2つの海に面した愛媛県。天然の生け簀とも呼ばれる瀬戸内海は、真鯛やアナゴ、タコなどが水揚げされ、宇和海はリアス式海岸が続き黒潮が流れ込む豊かな漁場です。多彩なネタを巧みに握る職人が多く、地物ならではの寿司を堪能できると、全国から寿司ファンが通う店も多数。今回は、愛媛県の人気寿司店を4軒紹介します。
目 次
1.魚の複雑な旨みを引き出すワザで素材を活かす
くるますし(愛媛県/勝山町駅)
勝山町駅から徒歩約2分、愛媛県の大街道近くに位置する「くるますし」。凛とした和の雰囲気が漂う店内に配された、白木の一枚板を使ったカウンター席が圧巻です。
寿司を握るのは、東京で江戸前寿司の修業後、父親の店を継いだ2代目・高平康司氏。日本史上最年少の27歳で『ミシュランガイド広島・愛媛2018特別版』の二つ星に掲載されました。愛媛県は、瀬戸内海から太平洋側まで海が広がる魚介の宝庫。四国の地物の魚を中心に使用し、神経締めや血抜きなども自ら行なうなど、理想の味を追求したネタで握る寿司を求めて食通たちが全国から集います。
旨み成分や身の香りを引き出す熟成の手法は、温度や時間を綿密に計算して理想的なコンデイションを実現。魚の複雑な旨みを引き出すワザを駆使して素材が“生きる味”を生み出す松山随一の名店です。
2.名漁師とともに魚の旨みを最大限引き出す
赤吉(愛媛県/波止浜駅)
広島県尾道市から愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道」沿いに位置する伯方島の寿司店「赤吉」。
大阪「千吉寿司」で修業後この地で独立した赤瀬淳治氏は、全国の魚を食べ歩き、魚の処理や調理技術を研究。瀬戸内海の名漁師・藤本純一氏から入手するタイやマナガツオ、イサキ、サワラなど白身をメインに、多種多様な調理方法で腕をふるい、全国の寿司ファンを魅了しています。
魚を傷つけない独自の処理法を開拓した藤本氏とともに、魚のもっとも美味しい食べ方を追求。さらには、中華や西洋料理の火入れや調味を研究し、独創的な料理の数々を創作しています。なかでも卵かけごはんが入った玉子焼きは、ゲストを虜にする逸品。ほろりとくずれるシャリと、手をかけて旨みを引き出した魚のハーモニーを心ゆくまで味わって。
3.バラエティ豊かなネタを種類豊富な日本酒と楽しむ
鮨 いの(愛媛県/大街道駅)
大街道駅より徒歩約4分、繁華街の大街道に店を構える「鮨 いの」。猪野祐介氏は、松山市にある寿司店「江戸前 一朗」にて修業後、2014年に独立。個室もある広々とした店内に設えられた一枚板のカウンターは10席と、ゆとりある空間がひろがります。
神経締めや血抜きが施された魚に、より最適な手法を駆使して醤油づけや酢で締めるなどていねいな仕込みを信条としています。江戸前の技術も使い、シャリはネタによって白と赤で使い分け緩急をつけた構成。
白身魚が人気の愛媛で、豊洲から仕入れたマグロを使い江戸前の寿司を提供するなど、バラエティに富む組み立てを創り上げています。約50種常備する日本酒やワイン、シャンパンとの相性の良いネタを提案。ポテンシャルがある愛媛の魚だけでなく、お酒も一緒に楽しみましょう。
4.のど越しまで計算されたシャリとネタのハーモニーが格別な味わい
鮨の間(愛媛県/勝山町駅)
勝山町駅より徒歩約5分の至便な距離に位置する「鮨の間」。季節の花木が飾られた玄関から暖簾をくぐり店内に入ると、大将を囲む五角形のカウンターや背後のバーカウンターが印象的な落ち着いた空間が広がります。
店主の野間省吾氏は、今治市「健寿司」で16年間修業ののち独立。愛媛の寿司をベースに江戸前寿司の技法を取り入れ、瀬戸内の海の幸をつまみと握りで提供します。その素材の旨みがもっとも引き出せるように一つ一つ仕込み方を変えて握ります。
ネタは季節ごとの白身魚や愛媛県産の殻付きの雲丹など、この地ならではの上質な素材。のど越しまで計算されたシャリとネタのハーモニーが格別な味わいを生み出します。人間国宝の伊勢崎淳氏の息子・伊勢崎競氏に特注する備前焼の器が彩る愛媛県の逸品料理。目にも美しいひと皿を満喫してください。
瀬戸内の魚介の旨みを、それぞれの手法で最大限引き出す熟練の技を堪能できる店ばかりを厳選。愛媛県を訪れる機会があれば、この地ならではのネタが楽しめる名店に、ぜひ、足を運んでみてください。
※こちらの記事は2024年11月02日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。