本格的な懐石料理をランチでいただける京都の名店5選

少し時間に余裕が出来た時、ランチタイムで名店の懐石料理をいただけたら嬉しくはありませんか。
お店を出た後もまだ明るい街を散歩したり、デザートに甘い物を食べに行ったりと、食後の選択肢も色々広がります。今回はランチに本格的な懐石料理をいただける、京都の名店を5軒、ご紹介いたします。

1.妥協を許さない、水にまでこだわり伝統技本で引き出す和食の真髄

八寸(京都府/祇園四条駅)

人気料理店がひしめき合う祇園の中でも、多くのゲストが足を運び続ける「八寸」。
仕入れは長年付き合いがあり、信頼のおける漁師や農家と毎日連絡を取り、先代の久保田守氏と二代目の久保田完二氏が納得した食材のみを使用。
水は名水と言われる、錦天満宮の湧き水を毎日汲みに行きます。まろやかな軟水は、繊細な食材の味を邪魔する事がなく、柔らかい口当たりで和食に適した水質。

水が美味しいという事は、特にお椀のような料理でその真価を発揮します。
昆布出汁や鰹出汁が料理に寄り添い、体に染み入るような滋味深さをまとえるか。「八寸」のお椀は上品な味わいがあり、食材の風味が綺麗に立ち上ってきます。
一口啜り、深呼吸してまた一口。いついただいても一分の隙もない逸品です。

京料理・懐石料理

八寸

京阪本線 祇園四条駅 徒歩5分

20,000円〜29,999円

2.一期一会の食材と出会う、旬を感じる至福のひととき

祇園 又吉(京都府/河原町駅)

祇園花見小路にある、「祇園 又吉」。門口の格子戸を開けると、入口まで石畳が続きます。
入口の暖簾をくぐると凛とした和の空気が漂う、清潔感のある店内。
ちょっと贅沢をしたい、そんな願いを叶えてくれるのは店主・又吉一友氏のおもてなし。ゆったりと幅を取ったカウンター10席の設えで、心ゆくまで寛ぐ事ができます。清楚に整えられた中庭を眺められる個室もあり、こちらは会食にもうってつけです。

季節ごと、その時々の宝物のような旬の食材を、厳しい目利きを経て仕入れる。
調理方法は奇をてらう事をしない、素材そのものの持ち味を十二分に発揮させる事を大切にします。シンプルだからこそ、誤魔化しようがなく、誠実な美味しさで堂々とゲストをお迎えする。この実直さに胃袋を鷲掴みにされてしまう事でしょう。

割烹・小料理

祇園 又吉

阪急線 河原町駅 徒歩10分

30,000円〜39,999円

3.八坂通りの数寄屋造りで紡がれる、心が満たされるおもてなし

祇園 末友(京都府/祇園四条駅)

数々の名料亭が軒を連ねる八坂通りから西に進み、建仁寺の南門を越え大和大路に突き当たる手前に「祇園 末友」はあります。玄関を入った待合の左には、畳敷きのカウンター席。奥には縁側と坪庭を愛でる事ができる、離れのような8畳の座敷も用意。
数寄屋造りの伝統家屋は、日々の喧騒を忘れさせてくれる温もりがあります。

開業に際し、店主・末友久史氏が最初に取り組んだのが、井戸掘り。地下40メートルから汲み上げる八坂の水がすべての料理の礎となっており、するすると体に溶け込んでいく実に滑らかな軟水。和食の仕立てに大変相性のよい水質である事は、疑う余地がありません。
個室であっても焼物を目の前で調理し提供するなど、最良の方法で料理をお届けする事を常に考え続ける。この姿勢が、絶え間ない予約を集め続ける、大きな一因となっているのでしょう。

日本料理

祇園 末友

京阪本線 祇園四条駅 徒歩5分

4.三代目が新たな命を吹き込む、伝統と革新の京料理

京料理 木乃婦(京都府/四条駅)

昭和10年に仕出し屋として創業した「京料理 木乃婦」。多くのゲストに長年愛されてきた名店を率いるのは、三代目の高橋拓児氏。伝統的な京料理の真髄をしっかりと学びながらも、国内外の様々な料理人と積極的に交流を深め、他ジャンルの調理法や食材を取り入れています。

不動の人気を誇るのが「フカヒレと胡麻豆腐のお鍋」。とろける白子のような舌触りの自家製胡麻豆腐と、程よい弾力のフカヒレとの食感の違いが、口の中で調和する取り合わせの妙。出汁には鶏ガラと金華ハムという中華料理のエッセンスが加わり、コクのある重厚な仕立てに。
高橋氏の探求心は止まる事を知らず、フランス料理の調理技法を取り入れる事も。
またシニアソムリエの資格を活かし、ワインと和食を合わせる構成力の高さも好評を博しています。訪れる度に新鮮な美味しさと出会える事でしょう。

京料理

京料理 木乃婦

京都市営烏丸線 四条駅 徒歩4分

20,000円〜29,999円

5.またとないひとときを味わう、侘び寂びの京料理茶懐石

下鴨茶寮(京都府/出町柳駅)

世界遺産の下鴨神社をすぐ隣に臨む「下鴨茶寮」。創業安政3年(1856年)、160年以上続く名店です。
ゲストをお出迎えするのは、おもてなしの心と、歴史を彩る見事な調度品の数々。粋を極めたお茶室を有し、手入れを続けてきた庭園からは、悠久の時の流れを感じます。春夏秋冬を通して、京都の美しい四季の移ろいを堪能しつつ、侘び寂びの京料理茶懐石を五感で味わいましょう。

お膳を美しく飾る芸術的な料理は、その土地でとれたものを、その土地に伝わる方法で調理。
所謂「土産土法」スタイルは、京野菜が世に広まる事に大きな貢献を果たしてきました。
文人要人を始めとする、多くのゲストに愛されてきた料理を伝承していくことに、時代に即した創意を加え、感動の料理を提供する。この信条こそが、多くのゲストを深く魅了しているのでしょう。

京料理

下鴨茶寮

京阪電気鉄道線 出町柳駅 5番出口より徒歩6分

20,000円〜29,999円

京都のいずれ劣らぬ懐石料理の名店をご紹介いたしました。
ディナーで行かれた事がないという方も、ランチであれば、気軽に訪れる事が出来るのではないかと思います。行きつけになるような、素敵な懐石料理店との出会いが皆様に訪れましたら幸いです。

※こちらの記事は2022年08月16日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

橋本 恭一

美味しいお酒とお料理を求め続ける 都内屈指の胃袋&肝臓フル回転系ライター。 和洋中ジャンル問わず、王道の古典料理から イノベーティブ系のお料理にどんなお酒が合うかを ひたすらに追い求めており、食前食後などのバーの 楽しみ方も皆様にお伝えしてまいります。
【MY CHOICE】
・さいきん行ったお店:ナスキロ/サエキ飯店/赤坂 らいもん/鮨 みうら
・好きなお店:レストラン キエチュード/ラ クレリエール/私厨房 勇/トラットリア ダディーニ
・自分の会食で使うなら:くろ﨑/Les Chanterelles/日本料理 晴山/の弥七
・得意ジャンル:フレンチ/イタリアン/バー
・好きな食材:サルミソース/真鱈の白子/生トリ貝

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