高級食材として、世界中の美食家を魅了する上海蟹は9月下旬頃~1月頃までが旬。味噌と卵、味噌と白子の旨味が絶品です。料理にするまでの加工に手間と時間がかかるため、上海蟹を得意とする店で「蟹尽くしコース」を堪能するのがおすすめ。今回は、個室で上海蟹をゆっくり楽しめる5軒を厳選しました。
※仕入れ状況により変動があるため、メニュー内容の詳細は店舗にお問合せください。
目 次
1.“和魂漢才”を信条に、中国料理の新領域を開拓
茶禅華(東京都/広尾駅)

広尾駅から徒歩約9分、南麻布の高級住宅街の一角に立つ瀟洒な一軒家が「茶禅華」。店主の川田智也氏は、名店「麻布長江」で修業をスタート。中国を巡り本場の味を探求してきました。
さらに「日本料理 龍吟」で和の素材の扱いを学び、台湾店の副料理長として経験を積み帰国。“和魂漢才”を信条に、中国料理の新領域を開拓しています。一皿で二種類を仕立てるスペシャリテ「仔鳩の料理二種」は、モモ肉を中国料理の技法で豪快に、ムネ肉は炭火でシンプルに焼き上げる逸品。日本料理で学んだ火入れの技術が食通を唸らせます。
季節には「上海蟹とフカヒレの春巻き」「上海蟹の紹興酒漬け」「上海蟹の餡がけご飯」などさまざまに調理法を変えた上海蟹が登場。1階に4席、2階に4〜6席の趣あるインテリアが印象的な個室があり、当代随一の上海蟹をゆったりと味わうことができます。
2.多彩な本場上海蟹料理をラグジュアリーな空間で
蟹王府(東京都/三越前駅)
三越駅前より徒歩約3分。上海蟹の名店・中国上海にある「成隆行 蟹王府(セイリュウコウ シェワンフ)」の日本初上陸店が「蟹王府」です。
60年以上の歴史を持つ上海蟹を専門としたグループ企業より、年間4度の免疫検査を施した上海蟹を空輸。一番美味しい新鮮な状態で届いた上海蟹で、多彩なメニューを創作しています。スペシャリテは、活け蟹を特製ソースに漬けたあと、マイナス40度で急速冷凍させた「蟹王府特製氷結蟹」。
蟹肉と蟹味噌のシャーベットが、シャンパンにぴったりです。一皿に約20匹もの蟹肉を使用し、胡麻が香る薄餅に詰めた「蟹炒めボービン添え」は、ワインとのアリアージュが楽しい一皿。上海蟹料理は、定番の「蒸し蟹」をはじめ多種多様。蘇州の刺繍をあしらったラグジュアリーな個室で、ひと味違う上海蟹のメニューを満喫してみませんか。
3.スペシャリテのよだれ鶏に上海蟹を合わせたお値打ちコース
東京チャイニーズ 一凛(東京都/新富町駅)
新富町駅より徒歩約3分、ランチ時には行列が目を引く人気店の「東京チャイニーズ 一凛」。店内に足を踏み入れると、北欧風のランプやアートが飾られたカフェを思わせるスタイリッシュな空間が広がります。
スペシャリテの「よだれ鶏」は、名シェフがこぞって使う兵庫丹波産の髙坂地鶏を使った、しっとりとジューシーな鶏の食感が魅力。醤油と黒酢をベースにした自慢のタレが深みを引き出します。定番の「麻婆豆腐」は、大き目にカットされた柔らかい豆腐に、絶妙に絡み合う存在感のあるひき肉が美味しさの秘訣。
コースには「上海蟹の紹興酒漬け・よだれ鶏」の8,800円のコースも用意されています。ライブ感たっぷりのカウンター席のほか、会食にも重宝する半個室もあり、貸切も可能。絶品の上海蟹をリーズナブルに満喫できる一軒です。
4.楊琴や二胡などの生演奏の中、上海料理と広東料理の融合を
中国飯店 富麗華(東京都/麻布十番駅)
麻布十番駅から徒歩2分ほどの至便な場所に店を構える「中国飯店 富麗華」。豪華絢爛なインテリアや骨董は重厚感があり、楊琴や二胡などの生演奏が本場・中国を感じさせる空気を醸し出しています。
コンセプトは、伝統の上海料理と洗練された広東料理の融合。調味料や油の風味は抑えて、引き出された食材本来の旨味で、多くの美食家を唸らせてきました。「小籠包」は、注文後に生地から練り上げ「チャーシュー」「北京ダック」は、焼物専任の料理人が仕上げる逸品。一皿ごとに計算し尽くされた上海蟹は、蟹味噌・蟹肉・足とスタッフが取り分けてくれるのもうれしいポイントです。
蟹味噌の中にあるオレンジ色の卵は記憶に残る濃厚さ。東京タワーを望める特等席も含めて個室は7室あり、季節になると訪れたくなる上海蟹の名店です。
5.“素材本来の味を超えない”日本の中華をめざす
慈華(東京都/外苑前駅)
外苑前駅から徒歩約3分、青山通りから一本入ったビルの2階に店を構える「慈華」。店主・田村亮介氏は、師匠「麻布長江」の長坂松夫氏の教え“美味しさを超えた感動の料理”を作ることに注力しています。
まず供されるのは、ゲストが歓声を上げる有田焼特注の器に盛られた「運気の上がる前菜」。昇り龍となる牡丹海老を中央に、下から上に食べ進みます。日本の中華とは何かを突き詰め、田村氏が見つけた答えは“素材本来の味を超えない中華”。麻婆豆腐も四川料理の味をベースに、辛さもソースも控えめにして、豆腐本来の食感や美味しさを引き出します。
上海蟹コースは、上海蟹味噌・蟹肉を使った品々。全9品と10品の2種類のコースが用意されていて、どちらも上海蟹のオス・メス両方をいただけます。最大8名までの円卓の個室が1室用意されているため、家族やグループで上海蟹を楽しんでみてはいかがでしょうか。
上海蟹、というと高価なイメージがあり怯んでしまうかもしれませんが、さまざまな価格帯で店のオリジナリティあふれるメニューを選ぶことができます。上海蟹を提供する店は、高い技術を誇る店ばかり。個室でじっくり上海蟹本来の魅力を味わってみてください。
※こちらの記事は2024年10月14日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。