西麻布・六本木といえば、日本でも有数の日本料理店の聖地。個性的な名店が目白押しで、毎夜、美食家が集まる街です。今回は、なかでも匠の技が味わえる人気店5軒を厳選。一度は行ってみる価値がある日本料理店を紹介します。
目 次
1.物語のある構成で表現する正統派の懐石料理
よし澤(東京都/六本木駅)
「六本木ヒルズ」ウェストウォーク5階に店を構える「よし澤」。都心のビル中にあって本格的な数寄屋造りの店内では、心休まる静謐なひとときを過ごすことができます。店主の吉澤定久氏は、京都と東京で修業を積んだのち独立。「ぎんざ 一二岐」「銀座 よし澤」などミシュランの星を獲得した店を次々手がけ、食通たちに支持されてきました。
料理長として自ら腕をふるう六本木ヒルズ店では、正統派の懐石料理を基本に、季節を捉え、物語のある構成でコースを表現します。看板料理は、その時期のベストの産地から届く鰆の豪快な藁焼き。月替わりのメニューを楽しみに、毎月訪れる常連も多い人気店です。
2.ふぐと季節料理を堪能できる西麻布の隠れ家
とく山(東京都/広尾駅)
1978年創業、新鮮なふぐと季節の食材を使った料理を満喫できるふぐ料理の老舗「とく山」。西麻布交差点から一本入った路地に隠れ家のようにひっそり佇む同店では、上質なふぐを多彩な調理で提供します。
本来の味を堪能できるふぐのさしみは、厚切りで弾力のある食感が圧巻。ふぐの中落ち部分を炭火で焼き、生姜醤油を使って仕上げる「中おち焼き」、3種のふぐの皮と野菜にさっと火を通してポン酢ベースのえごまだれで合わせる「皮しゃぶ鍋」など、この店以外ではなかなか味わえない料理も美食家を惹きつけています。
そんな多様なふぐ料理に合わせたいのは、特製の「ひれ酒」「凍結酒」。落ち着いた雰囲気のカウンター席で、肩肘じはらずにふぐを楽しめる一軒です。
3.九州や関西の食材を盛り込んだ技ありコース
壽修(東京都/表参道駅)
西麻布の閑静な住宅街に店を構える割烹料理店「壽修」。店主の先崎真朗氏は、大阪・北新地の割烹「斗々屋」で9年間修業を積み、東京の和食店、寿司店などで腕を磨いたあと独立しました。自慢は、出身地の九州や修業地、関西の食材をふんだんに取り入れた料理。
A5ランクの伊万里牛をはじめ、信頼できる生産者から仕入れる赤レンコンや若ゴボウなど、東京ではあまり出会えない関西の伝統野菜が味わえます。
また、優れた酒造地域として知られる佐賀県の日本酒が充実。世界的なコンクールに入賞し、入手困難といわれる「鍋島」は、定番の純米吟醸から季節物まで飲み比べも可能です。ゲストの好みや訪れる時間にも柔軟に対応。距離感を大切にしたカウンター席と寛げるテーブル席で、素材一つひとつが際立つ懐石料理を満喫できます。
4.日本食親善大使が発信する岐阜の魅力と懐石の融合
三宅輝(東京都/六本木駅)
東京・六本木駅から徒歩約5分。農林水産省より「日本食普及の親善大使」に任命された三宅輝氏が、2014年、岐阜・多治見市に開業した人気店「うなぎ 日本料理 優月」に続き、懐石料理店「三宅輝」を東京にオープン。「和良川の鮎」など岐阜の食材に、全国各地から厳選した良質な素材を絶妙に組み合わせます。
看板料理は、130年以上受け継がれるタレを使用した地焼きによる「うなぎの蒲焼」。ソムリエがセレクトしたヴィンテージワインとの相性も抜群です。岐阜産の栗の木で設えたカウンターや多治見タイルなどを使用し、岐阜の魅力を随所に伝える空間。三宅氏自らがデザインした美濃焼の器で楽しむ岐阜と懐石料理の融合を、ぜひ体験してみてください。
5.受け継いだ 名店を受け継ぎながら、自らのスタイルで料理を表現
霞町 やまがみ(東京都/広尾駅)
西麻布の交差点近くにて名店の光を放つ「霞町 やまがみ」。2018年に勇退した「霞町 すゑとみ」の末富康雄氏の後を引き継ぎ、スタッフとともに独立したのは、10年間、末富氏の片腕だった山上知亮氏。大将から学んだ料理を自分のスタイルに進化させ、先代からの常連にも支持されてきました。
生の状態から特製のタレをからめて炭火でじっくり焼き上げられた看板料理「焼きスッポン」は、力強く広がる旨みが魅力です。味を重ねず食材を尊重した味付けが持ち味。おまかせではありながらも、選べる焼物や土鍋ご飯を数種用意しゲストに寄り添います。落ち着いた佇まいの中なかふるまわれる誠実な料理が、美食家を虜にしています。
6.日本料理界の重鎮による独創的で繊細な会席
分とく山(東京都/広尾駅)
広尾駅から徒歩約5分、緑に囲まれ木の温もりを感じる一軒家。「分とく山」の元料理長は、伝統をベースに独創的な料理を繰り出してきたことで知られる、日本料理界の重鎮です。
会席料理をメインとするこちらの分店。手間を惜しまぬ繊細な日本料理の数々を堪能できます。なかでも「鮑の磯焼き」は、創業当初からの名物料理。肉厚の鮑に肝ソースをたっぷりと絡め、磯の香りが食欲を刺激します。
料理はどれも、伝統をベースにしながらも目にも麗しく独創的。毎週内容が変わる炊きたての土鍋ご飯は、常連に愛される格別な締めです。
手間を惜しまぬ魅力的な日本料理の真髄を堪能できる6軒。季節の食材の美味しさを引き出し、目にも麗しい料理が味わえます。意外にも堅苦しくなくリラックスして楽しめる店ばかり。敷居が高いと思わず、ぜひ一度足を運んでみてください。
※こちらの記事は2024年10月21日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。