京都には食通が通う店が多数ありますが、美食を本格的に楽しめる個室を備えた店は意外と少ないのが実情です。今回は、完全個室を完備した京都にある名店を6軒ご紹介。特別な接待や会食で行きたい店を厳選しました。
目 次
1.美食家から注目を集める懐石料理の真髄
木山(京都府/丸太町駅)
丸太町駅より徒歩約4分、京都御所からほど近い住宅街の一角に「木山」が現れ、店頭からも鰹出汁の芳しい香りが漂います。
席に着くとまず差し出されるのは、店の井戸から汲んだ水を沸かした一杯の白湯。一組ずつ、ゲストの前で鰹が削られ、馥郁たる香りが広がります。鰹節は塩味や酸味の調整をしながら2種類をブレンドします。まろやかな井戸水と、削りたての節で引いた出汁を使う椀ものはお店の看板料理。“水”と“だし”に宿る日本料理の真髄を追求します。
店主の木山義朗氏は、名店「和久傳」で修業し、10年間料理長を務め独立。1年目でミシュランの星を獲得し、食通から一目置かれる実力派です。無垢の木を基調にした温かみのある空間には、カウンター9席のほか、4~7名用と2~6名用の2つの個室を完備。シックな雰囲気の個室はテーブル席となっており、特別な記念日や接待などの食事にも最適です。
2.“町家個室”で2組だけのおもてなしを堪能
御料理 光安(京都府/二条駅)
二条駅より徒歩約10分、平安京内裏跡地に残る築約150年の京町家が「御料理 光安」。1日2組のみが、特別な美食のおもてなしを受けられます。
中央に配された厨房をはさみ、2つの個室が備えられています。2部屋はそれぞれ貸し切り。オープンキッチンとなっている厨房との絶妙な距離で、調理をする職人技に見惚れながらの優雅な食事。店主の光安裕一氏や女将との料理談義も弾みます。
シンプルシックな空間にはアンティークがさりげなく飾られ、洗練された和モダンな設え。京都の伝統的な室礼に静謐な空気が流れます。ていねいに作り上げた料理の数々は、季節感を活かした素材が主役。出来たての滋味深い一品を個室で味わうひとときは、贅沢な時間になること請け合い。
3.路地裏の隠れ家で味わう、遊び心あふれる割烹料理
東山 吉寿(京都府/清水五条駅)
清水五条駅より徒歩約9分、東山の路地裏に佇む隠れ家的な雰囲気の「東山 吉寿」。京都の有名ホテルの料理長から割烹料理へ転身した店主・鈴木吉寿氏が手がける、エンターテイメント性あふれる割烹料理が話題となっています。
料理への純粋な追求心から多彩なジャンルを研究し、組み入れるオリジナリティ。趣向を凝らした日本料理とともに日本酒のほか、ワイン、シャンパン、ウィスキーなど種類豊富なお酒を味わうことができます。
カウンター席は、店主の調理技術を間近で見ることができる特別な席。そのほかに設えられた、プライベートカウンター4席のゆったりとした個室は、接待や会食などに利用したいですね。
4.京料理に炭火焼きを取り入れた斬新な割烹
炭火割烹 いふき(京都府/祇園四条駅)
祇園四条駅より徒歩約5分、花見小路の風情漂う一角に店を構える「炭火割烹 いふき」。京料理の老舗で料理長を務めていた店主の山本典央氏が炭火に魅せられ、独立して2005年に開店。2011年に祇園に移転し、土佐の備長炭を使った独創的な炭火焼料理が話題を呼びました。
スペインなどで研究を重ねた炭火焼きをメインにした斬新な炭火割烹。焼く、炙るなど、シンプルでありながら、原始的な調理方法の中にも、上質な食材を選び、手間をかけていねいに下ごしらえを施し、絶妙な火入れで食材の持つ香りや旨みを最大限に引き出します。
奥庭を眺められる1階の個室は4名の掘り炬燵式のお座敷、2階には8名までのテーブル個室を完備。一番好い状態でふる舞われるひと皿を、大切なシーンで満喫することができます。
5.茶懐石の心を大切にしたおもてなしと自由な発想の料理
祇園 又吉(京都府/河原町駅)
河原町駅から徒歩約10分、祇園花見小路の路地にひっそり佇む割烹「祇園 又吉」。格子戸を開けて石畳を進むと、凛とした和の空気漂う空間がゲストを迎えます。
店主の又吉一友氏は、京都の老舗旅館「炭屋旅館」で料理長を務め、2008年に独立。茶懐石の心を大切にしたおもてなしに心温まります。故郷の沖縄野菜を使い、伝統的な懐石料理をベースにしながらも自由な発想で上質なコースを生み出します。
多彩な料理を楽しんでもらいたいと、多皿で用意。バラエティに富んだ滋味溢れる約13皿を堪能できます。繊細で華麗な料理に彩りを添えるのは特注の器。中庭付のお座敷個室も備えられており、ゆっくりとした食事時間が過ごせるでしょう。
6.素材の輪郭を際立たせた奥深い割烹料理
ぎおん 阪川(京都府/祇園四条駅)
祇園四条駅から徒歩約7分の祇園花見小路南側。美食の店が軒を連ねる一角に位置する「ぎおん 阪川」。引き戸を開けると活気あふれる賑やかさの中、店主の坂川浩和氏の明るい笑顔と出迎えの挨拶に心和みます。
京都の名店「割烹なか川」で修業後独立、通好みのグルマンを魅了しています。京都の旬を知り尽くし、手を加えるのは最小限に抑え、素材の輪郭をしっかりと際立たせた料理の数々。繊細でありながらも力強さを感じる奥深さを印象づけます。
季節の恵みを存分に味わえる料理は、コースだけでなくアラカルトでも楽しめるのが嬉しいポイント。どこか懐かしさも感じる趣のある設えの店内には、カウンターのほか、風情ある掘り炬燵の席。2階には広々と使える畳の個室が用意されており、接待などに利用したい一軒です。
特別な接待や会食に利用できる個性あふれる6軒。京都らしい風情の中、オリジナリティを感じさせる店ばかりです。食通が注目する魅力的な料理とともにプライベート個室で特別な時間を過ごせば、記憶に残る会食になることでしょう。
※こちらの記事は2024年10月28日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。