美味しい牛肉を様々な仕立てで食べさせてくれる肉割烹。気分が高まりますよね。
様々な角度から、牛肉の更なる魅力を引き出すための技術や調理方法を追求し、試行錯誤を重ねた料理を堪能するのは、実に幸せでありがたいひとときです。
今回は東京都内にある、おすすめの肉割烹のお店を4軒、ご紹介いたします。
目 次
1.五感で味わい尽くす、肉本来の美味しさ
肉割烹 上(東京都/六本木駅)
西麻布交差点のほど近く、外苑西通りから一本奥に入ったビルの地下にお店を構える「肉割烹 上」。高級焼肉店「うしごろ」グループが満を持して手掛ける肉割烹の開業は、大きな話題になりました。
「美味しいお肉を一番美味しい状態で食べてもらいたい、オープンキッチンにしてお肉を焼いている様子もゲストに見てもらえるようにした」と話すのは、料理長の大久保丈太郎氏。
キッチンの中心には特注のレンガ窯が鎮座し、半分は直火、もう半分は鉄板焼きが行えるよう、窯の中が区切られています。
ヒレのように柔らかくてみずみずしい部位は、厚みがあるのに柔らかいという感覚を楽しんでもらえるように、ごろっとした切り方で。逆に、噛み応えがある赤身は薄切りにして、少ない咀嚼の回数で、牛肉を噛み締める美味しさを感じられるように仕立てます。
「肉割烹 上」のお肉は、脂の甘みがありながらもくどさがなく、食べ続けても食べ飽きないので、またすぐに食べたくなってしまいます。
2.和牛の美味しさと、和食の真髄を届ける心意気
常(東京都/広尾駅)
麻布の閑静な住宅街の近く、コンクリート打ちっ放しのデザイナーズビルの2階にお店を構える「常」。
エントランスや玄関前に看板を置いていないので、周りの景観に溶け込んでおり、隠れ家感満載です。
店主・常安孝明氏は「赤坂 菊乃井」や「かんだ」で研鑽を重ねており、その手腕には一分の隙もありません。料理の技術はもちろんの事、所作や食材、器選びにも細心の注意を払い、日々の献立に絶え間ない工夫を施しています。
「おまかせコース」は、常安氏が惚れ込んだ、神戸・川岸牧場の黒毛和牛を中心とした、季節の味覚を堪能出来る約12品。なかでも炭火でじっくりと焼かれた「黒毛和牛タン 塊焼き」は、厚みのある牛タンながら、口へ運ぶとすぐに繊維がほどけ、甘みのある脂が噛めば噛むほど溢れ出る逸品です。
趣向を凝らした牛肉と、伝統的な和食の饗宴に彩りを添えるのは、厳選したお酒のラインナップ。
ワインはフランスのブルゴーニュ産の物を中心に、ワイン好きが喜ぶ物が取り揃っています。
3.日本が誇る和牛が揃い踏み、満員御礼の岡田劇場
肉割烹 岡田前(東京都/麻布十番駅)
店名の「肉割烹 岡田前」は、独立前のお店でゲストから「今日は、岡田さんの目の前の席の予約をお願いしたい」と頼まれたのが由来。そんなエピソードが生まれるほどに、オーナーシェフである岡田賢一郎氏が繰り広げる劇場のようなおもてなしには熱狂的なファンが多く、連日賑わっています。
仕入れる牛肉は松阪、近江、神戸から、厳しい目利きを経て納得した物のみを使用。タルタルやユッケ、メンチカツ等、肉料理のオンパレードであるのにもたれる事がないのは、敢えてサシの少ない物を選んでいるのが秘訣。
数多くの人気メニューの中でも、好評を博しているのがステーキ。スペイン製のチャコールオーブンで、炭火を巧みに使いこなして焼き上げます。霜降りや赤身、タンなど部位毎に食べ比べをしてみれば、黒毛和牛の芳醇な魅力を改めて味わい尽くす事が出来ます。お酒も幅広く揃っており、日本酒やワインの希少な銘柄も。料理に合わせたペアリングも好評で、お酒好きにはたまりません。
4.和牛の魅力を余す事なく引き出す、肉尽くしの会席コース
おにく 花柳(東京都/銀座一丁目駅)
三越前駅から少し歩き、日本橋小舟町の静かなロケーションにお店を構える「おにく 花柳」。
店主・片柳遥氏は、修業の過程で黒毛和牛という食材に魅了され、日本料理の技術で更にその魅力を引き出せるのではないかと考えるように。
使用する牛肉はA4・A5ランクの黒毛和牛を全国から選りすぐって入荷。部位毎に店内で熟成し、最も美味しくなるタイミングを見計らって提供するスタイルはグルマン達の間で話題となり、瞬く間に予約が殺到するようになりました。
料理は10品ほどで構成される会席コースで、先付から締めの食事まで全てに牛肉が使用されます。
牛肉を雲丹で巻いた「北海道産生雲丹巻き」や、深いコクと脂の甘みが溶け込んだ「牛すね肉のシチュー」など、どのメニューも思わずお代わりしたくなってしまいます。
アルコールはワインを中心に、日本酒や焼酎など、料理の美味しさを引き立てる事を考えられた取り揃えで、杯が進む事請け合いです。
5.人形町の老舗精肉店が手掛ける、歴史を感じるすき焼の名店
すき焼割烹日山(東京都/人形町駅)
人形町駅から近く、築100年を誇る日本式建築の2階にお店を構える「すき焼割烹日山」。
世代を超えて、幅広い常連のゲストから長きに亘り愛され続けている、老舗のお店です。
“格付けや産地ブランドのみにとらわれず、牛肉の本来のおいしさを求める”というコンセプトを掲げ、その日に食べておいしい牛肉を目利き人が競りで選びます。決して揺るがない確かな眼力があるからこそ、1世紀以上前の時代から絶大な信頼を集める、何よりの理由なのでしょう。
お店の代名詞とも言えるのは「すき焼コース」ですが、「しゃぶしゃぶコース」も根強い人気があります。また「牛肉を噛み締める喜びで満たされたい」と思う時には、厚切りの黒毛和牛が味わえる「オイル焼コース」や「ビフテキコース」がぴったりです。
客席は全て個室。悠久の時の流れを感じる設えの中、各部屋に付く仲居さんの所作の美しさや手際の良さもまた、文句の付け所がありません。
いかがでしたでしょうか。牛肉に主眼を当てたお店だけを取り上げても、大きく個性の違いが出ます。
料理人それぞれの拘りが、供される一品に唯一無二の魅力を与え、美味しさと多幸感に包まれたゲストは「またこのお店に訪れたい」と強く思うのではないでしょうか。牛肉の美味しさを心から堪能出来るお店を、これからも皆様に沢山ご紹介出来ましたら幸いです。
※こちらの記事は2023年11月22日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。