【速報】『ゴ・エ・ミヨ 2021』発表!グランシェフが続々登場の授賞式をレポート

日本の豊かな食文化を、国内のみならず海外へも発信していける新しいレストランガイドとして、毎年発刊されている『ゴ・エ・ミヨ』。日本での5刊目となる『ゴ・エ・ミヨ 2021』が、2021年2月17日に発売されました!日本版の歴代の受賞者には、「日本料理 龍吟」山本シェフ、「長谷川 稔」長谷川シェフ、「カンテサンス」岸田周三シェフなど、今の料理界で注目されるシェフが名を連ねています。2021年版で発表された、今年行くべきレストランとは? さっそくご紹介していきましょう。

『ゴ・エ・ミヨ』とは

グルメ大国フランス発、本格レストランガイドの2大勢力の一つ『ゴ・エ・ミヨ』。2人のフランス人ジャーナリスト、 アンリ・ゴ(Gault) とクリスチャン・ミヨ (Millau) が 1972 年に刊行したパリ生まれのレストランガイドブックです。評価本という形を取りながらも、レストランに寄り添う姿勢を重んじ、シェフたちからの信頼は厚いといわれています。特に、「新しい才能の発見」という特長を持ち、ジョエル・ロブションやギィ・サヴォワのような気鋭のシェフをいち早く見出す、先見性に定評があります。

『ゴ・エ・ミヨ 2021』の特徴

2021年版では、ゴ・エ・ミヨの精神ともいえる「新しい才能の発見」や「その土地ごとの食文化 “テロワール”」を中心とし、初掲載の関東甲信越エリアを含めた、全33都道府県、403軒の名店セレクションをお届けしています。また、注目を集める「今年のシェフ賞」の他、ソムリエやサービス、生産者など、9つの賞、16名の受賞者インタビューも掲載。
レストランにとっても、ゲストにとっても忍耐の時期が続き、「レストラン空間」のかけがえのなさを感じた2020年を経て、新たな「食」と「時間」に出会っていただきたい、という思いを込めた一冊になっています。
(『ゴ・エ・ミヨ』については、こちらの記事もご覧ください:【極みのコラム】世界的な美食ガイド『ゴ・エ・ミヨ』の秘密に迫る

『ゴ・エ・ミヨ 2021』受賞者の一部を紹介

2021年版の授賞式では、今年最も注目すべき「今年のシェフ賞」をはじめ、「明日のグランシェフ賞」、「期待の若手シェフ賞」、「トラディション賞」、「イノベーション賞」、といったそれぞれの料理人にフォーカスした賞、「ベストソムリエ賞」、「テロワール賞」、「トランスミッション賞」「ベストサービス・ホスピタリティ賞」といった『ゴ・エ・ミヨ』が重要と考えるレストラン空間すべてに関わる方々が、東京のみならず全国のレストランから表彰されました。
今回は、受賞者およびお店の一部を厳選してご紹介します!

「今年のシェフ賞」

「HAJIME」米田 肇氏(大阪)

才能を縦横に発揮し最も斬新で完成度の高いインパクトのある料理を出した料理人に贈られる「今年のシェフ賞」。今年は、2008年にオープンした大阪のイノベーティブレストラン「HAJIME」の米田 肇氏へ贈られました。
米田氏は、地球を取り巻く環境、その美しさを皿の上に表現する独自の世界を展開。また、料理だけでなく、飲食業界を守るための活動を率先して行い、料理がより広い世界でとらえられるよう努めており、その見識の深さ、活動ぶりが、「今年のシェフ」と呼ぶに相応しい存在であると評価されました。

「素晴らしい賞をいただき、大変光栄に思います。ヨーロッパでの修業時代、色々なお店に勉強のために伺う際、一番参考にしていた本はゴ・エ・ミヨでした。非常に前衛的で、挑戦する料理人を発掘するというゴ・エ・ミヨの精神は、自分自身の料理観と一緒のような感覚がありました。現在、飲食は大変な状況ではありますが、この本を持ってぜひ多くのお店に行っていただければと思います。」

「明日のグランシェフ賞」

才能と情熱、技術が今後の活躍を大いに期待させる新進気鋭の料理人に贈られる「期待の若手シェフ賞」は、3名の料理人に贈られました。

「イチリン ハナレ」齋藤宏文氏(神奈川) /写真左

築地にある「東京チャイニーズ 一凛」の「離れ」として2017年に鎌倉にオープンした「イチリン ハナレ」。スペシャリテである丹波高坂地鶏「よだれ鶏」「につける餃子」「からの麺」という味の三段活用の美味しさ、奥深さ、そして面白さ。斬新な中華の世界が、美食家たちの心をつかみます。齋藤氏自身の料理をより深め、日本の食材を取り入れた繊細な料理を展開している点が高く評価されました。

「レストラン ラ クレリエール」柴田秀之氏(東京) /写真中央

芯がありつつも常に更新され、ゲストに寄り添う料理の完成度の高さを評価された柴田氏。2016年に「レストラン ラ クレリエール」をオープンし、産地、生産者のネットワークが広がり、その時季最高のものを手に入れることができるようになったそうです。伝統の料理法に自らの完成で工夫を凝らし、鋭敏な日本人が求める味覚を追求されています。

「TAKAO」高尾僚将氏(北海道)/写真右

2015年にオープンした「TAKAO」の高尾氏は、アイヌ文化を現代の感覚で自身の料理に反映し、「森」をテーマに、ガストロノミーとしてゲストに提示していることが評価されました。
高尾氏が森に分け入り、自然と一体になれる食材を見極め「TAKAO」流の料理を創り上げる。北海道の大地の息吹と風の香りに包まれるような体験ができる、オンリーワンの世界です。

期待の若手シェフ賞

才能と情熱、技術が今後の活躍を大いに期待させる新進気鋭の料理人に贈られる「期待の若手シェフ賞」は、3名の料理人に贈られました。

「赤坂 おぎ乃」荻野聡士氏(東京)/写真左

料理人として「京都吉兆 嵐山本店」で8年、「銀座 小十」で7年の経歴を経て2020年に「赤坂 おぎ乃」をオープンした荻野氏。京都と東京で学んだスタイルを自身の中でまとめ上げ、『おぎ乃』の料理としての魅力を発揮している点が評価されました。

「エラン」信太竜馬氏(東京)/写真右

2020年1月にオープンしたフレンチレストラン「エラン(élan)」。フランス語で飛躍を意味します。
技術力に加え、レストランという場をより広く、持続可能な形で運営し、食の素晴らしさを伝えていこうとする信太氏の姿勢が評価されました。

「山﨑」山崎志朗氏(東京)※ご都合によりご欠席

名店「もりかわ」や現代感覚あふれる店で得た成果を自身の中に取り込み、それらを形にしていく創造性、技術力、完成度の高さが評価された山崎氏。西麻布に2018年8月にオープンした日本料理店「山崎」では素材を全面に押し出した、「お化粧をしすぎない」本格的な懐石料理の提供に心血を注いでいます。

トランスミッション賞

「オトワレストラン」音羽和紀氏(栃木)

「トランスミッション賞」とは、培ってきた知識と技術を、時に国を超え、世代を超えてトランスミッションする(=伝える)ことに多大な貢献をされた料理人を表彰する賞です。
音羽氏は、フランスの名店での修業で得た料理技術のみならず、生産者の中に身を置くことの重要性を学び、1981年に宇都宮でレストラン「オーベルジュ」を開店。2007年にグランメゾン「オトワレストラン」をオープンし、厨房は長男の元氏がとり仕切っています。地方都市に根をおろし、その地のテロワールを発信し続けてこられたことや、日本のフランス料理界を牽引し、後進の育成にも努められており、その多大な貢献に対し、この賞が贈られました。

今年だからこそ行くべきお店とは?グルメなエグゼクティブなら必ずチェックを!

飲食業界に深刻な経済的影響を及ぼしている昨今。この状況下でも常に新しい才能を発見し、新しい潮流を見通す『ゴ・エ・ミヨ』ならではの視点に、改めて食の可能性や楽しさの価値を再発見することができるでしょう。気になる全情報はぜひ『ゴ・エ・ミヨ 2021』でチェックしてみてくださいね。
『ゴ・エ・ミヨ 2021』は2月17日(水)より全国の書店、オンラインストアにて発売中。全33都道府県、403軒の名店セレクションを読んで、極みの美食時間を楽しんでみてはいかがでしょうか?

<編集後記>
「KIWAMINO」がこれまでにご紹介したシェフも受賞されていてとても嬉しかったです。おめでとうございます!
過去のインタビュー記事はこちら
今年のシェフ賞 米田 肇氏 https://www.kiwamino.com/articles/interviews/9073
明日のグランシェフ賞 齋藤宏文氏 https://www.kiwamino.com/articles/interviews/1097
トランスミッション賞 音羽和紀氏 https://www.kiwamino.com/articles/interviews/3339
トラディション賞 中東久人氏 https://www.ikyu.com/concierge/50068 
(※姉妹サイト「一休コンシェルジュ」)

◆公式情報:『ゴ・エ・ミヨ 2021』の刊行について

・書誌情報
書名:ゴ・エ・ミヨ 2021
発売日:2021年2月17日
定価:本体2,727円+税
判型:A5変形版
ISBN:978-4-344-95416-8
ページ数:272
発行:ガストロノミー・パートナーズ株式会社
発売:株式会社 幻冬舎
◆Amazon.co.jpはこちら
https://www.amazon.co.jp/dp/4344954165

※こちらの記事は2022年03月16日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Airi Ishikawa

一休のメディア事業部長。日本全国を旅しながら、その道のプロにインタビューや取材をしています。休みには足をのばして国内ワイナリーを巡るのが好き。地産地消や、生産者に近い距離で食材や料理に向き合う「極みのシェフ」がいる店をご紹介します。
【MY CHOICE】
・最近行ったお店:銀座 しのはら / 南青山 まさみつ / サエキ飯店 / コートドール
・好きなお店:鮨 梢 / フランス料理 エステール / コンチェルト / エンボカ 京都
・注目しているお店:SeRieUX / プルサーレ / bistronomie Avin
・得意ジャンル:フレンチ / バー
・好きな食材:山菜 / 鴨

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