数々の名店がひしめく大人の街、西麻布に看板のない“隠れ家”のようなお鮨屋さんがあるのをご存じですか?知る人ぞ知る名店「鮨 きのした」では、まさに非日常の美食体験が叶います。
お忍び気分で訪れたい、西麻布の大人な隠れ家空間
西麻布一丁目の路地にあるマンションの2階にひっそりと佇む「鮨 きのした」。入口には看板も無く、個人宅を訪れるような気分でエレベーターを降りると、マンション内とは思えないような木格子の戸が現れ、まるで異空間に来たような気持ちになることでしょう。
店内へ入ると白木のカウンター越しに大将の中村慎亨氏が客人を出迎えます。中村氏は、名店「嵐山吉兆」や鉄人として名高い道場六三郎氏の下で研鑽を積み、「吉祥 銀座本店」で総料理長を任された経歴の持ち主。
料理人を目指す当初から、いつかお鮨を握りたいという夢があり、銀座で有数の鮨名店にて江戸前仕事を学んだそうです。朗らかで柔和な表情に、高級店ながら肩ひじ張らずにお鮨をいただけます。
日本料理の経験が培う、創意あふれるつまみの逸品
おまかせコースでは、旬魚を用いた料理が10~12品、握りも10~12貫程と、「料理半分」「握り半分」の構成。名物は「鮑 肝ソース和え」で、お酒が進むと評判の高い逸品です。和の基本に忠実でありながら、面白くてワクワクするような料理は、確かな技術があってこそ。
お料理に合わせるお酒は、日本酒・ワイン・シャンパンなどを厳選。辛口のものを中心にそろえた日本酒は、好みの切子グラスでいただけます。ワインも、和食やお鮨と合わせた時にバランスが取れているものを置いているとのこと。どんなお酒を飲んでも大丈夫なようにセレクトしているので、気兼ねなくオーダーしてみては。
一貫一貫、心のこもった至高の握り
握りは、季節で一番良い産地のものを取り寄せ、四季折々厳選した魚介を使用。ネタとシャリが合わさるバランスを重視し、江戸前ならではの赤酢にこだわります。
「シャリはマグロの濃い味に一番合うとされるので、それに負けない味に仕立てるためにも、塩をしっかりあててネタ自体の味を引き出す」と語る中村氏。それまでのつまみの仕込みと異なる、江戸前の仕事が光る一貫。口に運べば誰もが頷く、至高の握りと言えるでしょう。
お鮨屋さんのマナーとしてよく言われる“3秒ルール”。お鮨は置いた途端に空気が抜け、沈んでへたってしまうことから、握りたてを食べていただきたいという鮨職人の想いによるものです。ただ「鮨 きのした」では、せかしていると思われないよう、ゲストの進み具合を見計らい、タイミングを調整して握るそう。
気楽に食べておいしいね、と和んでもらえるようなやり取りをカウンターの中から見ることに、やりがいを感じると語る中村氏。鮨上級者はもちろん、カウンターデビューをしたい女性にもおすすめな、朗らかで居心地の良いお店です。西麻布で非日常の鮨体験を、ぜひ堪能してみては。
「鮨 きのした」のインタビューはこちら!
※こちらの記事は2023年04月28日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。