一度は行きたい、日本料理の名店 東京編

春夏秋冬の変化が盛り込まれた日本料理。目でも舌でも日本ならではの魅力をしみじみと感じられ、四季の移り変わりと共に味わいたくなりますよね。今回は、一度は行きたい、東京にある日本料理の名店を厳選して5軒ご紹介。和の心と技を活かした旬の逸品を楽しんでみませんか?

1.既成概念に縛られないコース構成が魅力

麻布 かどわき(東京都/麻布十番駅)

麻布 かどわきの店内

麻布十番商店街から一本入った細い道にひっそり佇む「麻布 かどわき」。店主・門脇俊哉氏は、六本木の高級割烹「越」で修業をスタートし「つきじ植むら」では、27歳という若さで西日暮里店の主任に就任。その後名店「鴨川」で研鑽を積み「海燕亭」で料理長を務め、独立を果たしました。以来、食通が集う店として長きにわたり、名を馳せています。

カウンター席と個室を備えた店内は凛とした雰囲気。趣ある調度品が配されており、上品な空間で食事ができます。厳選した食材に珍味を織り交ぜながら新たな味わいを引き出し、既成概念に縛られないコース構成が魅力です。看板料理「トリュフの炊き込みご飯」は“記憶に残る料理”を目指して生み出された珠玉の名品。ふんだんに振りかけられたトリュフの芳醇な香りは、忘れられない美食体験になることでしょう。

割烹・懐石料理

麻布 かどわき

東京メトロ南北線 麻布十番駅 4番出口 徒歩5分

40,000円〜49,999円

2.枠を超えて素材の本質を捉える独創的な和食

虎白(東京都/飯田橋駅)

飯田橋駅から徒歩約3分、美食店が集まる神楽坂の裏路地にひそかに店を構える「虎白」。「神楽坂 石かわ」で長年研鑽を積んだ店主の小泉瑚佑慈氏が、表現手法や見せ方に工夫を凝らし、今までにない日本料理店をつくりたいと開業。当時最年少でミシュラン三つ星を獲得し、美食家を魅了し続けています。

華美に走らず、素材の本質を捉える日本料理を追求。その独創性は、伝統的な和の技法に、トリュフやキャビアなど、和食としては珍しい素材を組み合わせる料理に現れます。なかでも小泉氏が大切にしているのは“水”。かつおや昆布の香りを控えめに抑えた独特な出汁が、その食材の持つ力を存分に引き出します。日本料理の確かな技術をベースにしつつも枠を超えた個性的なひと皿に舌鼓を打ってみてはいかがでしょうか。

懐石・会席料理

虎白

東京メトロ有楽町線・南北線 飯田橋駅 徒歩3分

40,000円〜49,999円

3.形式にこだわらず妥協なき手法で食材の奥深さを表現

まき村(東京都/大森海岸駅)

大森海岸駅から5分ほど歩くと目に留まる、シックな白い壁が印象的な「まき村」。店主・牧村彰夫氏は、赤坂の料亭「長谷川」で修業を始め、27歳の時に大森で独立。2010年、大森海岸へ移転し、2015年よりミシュランの三つ星を守り続けています。吟味した旬の素材から奥ゆきある味わいを引き出す技が持ち味。日本ならではの季節の彩と香りをゲストに届けます。

白漆喰を基調とした落ち着いた和の空間で、形式に縛られず妥協なき手法で調理。食材の純粋な奥深さを表現します。看板料理の「鯛茶漬け」は、その時季の旬の産地から仕入れた鯛を使用。北海道産昆布からとった絶品出汁を土鍋で炊きたての魚沼産コシヒカリにたっぷりかけた逸品です。友人宅を訪れたかのような懐かしさに癒される空間で、牧村夫妻の心づくしのおもてなしを受けながら、贅沢なひとときを過ごしてみては。

日本料理

まき村

京浜急行電鉄本線 大森海岸駅 徒歩約5分

30,000円〜39,999円

4.旬の活かし方を知り尽くした匠の技

神楽坂 石かわ(東京都/牛込神楽坂駅)

神楽坂の象徴、毘沙門天善国寺の裏手に位置し、黒塀に囲まれた店構えが目を引く「神楽坂 石かわ」。店主・石川秀樹氏は、東京の日本料理店「さくら」にて料理人修業を開始。その後、乃木坂や赤坂の有名店やホテルなどで活躍し、2003年に独立しました。2009年から連続して三つ星を獲得するなど、実力店が数ある神楽坂にあってその名を響き渡らせ、今や日本を代表する料理店の一軒です。

季節の恵みの純粋なおいしさを追い求め、探求し尽くした料理は、素材の輪郭が際立つ逸品揃い。カウンターと4つの個室が備えられた空間は、日本の伝統を伝える美術品がさりげなく配され、凛としながらも心地よい空気が漂います。旬の活かし方を知り尽くした匠の技を、ぜひ一度体験してみてください。

懐石・会席料理

神楽坂 石かわ

都営地下鉄大江戸線 牛込神楽坂駅 徒歩3分

40,000円〜49,999円

5.その日限りのベストな素材で日本の豊かさを表現

日本料理 龍吟(東京都/日比谷駅)

東京ミッドタウン日比谷7階に広々とした店を構える日本を代表する名店「日本料理 龍吟」。禅語「龍吟雲起」に由来する店名を掲げ、日本全土から選りすぐりの食材のみで紡ぐ特別な饗応が繰り広げられます。腕を振るうのは「世界のシェフ100人」にて、世界トップ10入りを果たし、その名を轟かせている山本征治氏。

いただけるのは、春は山菜や貝、夏は鮎や鱧、秋は松茸、冬はふぐ・松葉ガニと、季節ごとの名物を使った絶品の数々です。テーブルに着くと、その日使用する食材の産地が描かれた日本地図が置かれています。その日限りのベストな素材で日本の豊かさを表現する料理に心躍ります。日比谷の美しい夜景を眺めながら、日本の自然が生み出した宝を味わい尽くす晩餐を体験してみてはいかがですか。

懐石・会席料理

日本料理 龍吟

東京メトロ千代田・都営地下鉄三田線 日比谷駅 駅直結

50,000円〜

今回は、一度は行ってみたい、東京にある日本料理の名店を厳選して5店舗ご紹介しました。日本の四季の美しさを食事の中に感じられる料理の数々は、それぞれの店ごとに特徴のあるものばかり。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

※こちらの記事は2024年10月10日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Miki D'Angelo Yamashita

コロンビア大学・パリ政治学院修士。新聞社を経てフリージャーナリスト。専門は別だが、趣味が高じて食担当記者に。延べ3000人料理人インタビュー、約30カ国で食関連を取材。料理本も多数編集。

【MY CHOICE】
・最近行ったお店:未在 / 晴山 / レヴォ /茶禅華
・好きなお店:ギ・サヴォワ / Restaurant KEI / 祇園さゝ木 / 宮坂
・自分の会食で使うなら:ル・ブルキニオン / ラルジャン / 乃木坂しん / 蕎麦おさめ
・注目しているお店:お料理ふじ居 / 日本料理 研野 / ELEZO ESPRIT
・得意ジャンル: スイーツ
・好きな食材:麺類

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