京都には個性的なフランス料理店がたくさんあります。ガストロノミックな料理スタイルの店でもカウンター席を数多く備えており、カジュアルに利用できるのが嬉しいポイント。カウンター席は、おひとり様でも歓迎してくれる店があるので、気軽に訪れることができます。今回は、そんなカウンターで京都のフレンチを楽しめる店を厳選してご紹介します。
目 次
1.イノベーティブな創作フレンチで味わう、和洋の組み合わせの妙
新門前 米村(京都府/三条駅)
風情漂う祇園白川を抜け、骨董店が並ぶ静かな新門前通りの一角に店を構える「新門前 米村」。京町家の扉を開けると、シェフとの会話も弾む、飴色に輝く一枚板のカウンターが迎えてくれます。京都の老舗レストランでの修業を経て、1993年に独立した米村昌泰氏。京都木屋町にオープンさせた「レストランよねむら」を閉め“料理人人生の集大成”としてスタートした「新門前 米村」は、たちまち予約困難の人気店となりました。
京風の欄間や障子に映えるアンティークやモダンアートを備えた2階席は、米村氏ならではの特別な世界観。フレンチと和食のジャンルにとらわれないメニューの数々はポリュームも満点で、和洋の取り合わせの妙を堪能できます。
2.“和洋折衷の融合美”の中で楽しむ京野菜の和フレンチ
青いけ(京都府/丸田町駅)
丸田町駅から2分ほど歩くと現れる、中村義明氏プロデュースの数寄屋建築が美しい「青いけ」。欅のパッチワークカウンターやデンマークの家具メーカー「J.L. Moller」の椅子を合わせたシンプルモダンな空間は、オーナーシェフ・青池氏が構築した“和洋折衷の融合美”が表現されています。
和の趣の中で提供されるのは、主に京都で育った30〜60品の野菜を魚介や肉と寄り添わせた体に優しいフランス料理。スペシャリテの「農園野菜のプレッセ菜園仕立て」は、20種近くの野菜のポテンシャルを引き出しています。余計な手は加えない和食の技法を使いながらも、ビジュアルと味わいは華麗なるフレンチ。カウンター越しにシェフの京野菜の解説を聞きながら、和フレンチを満喫してみてはいかがでしょうか。
3.ジャンルを超えた料理に融合させたティーペアリング
MAVO∞(京都府/祇園四条駅)
祇園八坂通りに移転した「MAVO∞」。ドイツ製高機能換気システム“ヴィンボック”を客席の頭上と天井一面に設え、鉄板を備えたカウンター8席でのフランス料理という斬新なスタイルでゲストを迎えます。
日本茶と料理で魅了する話題のレストランでは「挑戦は無限大、料理にもジャンルを設けない」を信条とするシェフの西村氏が目指す慈悲深い一皿ひと皿に、日本茶を融合させていきます。料理の味わいをより高めるだけでなく、免疫力を高めてウイルス抑制効果の成分を含有する日本茶。美味しいだけではない、健康にも配慮した食事の楽しみ方をぜひ体験してみてください。
4.フランスの名店で腕を振るった実力派のモダンフレンチ
山地陽介(京都府/祇園四条駅)
美食エリア・祇園花街南側、軒を連ねる京町家の中でひときわ輝く「山地陽介」。巨匠による坪庭の美しい緑を望むモダンな店内は、華やかな雰囲気で満ちています。シェフの山地陽介氏は「ポール・ボキューズ」や「アラン・デュカス」「ジョエル・ロブション」などの名店で、重要なポジションを任された実力派。京都の食材が秘める可能性に目覚め、舌の肥えた美食家が集まるこの地で挑戦する道を選びました。
世界中の料理人と交流を深めたフランスでの11年間で、多くの引き出しを得た経験が生み出す、イノベーティブなフレンチが魅力。グランメゾンのような佇まいながら、カウンターも備えられており、肩肘張らずにガストロノミックなフレンチが楽しめる一軒です。
5.日欧の名店出身シェフによる「香り」のフレンチ
NAKATSUKA(京都府/烏丸御池駅)
烏丸御池駅から約5分歩くと現れる、スタイリッシュな外観の「NAKATSUKA」。シェフの中塚貴之氏は、現・南青山の名店「NARISAWA」からスタートし渡仏、三つ星の「Le Pré Catelan」などの名店で修業、帰国後は奈良「アコルドゥ」を経て再び「NARISAWA」と経験を積んできました。独立後は「ガストロノミックな味をリーズナブルに楽しんで欲しい」と、店にカウンター席も用意。
“香り”をテーマとする中塚氏が、調理中の香りを届けるため、こだわりを持ったのがオープンキッチンです。カウンターに座れば、スペシャリテのオーヴェルニュ地方の厚焼クレープ「パスカード」の柑橘や香草が芳しく漂います。“幸せを感じる香り”をコンセプトにするフレンチの数々を、味わってみませんか。
フランス料理といえば、エレガントなテーブル席で優雅に食事をする、というイメージですが、最近はカウンター席でオープンキッチンのライブ感を楽しめるレストランも増えてきました。特に京都では、魅力的なカウンターフレンチが次々に登場しています。京都を訪れる機会に、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
※こちらの記事は2024年10月29日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。