もうチェックした?2023年にオープンした寿司の新店 大阪編

大阪の寿司といえば、江戸前寿司との比較で、具材を酢飯と共に型に入れて押し固める「押し寿司」などを思い浮かべる人も多いかもしれません。ですが、江戸前寿司とは異なる大阪の握りもバラエティに富んでいます。2023年上期も、浪速ならではの創意工夫を凝らした個性的な寿司店が次々オープン。今回は、その中から厳選した3軒を紹介します。

1.黒と赤の2種類のシャリで活けイカを楽しむ

鮨 からす 十三店(大阪府/十三駅)

十三駅から徒歩約5分の好立地に位置する、2023年3月オープンの「鮨 からす 十三店」。繁華街の喧騒から少し離れ、落ち着いた雰囲気の中で厳選素材を使った独創的なつまみや旬の握りを、季節の日本酒と共に楽しめる一軒です。大阪の寿司屋の名店「墨や」を手掛ける水産会社から産地直送で仕入れる活けイカをゲストの目の前で調理し、握りだけでなく、お造りや天ぷらなど、さまざまに変化させて提供。泳ぎイカの下足の選べる天ぷらなどといった季節の逸品が食通を魅了しています。

名物は、イカ墨を使った黒いシャリ。赤シャリと使い分けることで、味わいの幅を広げています。至極のトロに濃厚な卵黄の醤油漬けをかけた店自慢の巻き寿司もおすすめです。

寿司

鮨 からす 十三店

宝塚/京都/神戸線 十三駅 徒歩5分

10,000円〜11,999円

2.“あて”と“鮨”が共に引き立て合う美味しさ

京町堀 鮨 八十八(大阪府/阿波座駅)

閑静な京町堀の地に2023年4月オープンした「京町堀 鮨 八十八(やそはち)」。店主は、北新地の名店「堂島 鮨 清水」「鮨 のぐち」で修業ののち、独立しました。握りたての鮨と繊細なあては、旬の魚を妥協せずに厳選し、見た目のインパクトも大切にしています。

四季折々の素材と新鮮なネタを活かし“あて”と“鮨”が共に引き立て合う美味しさを追求。米には粒の食感を感じる 「ひのひかり」を使用し、白酢を合わせて穏やかな酸味にコクのある甘味が魅力のシャリを生み出します。調理風景を目の前で楽しみながら、店主の熟練の妙技によって生み出される渾身の「おまかせコース」を堪能してみてはいかがでしょうか。

寿司

京町堀 鮨 八十八

大阪メトロ中央線 阿波座駅 徒歩5分

15,000円〜19,999円

3.ストーリー性があり、安定感あふれるコース

浪速 鮨波留加(大阪府/大国町駅)

大国町駅から徒歩約2分、駅近のビル1階に2023年1月オープンした「浪速 鮨波留加」。インターフォンを押して入室すると、こぢんまりした店内には、ゆったりと席間が確保された6席のL字型カウンターが迎えてくれます。端正な空間の中で心地よく流れるBGMを聞きながら、数々の店で経験を積み、満を持して独立した若大将が上質なシャリと新鮮なネタを揃えて心を込めて握るストーリー性のある寿司。

2種を使い分けているシャリは、塩気とコクがある赤酢、そして酸がすっと立ち、甘味もある白酢。バランスよく安定感のある握りが魅力です。価格も「おまかせコース」の全20品が、13,000円とリーズナブル。選りすぐりの日本酒と共に、丁寧な仕事が光る寿司を満喫できます。

浪速 鮨波留加

御堂筋線 大国町駅 4番出口から徒歩2分

12,000円〜14,999円

粉物から変わり鍋まで、さまざまなグルメが楽しめる大阪。寿司もまた、その中の1ジャンルです。赤酢全盛の時代に白酢のシャリ、活けイカや熟成マグロにこだわる店など、独自のコンセプトに基づいて個性的な寿司を展開しています。今回紹介した3軒は、新しい寿司の形を提案する新店ばかり。一度はトライする価値ありの寿司をぜひ味わってみてください。

※こちらの記事は2024年02月27日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Miki D'Angelo Yamashita

コロンビア大学・パリ政治学院修士。新聞社を経てフリージャーナリスト。専門は別だが、趣味が高じて食担当記者に。延べ3000人料理人インタビュー、約30カ国で食関連を取材。料理本も多数編集。

【MY CHOICE】
・最近行ったお店:未在 / 晴山 / レヴォ /茶禅華
・好きなお店:ギ・サヴォワ / Restaurant KEI / 祇園さゝ木 / 宮坂
・自分の会食で使うなら:ル・ブルキニオン / ラルジャン / 乃木坂しん / 蕎麦おさめ
・注目しているお店:お料理ふじ居 / 日本料理 研野 / ELEZO ESPRIT
・得意ジャンル: スイーツ
・好きな食材:麺類

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