旅してでも訪れたい、佐賀の名店5選

「そのお店へ行くためだけに、わざわざ足を運びたい」。そんな名店が、全国には数多く存在します。どこもその土地ならではの食材を使用した、匠の技が光る一流のお店ばかり。今回はその中でも「KIWAMINO」が厳選する佐賀県にある名店を5店舗ご紹介します。

1.ゲストの好みを把握し、ステーキをカスタマイズ

キャラバン(佐賀県/唐津駅)

唐津駅から徒歩約5分、月とキャメル(ラクダ)が描かれた暖簾が目を引く「キャラバン」。佐賀の素材を用いた鉄板焼きを提供する、1979年創業の和牛ステーキ専門店です。

父の店を受け継いだシェフ・河上彰範氏は、精肉店に勤めた経験も持ち、扱う肉は佐賀牛、伊万里牛のA5ランク。適度の霜降りが入ったきめ細かい肉を熟成させ、肉の風味を引き出します。コースを肉の前菜3種からスタートさせてゲストの好みを把握、メインのステーキの火入れをカスタマイズするこだわりがファンを増やしています。

低温の蒸気で熱を入れた後に、鉄板で表面を一気に焼き上げると、中はふんわり、外側は香ばしい食感に。華やかなフランベのパフォーマンスも魅力です。店のコンセプトは “初めてなのに常連気分“。シェフとの会話も弾む特等席のカウンターで、心地よい美食時間を過ごしてみては。

ステーキ

キャラバン

JR 線 唐津駅 北口 徒歩5分

2.江戸時代から続く伝統の技で引き出す地元素材の滋味

飴源(佐賀県/浜崎駅)

創業天保9年の老舗「飴源」。玉島川のほとりに位置し、新鮮な川の幸や近隣の摘草料理が味わえます。四季折々の地物を使った料理は店の名物ばかり。春は白魚のおどり食いや蕨・土筆、夏は鮎、秋・冬はツガニ料理など、この土地ならではのご馳走が並びます。

初代が水飴を用いた「鮎の飴焼き」は、代々受け継がれてきたタレの艶やかな照りが魅力。甘みから続く旨みが奥深い味わいへと誘います。「ツガニの姿煮」「カニ飯」は、上品なカニ独特の風味が凝縮された肉と濃厚なカニ味噌が絶品。食通に愛されてきた看板料理です。

江戸時代からの歴史を感じさせる和個室に座れば、心地よく耳に響く玉島川のせせらぎ。そうした風情ある空間で、有田焼と唐津焼といった名窯元の作品が彩る料理の数々を味わう、至福の時間が流れます。

日本料理

飴源

筑肥線 浜崎駅 徒歩40分(タクシー10分)

3.歴史的建造物で贅沢な銘酒とのマリアージュを

草庵 鍋島/御宿富久千代(佐賀県/肥前浜駅)

肥前浜駅から徒歩約6分、醤油や酒の蔵が建ち並ぶ「酒蔵通り」と呼ばれるエリアに、歴史的建造物を改装したオーベルジュ「御宿富久千代」が誕生。鍋島の酒蔵「富久千代酒造」が手がけたラグジュアリー空間です。

館内に造られたのは、カウンター6席のレストラン「草庵 鍋島」。茅葺き屋根の侘住居(わびすまい)を意味する店名には、趣向を凝らしてゲストをもてなしたいという願いが込められています。

「神楽坂 石かわ」で経験を積んだ料理長の西村卓馬氏は、有明海の魚介など九州産を中心とした力強い地元食材と向き合い、料理や素材に潜むストーリーを伝えていきます。ガレやラリックのアンティークの器で楽しむ希少な銘酒とのマリアージュは、贅沢な饗宴を演出します。

日本料理

草庵 鍋島/御宿富久千代

JR線 肥前浜駅 徒歩6分

4.「ざる豆腐」発祥の地で楽しむ物語を綴るような革新的料理

日本料理 川島(佐賀県/唐津駅)

唐津駅から徒歩約3分、夕食はミシュラン一つ星、朝の豆腐料理はビブグルマン獲得という老舗「日本料理 川島」。豆腐料理が格別に美味しいのは「ざる豆腐」の発祥の店であるから。9代目当主が水にさらさない豆腐を考案、大豆の素材感が引き出された、なめらかでコクのある豆腐が生まれました。

カウンター8席でいただけるのは、朝の部、昼の部、夜の部と3つの物語を綴るように異なるメニュー。大きなざるで登場する地元産の大豆「ふくゆたか」を使用した「ざる豆腐」は、スプーンですくって味わいます。

10代目を務める川島広史氏は、東京の名店「重よし」で修業し、33歳で実家である創業220年の同店を受け継ぎ、豆腐の新境地を開いてきました。情緒あふれる和の雰囲気の中、唐津焼の器の趣ともに、伝統と革新の豆腐料理を堪能することができます。

日本料理

日本料理 川島

JR線 唐津駅 徒歩3分

15,000円〜19,999円

5.唐津ならではのネタで味わう江戸前寿司

鮨処 つく田(佐賀県/唐津駅)

唐津駅から徒歩約5分、風格のある店構えの「鮨処 つく田」。全国の食通を虜にする江戸前寿司の名店です。店内は黒を基調とした重厚な造りに、白木のカウンター7席。

店主の松尾雄二氏は、実家が寿司店だったこともあり、24歳で寿司職人の道へ。銀座「きよ田」で修業し、1993年に独立。現在は、息子さんとともに親子2代でカウンターに立ちます。地元のコシヒカリを用いて、米はふっくらと炊き上げ、赤酢と塩でシャリに合わせ仕上げるのは、唐津ならではのネタ。この地でこそ食べられる寿司を味わってほしい、という信条のもと、東京では使われないような魚も登場します。

陶芸家・中里隆氏の手による唐津焼きが引き立てるおひたしや煮物といった野菜料理など、寿司前の酒肴もまた格別。丁寧に施された職人の仕事に感動することでしょう。

寿司

鮨処 つく田

JR筑肥線線 唐津駅 徒歩5分

15,000円〜19,999円

今回は、佐賀県にある名店を厳選して5店舗ご紹介しました。どこも、旅してでも訪れたい名店揃い。その土地ならではの食材を使った、そのお店ならではの美味に癒される贅沢な食旅に、出かけてみませんか。

※こちらの記事は2024年11月29日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Miki D'Angelo Yamashita

コロンビア大学・パリ政治学院修士。新聞社を経てフリージャーナリスト。専門は別だが、趣味が高じて食担当記者に。延べ3000人料理人インタビュー、約30カ国で食関連を取材。料理本も多数編集。

【MY CHOICE】
・最近行ったお店:未在 / 晴山 / レヴォ /茶禅華
・好きなお店:ギ・サヴォワ / Restaurant KEI / 祇園さゝ木 / 宮坂
・自分の会食で使うなら:ル・ブルキニオン / ラルジャン / 乃木坂しん / 蕎麦おさめ
・注目しているお店:お料理ふじ居 / 日本料理 研野 / ELEZO ESPRIT
・得意ジャンル: スイーツ
・好きな食材:麺類

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