一度は行きたい、カウンター中華の名店 東京編

世界三大料理の一つで日本人にもなじみ深い、中華料理。鍋を振る音や香りなど、迫力のあるライブ感を味わえるカウンターは特等席ではないでしょうか。今回は、一度は行きたい、東京にあるカウンター中華の名店を厳選して5軒ご紹介いたします。

1.中国料理の「技法」と日本の「粋」を融合した贅沢なコース

銀座 上瀧(東京都/銀座駅)

新橋、銀座の2駅より至便なビル3階に店を構える「銀座 上瀧」。店内にはダークブラウンを基調にした銀座らしいシックな空間が広がります。10席のカウンターのみに届けられるのは、世界各国から取り寄せた、高級食材を活かしたお任せコース。

中国料理の「技法」と日本の「粋」を融合させた、フカヒレやキャビア、アワビやトリュフ、和牛など上質な逸品を集めたコースに心躍ります。

オーナーシェフ・上瀧剛氏は、地元佐賀市で2003年「ChineseRestaurant JOTAKI」をオープン、人気を博し東京に進出しました。2018年に開業した「GINZA JOTAKI」を銀座7丁目に移転して2022年にリニューアルしたのが「銀座 上瀧」。同店でも、変わらず美食家の舌を唸らせています。カウンターでシェフによる食材や料理の説明を聞きながら、記憶に残る洗練された逸品の数々を満喫してみては。

中華料理

銀座 上瀧

東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線 銀座駅 B6、B9出口 徒歩5分

50,000円〜

2.中華の技法に捉われない表現で作り出す料理

虎峰(東京都/六本木)

六本木駅より徒歩約3分、隠れ家のような扉を開けると、広めに設らえられたコの字のカウンターが12席。目の前で繰り広げられる調理の音や香りを、臨場感たっぷりに味わうことができます。

料理長・香西亮氏は「広東料理 天啓」や「聘珍楼本店」など様々な中華料理の名店で研鑽を積み2024年3月、同店の料理長に就任しました。広東料理を軸に、中国各地の伝統的な技法を取り入れたイノベーティブな皿の数々は、一品ずつが斬新。

香港式チャーシューの蜜汁烤叉焼や、皮蛋豆腐、気仙沼産フカヒレなど定番の料理もスタイリッシュに仕上げ、日本各地の野菜や魚貝、和牛をはじめ細部にまでこだわり抜いた食材を使用。ソムリエ厳選のアルコールや中国茶のペアリングコースで、独創的な中華のスタイルを楽しんでみてはいかがでしょう。

中国料理

虎峰

都営地下鉄大江戸線 六本木駅 5番出口より徒歩3分

20,000円〜29,999円

3.ワインのフリーフローを合わせて楽しむ、少量多皿コース

中華寝台(東京都/渋谷駅)

渋谷駅から徒歩3分の場所ながら、喧騒を離れ静かに佇む「中華寝台」。黒を基調とした高級感あふれる店内で、従来の大皿中華ではなく、新たな世界観を醸し出す少量多皿のコースを味わうことができます。

前菜盛り合わせは、定番の皮蛋豆腐、叉焼とブルーチーズに、季節を取り入れた人気の前菜からスタート。中華の王道から、旬の創作料理まで、さまざまなスタイルで中華を楽しませてくれます。

薬膳中華「南青山 ESSENCE」で広東料理を学び、2019年から同店の料理長として腕を振るうのは、上笹俊氏。ソムリエと国際薬膳調理師の資格を持ち、正統派中華に和の優しさを織り交ぜながら、考え抜かれた料理の数々を生み出します。ソムリエと二人三脚で切り盛りする温かい空間で、日本酒も含むワインのフリーフローを合わせた新しい中華の世界を体験してはいかがでしょう。朱色のカウンターに座れば、料理やお酒の希望を最大限実現してくれます。

中国料理

中華寝台

東急東横線・田園都市線 渋谷駅 徒歩3分

12,000円〜14,999円

4.シェフとの会話を楽しみながら四川料理の奥深さに舌鼓

中国菜ARATA(東京都/人形町)

人形町駅より徒歩約3分、四川を中心とする本格中国料理を、日本ワインとともに楽しめる「中国菜ARATA」。2023年のオープンより、同店で料理長を務める中園健司氏は「中国料理 天外天」にて修業をスタート。副料理長に就任したのち、麻布十番の四川料理店「飄香(ピャオシャン)」で副料理長として腕を振るった逸材です。

「山形県産つや姫」を使用し、粒がなくなるまでペースト状にして3か月乾燥させた自家製おこげは「中国菜ARATA」のスペシャリテ。アワビや海鮮のだし汁がしっかり含まれています。3%の塩水につけることで乳酸菌を増量させた自家製泡菜(パオツァイ)は、料理に香りや深い味わいをもたらします。

この他、よだれ鶏などの王道から、ラムのチャーシュー、稚鮎のから揚げなどオリジナル料理の数々が個性を発揮。カウンターに囲まれたオープンキッチンで、シェフとの会話を楽しみながら四川料理の奥深さに舌鼓を打ってみては。

中国料理

中国菜ARATA

日比谷/大江戸線 人形町駅 徒歩3分

12,000円〜14,999円

5.全国の食通を虜にする中華の名手が東京に進出

フルタ(東京都/新富町駅)

全国の食通を虜にし“中華の名手”と謳われる古田等氏は、22歳の若さで独立。岐阜市内にオープンした「開化亭」において、独学で腕を磨き、卓越したセンスで独自のスタイルを編み出してきました。

そんな古田氏が2014年、名店の激戦区に満を持してオープンさせたのが、新富町駅より徒歩約4分の「フルタ」。贅沢な食材をフルに使い、絶品の数々を繰り出します。干しアワビにフカヒレ、熊の手などの高級素材に芳醇なワイン合わせたマリアージュも魅力。中華料理の枠を超えた、センスあふれるオリジナルの料理には技術の粋が詰まっています。

月に一度、一組だけのゲストに“古田流極みの中華料理”を振る舞う“シェフズテーブル”のスタイルを銀座でも踏襲。以前は岐阜でしか味わえなかった美食の数々を、8席のみのカウンター席でぜひ体験してみてください。

中華料理

フルタ

東京メトロ有楽町線 新富町駅 1番口 徒歩4分

50,000円〜

今回は、一度は行きたい、東京にあるカウンター中華の名店をご紹介いたしました。カウンター席だからこそ体感できる個性豊かなお店ばかりでしたね。いつもとは一味違う食体験を求めて訪れてみてはいかがでしょうか。

※こちらの記事は2024年09月01日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Miki D'Angelo Yamashita

コロンビア大学・パリ政治学院修士。新聞社を経てフリージャーナリスト。専門は別だが、趣味が高じて食担当記者に。延べ3000人料理人インタビュー、約30カ国で食関連を取材。料理本も多数編集。

【MY CHOICE】
・最近行ったお店:未在 / 晴山 / レヴォ /茶禅華
・好きなお店:ギ・サヴォワ / Restaurant KEI / 祇園さゝ木 / 宮坂
・自分の会食で使うなら:ル・ブルキニオン / ラルジャン / 乃木坂しん / 蕎麦おさめ
・注目しているお店:お料理ふじ居 / 日本料理 研野 / ELEZO ESPRIT
・得意ジャンル: スイーツ
・好きな食材:麺類

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