旅してでも訪れたい、三重の名店5選

「そのお店へ行くためだけに、わざわざ足を運びたい」。そんな名店が、全国には数多く存在します。どこもその土地ならではの食材を使用した、匠の技が光る一流のお店ばかり。今回はその中でも「KIWAMINO」が厳選する三重県にある名店を5店舗ご紹介します。

1.伝統の料理を進化させた、三重の魅力満載のフレンチ

フレンチレストラン「ラ・メール」/志摩観光ホテル ザ ベイスイート(三重県/志摩市)

伊勢志摩国立公園内にあり、真珠養殖が有名な英虞湾を望む高台に佇む「志摩観光ホテル ザ ベイスイート」 。ロビーに入ると真珠のシャンデリアが迎える贅沢な空間です。フレンチレストラン「ラ・メール」からも穏やかな英虞湾の風景が望めます。

ホテルの第7代総料理長・樋口宏江氏はG7伊勢志摩サミット2016「ワーキング・ディナー」で地元三重県の魅力をあますところなく伝え、2023年にはフランスからシュヴァリエ勲章を授与されました。美食家の間でも実力を認められた逸材です。

料理イメージ

ホテル伝統の「海の幸フランス料理」を、三重の滋味豊かな食材を主役に進化させる樋口氏の料理は「伊勢志摩ガストロノミー」として、この地ならではの贅沢な食体験を得ることができます。

フランス料理

フレンチレストラン「ラ・メール」/志摩観光ホテル ザ ベイスイート

線 駅 東京・・東名高速(約4時間)→豊田JCT・・伊勢湾岸自動車道(約40分)→四日市JCT・・東名阪・伊勢自動車道(約1時間10分)→伊勢西I.C・・伊勢道路(約40分)→賢島

2.伊勢志摩の旬を懐石料理に組み入れた滋味深いフレンチ

レストラン リュウ(三重県/斎宮駅) 

三重県明和町に位置し、最寄り駅、斎宮駅からはタクシーで5分ほどの「レストラン リュウ」。

オーナーシェフは陶芸家でもある小倉龍介氏。小倉氏は、現代フランチの巨匠アラン・シャペルの愛弟子である上柿元勝氏のもと、長崎ハウステンボス「ホテル・ヨーロッパ」で修業。「ホテルグランヴィア大阪」での研鑽を経て、2006年に故郷の三重県で独立しました。出身地である三重の豊かな食材にこだわり、伊勢志摩の四季の幸を懐石料理に組み入れて滋味深いフレンチに仕立てます。

コースのメインに据えるのは、熟成松阪牛。季節により調理法を変え、地物食材とともに楽しむことができます。地物の鹿や松阪“極み”豚、伊勢赤鶏などに変更も可能。自ら伊勢湾で仕留めた魚を自作の器に盛り込むなど、シェフのおもてなしが嬉しい一軒です。

懐石フレンチ

レストラン リュウ

近鉄線 斎宮駅 タクシーで約5分

8,000円〜9,999円

3.足摺の「にかわ鶏」で焼鳥の可能性を広げる熟練の技

焼鳥 にかわ(三重県/伊勢市駅) 

伊勢市駅から徒歩8分ほどで現れる、黒い外壁に木の扉が印象的な外観の一軒が「焼鳥 にかわ」。“究極の焼鳥”を目指し、伊勢志摩備長炭で最適な火入れを施します。

料理には高知県足摺町で長期肥育した地鶏「にかわ鶏」を使用。脂のノリがよく、旨みの備わった味わいが抜群です。一度焼鳥を口にしてからお酒やお茶を飲むまでの時間で変化する味覚や食感まで計算し、一本ずつていねいに施す串打ち。旨みを引き出すため、部位により変える焼き方に熟練の技が光ります。

使う食材は、地鶏に加え伊勢産をはじめとするこだわりの野菜。器は伊勢焼と、地元愛がたっぷり詰まっています。焼鳥と野菜のコースを締めくくる鶏の出汁スープは香りも味も濃厚で別格です。

焼鳥

焼鳥 にかわ

JR東海・近鉄線 伊勢市駅 伊勢市駅から徒歩8分

10,000円〜11,999円

4.ゲストの進み具合で一品ずつ提供される「喰いきり割烹」

割烹 西むら(三重県/近鉄四日市駅)

近鉄四日市駅より徒歩約3分のところある数寄屋造りの店が「割烹 西むら」です。オープンな板場やフラットなカウンターなどの上質な和の設えは、京都の名店「未在」で修業した店主の西村雅也氏こだわりを貫き実現した空間。

当日仕入れた食材を使用し、ゲストに適したタイミングで一品ずつ提供する「喰いきり割烹」に惹かれて全国から常連が足繁く訪れます。厨房を見渡すカウンターに並ぶのは、趣向を凝らした器に彩られた関西割烹ならではの料理の数々。

伊勢海老や鮑などの地元の美味のほか、京都の鮎、琵琶湖の天然鰻など全国の逸品を取り寄せ、最旬の味わいを存分に楽しむことができます。ゲストペースに合わせ、ゆったり一品ずつ差し出される一皿ひとさらを堪能してみてはいかがでしょうか。

割烹・小料理

割烹 西むら

近鉄名古屋線 近鉄四日市駅 徒歩5分

5.風情漂うお座敷で楽しむ、本場・松阪ならではの味の深み

牛銀本店(三重県/松阪駅)

明治35年創業、城下町の風情ある通りに佇み、その歴史を伝える「牛銀本店」。松阪牛の名店として名を馳せる一軒です。

そもそも、松坂牛とは血統書付子牛を松阪市近郊で肥育した未経産牛のことを指し、同店ではその松阪牛なかでも900日以上育てた「特産」を熟成します。熟成して提供。真紅の肉に、網目状に入った白いサシの霜降り肉の甘さと柔らかさはこの店ならではのクオリティです。

なかでも看板料理のすき焼きは、上質な霜降り肉を鉄板で焼いて、砂糖と醤油だけで味付け。割り下を使わないのが特徴で、地鶏卵とともに味わいます。甘口が苦手であれば、塩味の「汐ちり」、水炊き、あみやきなどメニューもおすすめ。約120年にわたって培ってきた本場・松阪ならではの味の深みを満喫できます。

すき焼き

牛銀本店

近鉄名古屋・JR紀勢本線 松阪駅 南出口から徒歩15分

今回は、三重県にある名店を厳選して5店舗ご紹介しました。どこも、旅してでも訪れたい名店揃い。その土地ならではの食材を使った、そのお店ならではの美味に癒される贅沢な食旅に、出かけてみませんか。

※こちらの記事は2024年10月29日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Miki D'Angelo Yamashita

コロンビア大学・パリ政治学院修士。新聞社を経てフリージャーナリスト。専門は別だが、趣味が高じて食担当記者に。延べ3000人料理人インタビュー、約30カ国で食関連を取材。料理本も多数編集。

【MY CHOICE】
・最近行ったお店:未在 / 晴山 / レヴォ /茶禅華
・好きなお店:ギ・サヴォワ / Restaurant KEI / 祇園さゝ木 / 宮坂
・自分の会食で使うなら:ル・ブルキニオン / ラルジャン / 乃木坂しん / 蕎麦おさめ
・注目しているお店:お料理ふじ居 / 日本料理 研野 / ELEZO ESPRIT
・得意ジャンル: スイーツ
・好きな食材:麺類

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