美味しいレストランには、こだわりの「スペシャリテ」あり!この時期に食べられるとっておきの名物料理を、店主に教えてもらいました。今回のテーマは「秋に食べたい、とっておきの和食・割烹料理」。他ではいただけない特別な一皿を、ぜひ味わってみませんか?
1.吉星 (東京都/人形町)
「栗おこわ」「紅葉鯛のお造り」
昭和30年に創業した「吉星」は、人形町、甘酒横町から一本入った裏路地にひっそりと佇む老舗の割烹料理屋です。春には桜鯛や京筍、夏は鱧や天然鮎、秋は国産松茸や紅葉鯛、冬にはふぐや松葉蟹といった、その時期にしか味わうことのできない旬の天然素材のみを使用した、目にも美しい月替わりの献立が楽しめます。
2021年は国産松茸が豊作(9月時点)。香り高い最高級品を、炊き込みご飯や土瓶蒸しなどで堪能できます。秋ならではの食材と言えば、淡路の紅葉鯛も欠かせません。脂が乗り、旬を迎えた紅葉鯛は、美しい赤味が特徴で、上品な味わいでありながら噛むほどに旨味があふれ出すこの時期だけの味覚。食材本来の味が楽しめるお造りは、新鮮なものだけを仕入れる「吉星」だからこそ味わえる逸品です。
秋限定で登場する「栗のおこわ」も常連客の中で人気の高い一品。だるまささげを使用した自家製の赤飯に、甘く炊いた栗がたっぷり入っています。もちもちとしたお米の食感にほくほくとした栗の食感が絶妙にマッチする、この時期だけのメニューです。その他にも、旬の珍味を少しずつ彩った季節の八寸や秋野菜の炊き合わせなど、コースを通して秋を感じられることでしょう。
2.のどぐろ専門 銀座 中俣 (東京都/銀座)
「のどぐろと松茸の土鍋ご飯」
鹿児島県・指宿で100年余りの歴史を誇る「中俣酒造」が手掛ける、のどぐろ専門店「銀座 中俣」。通常は200gほどののどぐろを、同店では500gを超える大きく肉厚な「最高級のどぐろ」を使用。長崎県対馬沖で採れる「紅瞳」を含む、最高品質を余すことなく味わうことができます。
のどぐろの旬は秋から冬にかけて。そんな旬を迎えたのどぐろと、秋の味覚を合わせていただく「松茸の土鍋ご飯」は、この時期だけの限定メニューです。のどぐろの大きさと魅力を最大限に生かすため、研究を重ねたのどぐろ出汁と、のどぐろ丸々1本と松茸を入れて炊き上げます。香り高い松茸と柔らかなのどぐろとのコラボレーションを召し上がれ。
その他にも専門店ならではの、美味しさを知り尽くした多彩なメニューも魅力の一つです。なかでも「のどぐろ姿塩焼き」は、箸を入れた際のジュワっとジューシーな脂の乗りと、素材本来の旨味を味わうことのできる人気メニュー。日本初の「のどぐろのさつま揚げ」もリピーターが多い一品です。秋の味覚と合わせていただきましょう。
3.日本料理TAKEMOTO (東京都/代官山)
「鯖の棒すし」「松茸の煮凝り」
流行に敏感な人々が行き交う街・代官山にひっそりと暖簾を掲げる「日本料理TAKEMOTO」。日本料理「金田中」を経て、向島の料亭「水野」で料理長を務めた武本賢太郎氏が、“敷居が高いと思われがちな日本料理をもっと気軽に”という想いで独立したお店です。奥深い出汁、野菜の苦みや甘味を活かしたオンリーワンの味わいを存分に満喫しましょう。
「鯖すし」は店を代表する名物料理。年間を通して脂の乗った鮮度の高い上質な鯖を使用し、なかでも「秋サバ」「寒サバ」と言われる晩秋以降の鯖は絶品です。生感のあるぎりぎりのところで締め、香ばしく炒った黄金の胡麻をこだわりの酢飯に混ぜたものを、美しい青に炊き上げた白板昆布とともに巻き上げます。
秋限定の「松茸の煮凝り」も、ぜひいただきたいスペシャリテの一つ。旨味が凝縮された出汁を、旬の松茸とともににゼリー状に固めた一品です。つるんとした独特の舌触りに、繊細で風味豊かな松茸が合わさり、口に入れた瞬間に秋の訪れを感じられることでしょう。
奇をてらうことのない古典的な日本料理でありながらも、忘れえぬ味わいをぜひ体験してみませんか。
素敵なお店のスペシャリテは、ここでしか出会えない特別な食体験を堪能できる一品。気になるお店があったら、ぜひブックマークしてみてくださいね。