一休.comレストランに掲載の予約困難なレストラン 京都編

いつ連絡をしても、空席がある事がなかなかない。そんな予約困難店と呼ばれ支持を集めている名店に、機会があれば訪れてみたいですよね。
今回は一休.comレストランに加盟している予約困難な京都の人気店を6軒、ご紹介いたします。

1.国内外の食通が訪れる事を夢見る、至宝の茶懐石

未在(京都府/祇園四条駅 徒歩15分)

桜で有名な円山公園に包まれるような、日本らしい風光明媚なロケーションに「未在」はあります。八坂神社を通り抜け、暮れなずむ情景を愛でながら歩を進めるというその道程から、すでにおもてなしは始まっています。

現代的なアレンジを加えた数寄屋造りの店内。四季の折々を映しこむような調度品や生花が飾られ、今日の食事に対してどれほどの準備と心配りがあったのかを感じ、五感が研ぎ澄まされる思いに。

料理は未在流の献立として、折敷にご飯・汁物・向付から始まる茶懐石の様式での提供。
食材は厳選に厳選を重ねたもののみが、美しい器に盛り付けられます。八寸の仕立ての豪奢さには、思わず息をするのを忘れてしまいそうになる事でしょう。修業に終わりはないという意味が込められた店名どおり、弛まない向上心がゲストに喜びと感動を与えてくれる名店です。

懐石・会席料理

未在

京阪本線 祇園四条駅 徒歩15分

2.平安神宮近くの古民家で楽しむ、素材の良さを噛み締めるイタリアン

cenci(京都府/神宮丸太町駅 徒歩12分)

築100年以上の古民家を改装し、平安神宮すぐそばの閑静な立地に店を構えたイタリアンレストラン「cenci」。
店内には「ねじりまんぽ」という、ねじれるように煉瓦を重ねる明治時代の工法を用いた壁や、国内の木工家によるインテリアが配され、温もりがありつつも重厚な和の空間が広がります。

食器も上質な国産の物で揃え、食材においても京野菜をはじめとした、国産の物がふんだんに使用されています。
「レストランで働くものの重要な役割は、素材にひと手間加える事によって、その良さを最大限に引き出し、生産者の思いと一緒に食べ手に届けること」というコンセプトを掲げるオーナーシェフの坂本健氏。

料理は奇をてらう事のない至ってシンプルな仕立てで、これも素材と徹底的に向き合った末の産物。自信を持って提供する、全国各地から取り寄せた山海の幸の素晴らしさが、テーブルの上で花開きます。

イタリア料理

cenci

京阪線 神宮丸太町駅 徒歩12分

15,000円〜19,999円

3.京都のグルマン達を唸らせる、予約殺到のヌーベルシノワ

齋華(京都府/八条口よりタクシーで10分)

世俗から解き放たれたかのような、緑が生い茂る静寂の中に佇む「齋華」。8席のみのカウンター席は、目の前に真言宗の古刹・泉涌寺の、豊かな自然で満たされた美しい庭の景色を望みます。

よだれ鶏や麻婆豆腐はしっかりと辛く痺れる、王道の四川料理を思わせる仕立て。かと思えばシメの塩ラーメンには、自家製麵と上湯スープの上品で優しい味わいを提供するなど変幻自在。シェフ・齋藤博人氏の幅広い提案力が、多くのリピーターを生み出す秘訣の一つなのでしょう。

数ある人気メニューの中でも不動の人気を誇るのが「黒鮑と肝の和えそば」。濃厚なソースが麺とよく絡み合い、鮑の歯応えの良さがたまらない、スペシャリテと呼ぶにふさわしい逸品です。吹き抜けの二階には巨大なワインセラーがあり、料理に合わせて幅広い銘柄を楽しむ事が出来ます。

中華料理

齋華

JR線 京都駅 八条口よりタクシーで10分

20,000円〜29,999円

4.自由な発想が教えてくれる喜び、温故知新の割烹料理

祇園 さゝ木(京都府/祇園四条駅 徒歩10分)

東山の建仁寺近く、名店が立ち並ぶ八坂通り沿いの、約100坪ほどの一軒家が「祇園 さゝ木」。店主・佐々木浩氏が生み出す料理は、国内はもとより、海外からも多数のゲストが足を運ぶ、京料理界の重鎮の一人です。

伝統的な京料理を踏襲しつつ、既成概念にとらわれない自由な発想の数々が、訪れる度に心と胃袋を鷲掴みにします。次世代の育成にも力を入れており、多くの人気料理人を輩出。

使用される食材は選りすぐりの物のみという事は勿論ですが、その素材自体が持つ魅力を引き出すために、あらゆる手間を惜しみません。料理によって出汁の使い分けや塩の振り加減を細やかに変えるなど、深い知見に裏付けされた調理には一分の隙もありません。
お椀の滋味深さ、焼き物の火入れの妙を、大切な人と堪能するのにうってつけの名店です。

割烹・小料理

祇園 さゝ木

京阪本線 祇園四条駅 徒歩10分

5.唯一無二の摘草料理、食材と対話し食べる人のために仕事を

草喰 なかひがし(京都府/京都市営バス 銀閣寺道停留所から徒歩3分)

「草喰 なかひがし」の店主・中東久雄氏の一日は、大原の野山や畑に入る事から始まります。毎日欠かさずに通っているため、どの季節にどんな草がどこに生えるかを知り尽くすほど。天からの授かりものに出会う喜びに包まれながら、自然の気を肌で直接感じながら山菜や旬野菜を採集します。

こうして集めたご馳走達が持つ四季折々の自然の息吹を、一皿一皿に吹き込んでいきます。
供される料理に一貫しているのは、繊細でありながら、いずれも食材そのものの生命力が溢れ出るかのような、力強さを感じる事。

季節の食材を味わい尽くした後には、炭火を使っておくどさんで炊き上げたご飯を、めざしや漬物などと一緒にいただきます。普段何気なく食べるような献立に、心を打つ味わい深さがあり、感嘆せずにはいられないでしょう。

京料理

草喰 なかひがし

線 駅 京都市営バス 銀閣寺道停留所から徒歩3分

20,000円〜29,999円

6.水と出汁への拘りが彩る、染み入る美味しさの日本料理

木山(京都府/丸太町駅 5番出口より徒歩3分)

近くに上質な水脈があるという評判を聞き、店専用に井戸を掘削して開業をした「木山」。
店主・木山義朗氏の拘り、それは水だけではなく、和食の命でもある出汁に対しても突き詰めています。

ゲスト一組ずつに、それぞれ目の前で鰹節を削り出し、塩味や酸味の含有度を確かめながら、3種類の節類をブレンドし、常に味わいを安定させています。ここに顔の見える生産者から届いた、季節の確かな山海の幸を合わせるのですから、美味しくないはずがありません。

出汁と食材自体の味を最大限に生かすため、調味料は極力最小限に抑える。すると素材自体の香りもよく立ち、食べ進めていくうちに出汁にうま味が溶け出し、まろやかに味が変化していく。芳ばしさや、味わいのグラデーションの妙を、柔らかくもしっかりと楽しませてくれる、この幸福。足繁く訪れたいと思わずにはいられないでしょう。

懐石・会席料理

木山

地下鉄烏丸線 丸太町駅 5番出口より徒歩4分

30,000円〜39,999円

いかがでしたでしょうか。いずれのお店も予約困難の名店ですが、唯一無二の食事をいただく体験は、胸に刻まれるかけがえのないものになるでしょう。
心も体も喜びで満たされるような食事のひととき、皆様もぜひお過ごしください。

橋本 恭一

美味しいお酒とお料理を求め続ける 都内屈指の胃袋&肝臓フル回転系ライター。 和洋中ジャンル問わず、王道の古典料理から イノベーティブ系のお料理にどんなお酒が合うかを ひたすらに追い求めており、食前食後などのバーの 楽しみ方も皆様にお伝えしてまいります。
【MY CHOICE】
・さいきん行ったお店:ナスキロ/サエキ飯店/赤坂 らいもん/鮨 みうら
・好きなお店:レストラン キエチュード/ラ クレリエール/私厨房 勇/トラットリア ダディーニ
・自分の会食で使うなら:くろ﨑/Les Chanterelles/日本料理 晴山/の弥七
・得意ジャンル:フレンチ/イタリアン/バー
・好きな食材:サルミソース/真鱈の白子/生トリ貝

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