一流の味を堪能できる、京都にある日本料理の名店5選

世界中で高い人気を誇る日本料理。旬の素材と匠の技が織りなす繊細な一皿は、料理だけでなく、細部までこだわった空間の中で楽しみたいもの。そこで今回は、歴史と文化の街・京都から一流の味を堪能できる日本料理の名店をご紹介します。

1.茶室で味わう400年以上の歴史と季節を感じる優美な一皿

瓢亭 本店(京都府/蹴上駅)

瓢亭 本店の内観

「八坂神社」や「青蓮院門跡」など、寺社が多い東山区エリア。「瓢亭 本店」は南禅寺境内の門番所の役割も兼ねた腰掛茶屋を営んでいました。その歴史は400年以上にわたり、現在では日本美を感じる美しい空間と、懐石料理で人々から愛され続けています。

15代目となる当主・高橋義弘氏は金沢の名料亭として知られた「つる幸」で研鑽を積み、1999年に帰洛。国内外に日本の食文化を継承する活動をしつつ、現代にあったプレゼンテーションで訪れる人々を魅了する料理を作り続けています。

同店の特長はなんといっても、茶室に座って食事をする伝統にならった体験ができるところ。名物の「瓢亭玉子」をはじめ、夏は「朝がゆ」冬は「鶉がゆ」と五感で季節の変化を感じることができます。風情ある庭園を眺めながら、優美な時間を心ゆくまで味わってはいかがでしょうか。

日本料理

瓢亭 本店

京都市営地下鉄東西線 蹴上駅 徒歩7分

2.守破離で生まれた“茶懐石のスタイル”を味わう3時間の美食旅

未在(京都府/祇園四条駅)

祇園四条駅周辺は京都の文化を巡る上で欠かせないエリアの1つです。なかでも神社や庭園を有する円山公園の敷地内にある「未在」は、美食家なら一度は訪れたいお店。禅語で“未だ此処に在らず”を意味する店名然り「修行に終わりはない」と進み続ける店主・石原仁司氏の茶懐石を味わえます。

石原氏は15歳で料理の道へ進み「吉兆」の創始者である湯木貞一に師事。その後も長きにわたり「吉兆」で名店の味を作り上げてきました。こうしてみ日本料理の型と技を持って同氏が「未在」にて掲げる茶懐石は、茶事と料理屋の良い部分を併せた独自のスタイルとなっています。

200種類以上もの食材を自ら仕入れ、吟味し、その時、その瞬間の最高の料理を提供することに力を尽くした一皿は、折敷にご飯・汁物・向付をのせた形式から始まり、訪れた人を約3時間の美食旅へといざないます。

懐石・会席料理

未在

京阪本線 祇園四条駅 徒歩15分

3.日本屈指の名店で味わう料理と美空間

京都吉兆 嵐山本店(京都府/嵐山駅)

世界にその名を知られる名料亭「京都吉兆 嵐山本店」。荘厳な嵐山を借景に、美しく整えられた庭を臨む特別な空間と料理を堪能できます。季節感溢れる料理は京都だけでなく、日本各地から選りすぐりの食材を集め仕立てたもの。素材だけでなく見せ方にもこだわり、料理は創業者・湯木貞一の頃から集められた銘品とも言える器やお椀にて供されます。細部まで行き届いた華やかな演出は国内外の人々を魅了してやみません。

また、文化財的価値の高いお軸や備品など、風情ある設えはまさに日本の美。特に2023年に改修されたお座敷「待幸亭」は、有名日本画家による天井画もあり、雅やかな芸術空間に思わずため息が出るほど。

3代目総料理長・徳岡邦夫氏は先代を引継ぎ、20歳で料理の道へ。料理人としての技術を磨くだけでなく、現在では地域活性化やサステナブルな取り組みにも尽力。食のあり方を日々追求しています。

懐石・会席料理

京都吉兆 嵐山本店

京福電鉄(嵐電)線 嵐山駅 より徒歩6分

4.美味しさと美しさを追求した日本料理が琴線に触れる

菊乃井本店(京都府/祇園四条駅)

祇園四条駅から徒歩で約15分、伝統と文化が根付く東山のふところで、高台寺の緑に包まれた地に佇む「菊乃井本店」。店内に一歩足を踏み入れれば凛とした空気が流れ、四季の巡りを器や床の間、花や掛け軸で表現した設えに風雅さを感じます。

3代目主人・村田吉弘氏は、大学在学中にフランス料理を学ぶため渡仏。その後、名古屋の「料亭 か茂免」で修業を積み、現在では日本料理界を率いる中心人物の1人となっています。同氏は“きれい寂び”をテーマに、美味しさと美しさを追求。

厳選された素材を使い、匠の技によって昇華された季節の移ろいを味わう懐石コースを用意しています。例えば5月には、猪口に長芋羹、向付に新玉葱、焼物にサクラマスと、旬の素材を見目麗しい料理に昇華。京都の文化を五感で感じられるでしょう。

懐石・会席料理

菊乃井本店

京阪本線 祇園四条駅 徒歩15分

5.温故知新の日本料理を創造してゆく京都の人気店

祇園 さゝ木(京都府/祇園四条駅)

風情漂う八坂通り沿いに佇む「祇園 さゝ木」。京都で最も予約が取れない店とも言われる人気店が、2023年8月にリニューアルオープンしさらに注目を集めています。広々とした温かみある空間は一軒家ならでは。迫力ある白木のカウンター越しに店主・佐々木浩氏と若いお弟子さんが迎えてくれます。

同氏は滋賀県の料理旅館からキャリアをスタートし、36歳で独立。「祇園 さゝ木」をオープンさせました。“妥協せず良いものだけを揃える”を信条に、自ら市場や漁場に出向き仕入れた素材を使い、その旨味を最大限に引き立てた料理を作ります。

季節感だけでなく遊び心を大切にした演出の他、佐々木氏の軽快なトークもまた魅力の1つ。若いお弟子さんのアイデアも積極的に取り入れる姿勢で、温故知新の京の味を創造していきます。

京料理

祇園 さゝ木

京阪本線 祇園四条駅 徒歩10分

今回は京都にある、一流の味を堪能できる日本料理の名店を5軒紹介しました。こだわりの食材を使った季節の料理を楽しめるばかりでなく、空間やおもてなしといった細部までこだわりぬいた名店の数々。そこでの体験は必ず、素敵な思い出として心に刻まれるでしょう。

※こちらの記事は2024年10月08日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Sonoka Watage

スイーツ専門メディアから「KIWAMINO」編集部へ。美味しいだけじゃない食文化の面白さや、作り手の思いを発信していきます。
好きなワインはピノノワール。お気に入りはカウンターで食べるデセールコース。
【MY CHOICE】
好きなお店:ADI /FARO
好きなジャンル:スイーツ/イタリアン

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