「湖国」と呼ばれる滋賀県は、近江牛や焼き鯖などの全国的に知られる名物もあり、実は飲食店の老舗や名店が多い県なのです。琵琶湖の恵みを「琵琶湖八珍」と銘打ち、県をあげて特産物のPRにも力を入れています。そんな知る人ぞ知る美食を求めて、滋賀県へのグルメ旅に出かけてみてはいかがでしょうか。今回は、一度は訪れたい、滋賀の名店をご紹介します。
目 次
1.比良の四季折々の旬を満喫できる「山の辺料理」
比良山荘(滋賀県/堅田駅)
京都から若狭に抜ける鯖街道沿いに立つ、風情漂う日本家屋「比良山荘」。もともと登山家の宿の食事として始めた鮎料理で人気となり、現在は、3代目の伊藤剛治氏が考案したスペシャリテの熊鍋を求めて、全国から美食家が押し寄せます。
琵琶湖のスッポンの出汁に、冬場の熊肉を入れて小鍋に仕立てた「月とスッポン鍋」は、グルメ垂涎の逸品。秋には、名残の落ち鮎と松茸を楽しむ「鮎松」、春には「花山椒鍋」、通年登場するのは、鯉の洗いや鯉こく、自慢の「鮎のなれずし」などで、比良のご馳走三昧を満喫できます。心地よい風や水音、山野の香りを五感で愛でながら、この里でしか味わえない、四季折々の旬が堪能できる「山の辺料理」を体験してみてはいかがでしょうか。
2.禅の精神とお茶の心を表現する老舗料亭
招福樓 本店(滋賀県/八日市駅)
静謐な雰囲気の中で豊かな時間が過ごせる「招福樓 本店」。敷地面積1,400坪という広大な敷地内にある屋敷の6室ほどしか使われていない贅沢な空間です。足を踏み入れると感じるのは、それぞれの部屋に息づく由緒ある歴史。
16歳で禅宗の寺に弟子入りし、精進料理を学んだ4代目・中村成実氏の創り出すコースは、バランスよく盛り込まれた茶味ある一皿と、華やかな料理。季節の味覚を慈しむ八寸はリキュールグラスに、また、昆布と本枯れ鰹節でていねいに引かれた出汁が香るお椀は落ち着きのある器で提供し「禅の精神とお茶の心を基とする料理」を表現します。創業160年の茶懐石の名店が、風雅な料亭の世界へと誘ってくれることでしょう。
3.肉好きを心酔させる、名門畜産家の近江牛
肉料理ふくなが(滋賀県/守山駅)
JR守山駅から歩いて12分ほどの住宅街に店を構え、全国の肉好きを心酔させる「肉料理ふくなが」。割烹料理店のような設えのカウンター席に座れば、店主である福永義規氏の温かい笑顔に迎えられます。福永氏の実家は、近江牛の名門畜産家の「マルキ 福永喜三郎商店」。昔ながらの肥育法で、鈴鹿山系の伏流水を飲みながら育てられた雌牛は、噛み締めるごとに広がる旨みが特徴です。
スペシャリテのハンバーグにナイフを入れると、トロリと流れ出て広がる肉の独特の甘み。ベストな状態で近江牛を提供するノウハウが詰まっています。もともとはフレンチの料理人である福永氏ならではのワインセレクトによるこの上ないマリアージュで、数々の魅力的な肉料理の余韻を長く残します。
4.絶品近江牛を創業120年の老舗専門店で味わう
近江牛専門店 近江・かど萬(滋賀県/びわ湖浜大津駅)
びわ湖浜大津駅から徒歩約5分の至便な距離に位置する、創業120余年の老舗「近江牛専門店 近江・かど萬」。3代目が選ぶA5ランクの霜降りの甘みと風味、赤身の旨みが絶妙な近江牛の5コースが用意されています。
肉そのものの味を楽しみたければ、ステーキコースやオイル焼きコースがベスト。定番の焼肉は、とろける甘みとやわらかい食感を存分に堪能できます。旨みを引き出す味付けは、開業時から大切に受け継がれている秘伝ポン酢や伝統の胡麻ダレ。すき焼きは、大分から取り寄せた上質な鶏の生卵に絡めれば、濃厚な味わいに。無垢材をふんだんに使ったプライベート感のある半個室でゆったりくつろぎながら、近江牛に合わせた厳選ワインで舌鼓を打つ、至極の時間が流れます。
5.米蔵を改装した趣きのある空間で楽しむ和食割烹
馳走 とし藤(滋賀県/草津駅)
草津駅から徒歩で約12分、住宅地にひっそりと佇む和食割烹「馳走 とし藤」。東海道と中山道の分岐点であり、多くの旅籠が軒を並べた草津宿の面影を残す地に、米蔵を改造した趣きある店構えが現れます。京都の「御料理 秋山」にて長らく修業した店主が1人で切り盛りするコースは、出汁の旨さが光る、体に優しい品々が登場します。
子持ち鮎は骨を抜いた後に揚げ、すべての部位が楽しめる仕立てに。土鍋で炊いた滋賀県産のコシヒカリは、追加で卵かけご飯としても。最後は、数種類から選ぶ自家製のデザートで締めくくります。豊富な銘柄をそろえる日本酒は、希少なものも用意。重厚感がありながらも温かみ溢れる和みの空間で、滋賀の名店の味を満喫することができます。
今回は、食事をするためにわざわざその地を訪れたい、人気の店ばかりを厳選しました。少し足を伸ばして、滋賀の美食に出会う旅をしてみませんか。
※こちらの記事は2024年09月10日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。