表参道駅にほど近い南青山の閑静な住宅街で、控えめな佇まいながら、瀟洒なエントランスが美味しい時間への期待を膨らませる「リストランテ濱崎」。
1990年代のイタリア料理ブームを牽引した名料理人・濱崎龍一氏がオーナーシェフを務める正統派リストランテであり、開業から間もなく20年が経つ現在でも、連日美食家たちが足を運ぶ“予約の取れないレストラン”として君臨するイタリア料理の名店です。
しっとりと飴色に輝く木の温もりと、上質で都会的なエレガンスに彩られた店内。
内装には定期的なメンテナンスを欠かさず、細やかな手入れが行き届いており、大人が過ごすに相応しい落ち着きを湛えた空間が広がります。
テーブルに並べられた食器やカトラリー、リネン類にも軽やかな美しさが貫かれている点は、さすが料理の美味しさだけに留まらない名店の名店たる所以。
シェフ自ら食事前のゲストへの挨拶や帰りの際の見送りに立ち会うなど、訪れたゲストへの気配りや深いおもてなしの心が伺えます。
オーナーシェフの濱崎龍一氏は鹿児島県出身。大阪の調理師学校を卒業した後、上京し四谷や渋谷のイタリアンレストランで勤務。
有名シェフの下で料理にまつわる技術はもとより、料理人人生の礎となる様々な事柄を学んだといいます。
その後イタリアへ渡り、3か月間の徹底した食べ歩きを実践。
イタリアの食文化に関する見聞をしっかりと広め、満を持してフィレンツェやマントヴァにて料理の修行を積みました。
帰国後は乃木坂の有名店「リストランテ山崎」にて13年間料理長を務め、その後独立。2001年12月に「リストランテ濱崎」をオープンし現在に至ります。
20代の頃から名を馳せ、イタリア料理ブームの中心にいた名料理人である濱崎シェフ。
現在は「イタリア料理協会」副会長も務め、その実績や知名度からレシピ本なども多く手がけています。また2013年には「薩摩大使」や「いちき串木野観光大使」、2015年には「鹿児島食の匠」に認定されるなど、故郷・鹿児島との係わりも深いことで知られています。
濱崎シェフといえば、なんといっても有名なのが『ウズラのグリル ハチミツとバルサミコ風味 ニンジンのスフレ添え』。
「リストランテ山崎」で腕を振るっていた頃から長く愛され続けているスペシャリテで、実際に食べたことがなくても、一度は耳にしたことがある方も少なくないのでは?
生産者との対話を大切にしながら、吟味した新鮮な旬の食材を仕入れることにこだわりある同店。顔の見える生産者から鮮度の良いものを仕入れたいという思いから、この有名なスペシャリテにもあえてフランス産のウズラではなく、埼玉県で生産された国産ウズラを使用しています。
ハチミツやバルサミコ、ハーブと共にじっくり漬け込んだウズラ肉の重厚な風味と、軽やかなニンジンのスフレとのバランスの良さが見事な、スペシャリテと呼ぶに相応しい一皿。
常連客の多くのリクエストから自然とスペシャリテになったという経緯も納得の完成度の高さが楽しめます。
長く愛される店にはそれだけの理由がある、と訪れる誰もが実感できる「リストランテ濱崎」。
料理の素晴らしさは言わずもがな、目や耳、五感全てでゲストが居心地の良さを感じる空間こそは、一朝一夕では成し難く、日々積み重ねてきたきめ細かな心配りの賜物ではないでしょうか。
若い頃から一線で活躍し続けるシェフの高い意識が行き届いた至高のリストランテで、洗練された口福と寛ぎのひとときを過ごしてみてはいかがですか?
※こちらの記事は2023年04月17日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。