ただ一軒の名店でじっくりと、一心に勤め上げ、受け継いだ理念を胸に飽くなき探求を続ける料理人がいます。自身が築いた店は、数多の飲食店が軒を連ねる大阪ミナミにおいて3つ星の栄誉に輝き続け、さらなる名店に成長。そんな正真正銘の名料理人の味に出会える日本料理店「太庵」をご紹介します。
大阪・ミナミの喧騒を逃れた一角に佇む大人の隠れ家
地下鉄堺筋線、長堀鶴見緑地線の長堀橋駅より徒歩5分ほどの地。店主の地元でもある島之内は、大阪ミナミの繁華街にほど近いながらも喧騒を逃れた界隈。
ビルの1階に突如現れる和の店構えに目を奪われ、シックな外壁や暖簾に誘なわれるままに歩を進めれば、品良く設えられた和の空間に迎えられます。
店内にはカウンター席とテーブル1卓が。店主の丁寧な調理を眼前にしながら極上の旬に酔いしれたくなる、エクスクルーシブな全16席が並びます。
三つ星に相応しいこだわりの味わいを堪能
地元大阪市出身の店主、高畑均氏はこの「太庵」を2000年にオープンし、2010年には2つ星を獲得。さらに翌年2011年からは3つ星を獲得し続けています。
そんな押しも押されもせぬ腕利き料理人である高畑氏は、高校卒業後、大阪の日本料理の名店「味吉兆」に入店し料理人修行を開始しました。以来15年に渡って「味吉兆」一筋に勤め上げた後に晴れて独立。「味吉兆」はもともと関西を代表する高級料亭「吉兆」から暖簾を分けられた店であり、その先代店主に師事した高畑氏もまた、「吉兆」の創業者湯木貞一氏から綿々と続く日本料理の理念を継承しています。
「吉兆」の確立された料理を基本、そして理想のスタイルとしながら、三つ星を獲得するまでになった現在も自身の料理を模索し、挑戦を続ける姿勢は変わっていません。
「太庵」では旬の上質な食材を使用した、店主のおまかせコースを月替わりの内容で提供。訪れるたびに新たな味との出会いが期待できそうですね。
そんな「太庵」の味は、上質なことで知られる函館産真昆布と、鹿児島県枕崎産の鰹節で引く出汁が支えています。また日本料理の伝統を真摯に踏襲する一方で挑戦する姿勢も常に持ち続け、時にイベリコ豚など西洋の食材も積極的に使用。スペシャリテとして人気の高い炭火の焼き物はコース中にも登場し、常に数品のラインアップの中からゲストが好みのものを選ぶシステム。
旬の魚や前述のイベリコ豚など、一つに決めるのが難しいほどの魅力ある食材が並びます。中でもとりわけ人気の高いスペアリブは、蜂蜜や赤ワイン、醤油に漬け込み、他の食材同様、厨房に設けられた専用の焼き場で炭火焼にして供されます。
こちらでは料理に合う飲み物も豊富。日本酒や焼酎はもちろん、フランス産を中心に常時約200種類のワインを揃えており、料理との至福のマリアージュを叶えるペアリングを提案してもらえます。
料理やお酒により魅力的な味わいをもたらす器にも、相応のこだわりを持つ同店。特にお猪口は備前焼や信楽焼、切子など、店主が全国から集めたお気に入りが100種類以上も用意されているとか。これは器やお酒が好きなゲストにとって、たまらなく興味をそそられる点ではないでしょうか。
長年受け継がれてきた日本料理の伝統と、独自のチャレンジングな食材使いが鮮やかな魅力あふれる一軒、「太庵」に足を運んでみませんか?
※こちらの記事は2024年08月06日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。