六本木・麻布・広尾といえば、美味しいお店が軒を連ねる東京きっての大人の美食エリア。なかでも名店のカウンター割烹は、隠れ家のように密やかにグルマンたちを迎えます。今回は、しっぽり飲める美味しい店を、数ある和食店の中から6店紹介します。
目 次
1.全国の港から取り寄せた厳選魚介が魅力
澤いち(東京都/六本木駅)

六本木通りにあって一際目立つ和の風情漂う「澤いち」。温みのある灯がともる白い暖簾をくぐると、落ち着いた設えの中、厨房を見渡すカウンター席が目に入ります。和の洗練された空間で、カニ・鮑・すっぽんなど、新鮮で旨味たっぷりの厳選した魚介類を、店主の古澤氏が徹底的なこだわりを貫いて仕立てたおまかせコースに舌鼓。
食材は、北海道から九州まで全国の漁港から直送で取り寄せたもの。春はホタルイカ、冬はヤリイカと、季節ごとに種類を変えるイカ刺、そのほか、特大サイズのきんきやのどぐろの炭火焼き、煮付けがリピーターを魅了します。ゆったりくつろげる掘り炬燵の個室も用意。さまざまな用途で利用できる粋な割烹料理店です。
2.和食にワインを合わせたパイオニア
割烹 小田島(東京都/六本木駅)
「ワインに和食」を提供し始めたパイオニアとして、多くの著名人に愛されてきた「割烹 小田島」。約50年前、パリに渡り日本料理店で3年間修業した店主の小田島稔氏は、和の素材と料理に合うブルゴーニュワインを突き詰めて帰国し、現在は店に100種類を超えるワインを揃えます。山海の幸を活かした日替わりの献立に、もっとも相性の良いワインをセレクト。
薄味に焚いた大根に塩焼きのフォアグラをのせた、看板料理の「フォアグラ大根」には、店主おすすめの貴腐ワインが余韻を残します。おすすめは、店主の調理を見ながら食事ができるカウンター席。カロリーを抑えたメニューやベジタリアン向けのメニューも可能なので、興味のある方は相談してみてはいかがでしょうか。
3.和の名店を受け継ぎ、進化を続ける割烹
霞町 やまがみ(東京都/広尾駅)
外苑西通りから少し入った路地のビル3階に店を構える「霞町 やまがみ」。老舗「霞町 すゑとみ」が、内装も看板もそのままに店名を変えて再始動しました。風格が残る店内の清々しい白木の檜カウンターに立つのは、長らく「霞町 すゑとみ」末富康雄氏の片腕として副料理長を務めた店主の山上知亮氏。
おまかせで供される品々は、いずれも素材の持ち味を最大限引き出した料理ばかり。代表料理であるすっぽんは、浜名湖の服部中村カメ養殖場からのもの。秘伝のたれで漬け込んだすっぽんは一度食べたら忘れられない豊かな味わいです。リズムよく提供される「おまかせコース」の10品の料理は、毎月食材が変わるため、定期的に訪れるファンも多い名店です。
4.厳選和牛を日本料理とともに味わう肉割烹
常(東京都/広尾駅)
西麻布の交差点からほど近い路地裏、看板も暖簾もなく密やかに佇む「常(とわ)」。都会の喧騒を忘れる静かで凛とした店内で、神戸・川岸牧場の和牛を中心とした逸品をいただける肉割烹です。季節の味覚を味わえる約12品を、和牛と合わせて満喫できる新しいスタイル。
名物「黒毛和牛タン 塊焼き」は、厚みがありながらも口へ運ぶとすぐに繊維がほどけ、甘みのある上質な脂は食通をも唸らせる仕上がりです。店主は「赤坂 菊乃井」や元麻布「かんだ」で修業を積んだ常安孝明氏。料理の技術はもちろん、器選びのセンスも磨き上げ、目にも艶やかなひと皿を生み出します。カウンターは目の前で“肉劇場”を楽しめる特等席。店主の会話も弾み、肉好きを魅了します。
5.体に沁みこむ深い味わいを美しい器で
割烹 喜作(東京都/麻布十番駅)
麻布十番の閑静な住宅街のビル5階に佇む「割烹 喜作」。京都の「菊乃井」、赤坂の「もりかわ」「日本橋ゆかり」で修業を積んだ店主・森義明氏の腕が冴えわたります。檜の一枚板で造られたカウンターを始め、木の温もりを感じる純和風の店内は、こぢんまりして落ち着いた居心地の良い空間。
屋号は、椎茸の人工栽培を日本で初めて成功させた祖父の名前から名付けられたと言い、コースには椎茸を使用した料理が供されます。たとえば、海老しんじょうに合わせた椎茸は香り豊かで身も厚く、食べ応え充分。体に沁みこむ味わい深い料理の数々を、美しい唐津・天平窯の器で満喫する、そんな贅沢な時間を心ゆくまで楽しめます。
6.全国から料理研究家が集めた旨い肴と酒
霞町三〇一ノ一(東京都/乃木坂駅)
西麻布の隠れ家的割烹料理店「霞町三〇一ノ一」。料理研究家でオーナーの渡辺ひと美氏が「美味しい肴があるから、旨い酒が飲みたくなる」をテーマに、自分の足で日本全国を巡って集めた各地の旬の味と日本酒、焼酎などのお酒を楽しめる割烹です。一枚板のカウンター席やソファテーブル席などを備えた店内は、気取りのない落ち着いた大人の佇まい。温度感や臨場感などにこだわり仕入れた素材で、季節の美味しい品々を堪能。
4名から予約となる1日1組限定「極上比内地鶏と三関のセリ鍋コース」(提供期間10月~3月まで)は、旨味が強く適度な噛み応えと弾力、脂の香りも芳ばしい比内地鶏を使った人気メニュー。ハツやレバーなどの内臓、きんかんのしゃぶしゃぶも名物料理として多くのファンに支持されています。希少な日本酒も含め、豊富にそろうお酒とともにゆったりした時間を過ごしたい一軒です。
美食店がひしめき合う六本木・麻布・広尾は、普段足を踏み入れることがない人も、美味しさを求めてわざわざ訪れるエリアかもしれません。一度食せば、やみつきになってしまう、その店ならではの看板メニューをカウンターで満喫。そんな至福の時を過ごせる割烹店の中から、自分だけの秘密のカウンター席を見つけに出かけてみてはいかがでしょうか。
※こちらの記事は2024年10月23日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。