレンドを吹き込んだ料理を繰り出します。

ここで味わいたいスペシャリテは「オマール海老のロースト 季節野菜」。ソースを軽くするなど、時代に合わせて進化を遂げ、食通を魅了し続けるひと皿です。

フレンチ

ボルドー

烏丸線 北大路駅 徒歩6分

15,000円〜19,999円

4.食材を変幻自在に扱った感性あふれる独創的な料理

新門前 米村(京都府/三条駅)

三条駅から徒歩約10分、骨董屋が立ち並ぶ趣深い新門前通りに佇む「新門前 米村」。元美術商だったという風雅な町家を改装した店内の1階には、広々としたオープンキッチンと、シェフとの会話が楽しいカウンター席。町家の欄間を残しつつもモダンな内装の2階には、暖炉やソファーが備えられ、友人宅に招かれたようなくつろぎの空間に仕立てられています。

和洋の取り合わせの妙が満喫できる器や料理も魅力の一つ。シェフ・米村昌泰氏は、京都の老舗レストランで修業後独立、京都・木屋町に「レストランよねむら」を開業。

移転を経て2019年、新門前に「米村」を新規オープン。枠にとらわれず、変幻自在な米村氏の世界観を五感で楽しめる贅沢な時間を過ごしてください。

フランス料理

新門前 米村

京阪本線 三条駅 徒歩10分

20,000円〜29,999円

5.香りのペアリングと楽しむ、京料理とフレンチの融合

嵐山MITATE(京都府/嵐山駅)

市中の喧騒から離れた嵐山駅から徒歩約2分、木々に囲まれたアプローチが非日常を感じさせる「嵐山MITATE」。シェフの見舘孝司氏は、京都の日本料理店で修業後、独学でフランス料理を勉強し、京料理とフレンチを独自に融合。京野菜や厳選された高級食材を使用し、“温故知新”をテーマにコースを仕立てます。

見舘氏は香道から着想を得て、世界初の「Kaoriペアリング」を考案。約100種類のワインやシャンパーニュを揃え、ラベンダー、薔薇、レモン、山椒などの香りを減圧水蒸気蒸留で抽出し、ワインなどに合わせます。

日本家屋を改装した店内には、和の趣を残しつつもモダンなインテリアが。嵐山の景観を一望できる完全個室で、料理のストーリーを辿る時間を過ごすのもこの店ならではの楽しみです。

京料理・フランス料理

嵐山MITATE

京福嵐山本線 嵐山駅 徒歩2分

10,000円〜11,999円

京都は訪れるだけで、別世界にいるような空気の流れを感じます。そんな気分をより満喫するにはぴったりの、個性あふれる一軒家レストランで過ごすひととき。今回紹介したのは、京都の美食をより魅力的にする特別な店ばかりです。京都の旅をさらに思い出深いものにしてくれるでしょう。

※こちらの記事は2024年04月21日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Miki D'Angelo Yamashita

コロンビア大学・パリ政治学院修士。新聞社を経てフリージャーナリスト。専門は別だが、趣味が高じて食担当記者に。延べ3000人料理人インタビュー、約30カ国で食関連を取材。料理本も多数編集。

【MY CHOICE】
・最近行ったお店:未在 / 晴山 / レヴォ /茶禅華
・好きなお店:ギ・サヴォワ / Restaurant KEI / 祇園さゝ木 / 宮坂
・自分の会食で使うなら:ル・ブルキニオン / ラルジャン / 乃木坂しん / 蕎麦おさめ
・注目しているお店:お料理ふじ居 / 日本料理 研野 / ELEZO ESPRIT
・得意ジャンル: スイーツ
・好きな食材:麺類

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