贅沢な食材をふんだんに取り入れた“記憶に残る料理”で、食通たちを虜にしている麻布十番の日本料理店「麻布 かどわき」。賑わう麻布十番商店街から一本入った落ち着いた通りに構え、夜な夜なめくるめく美食の世界が繰り広げられている2つ星の名店をご紹介します。
麻布十番駅から徒歩5分ほど。モダンな建物の1階にあり、静謐な黒塀の佇まいが印象的な店構え。
住居専門のデザイナーが設計したという店内は、白木のカウンターと茶室を思わせる個室が用意されており、やわらかな灯りが照らす温もりある空間に設えられています。いずれも上質な寛ぎ感が心地よく、会食や接待に、また大切な人と気の置けないひとときを過ごすのにも打って付け。細部までこだわり抜いた空間でいただく逸品料理の数々は、格別の味わいです。
店主の門脇俊哉氏は、北海道の出身。実家は寿司店を営んでおり、食に縁の深い環境で育ちました。料理人のキャリアをスタートさせた六本木の割烹で2年ほどの修業を経て、老舗日本料理店「つきじ植むら」に入店。本店の料理長であった茂木福一郎氏の下で修業を積み、27歳の若さで支店の料理長に就任するなど、目覚ましく活躍。しかしながらさらなる高みを見据えて、異なるスタイルの店での経験も求め、会員制の名門紳士クラブとして知られる「エスカイヤクラブ」に入社し、さらに研鑽を重ねました。
その後は六本木の割烹「梅美津」と、「東天紅」系列の日本料理店「海燕亭」にて共に料理長として勤務し、自身が40歳となった2000年に満を持して「麻布 かどわき」を開店。2006年に現在の地に移転し、これまで連続して2つ星を獲得しています。
「料理は食べてしまうとなくなってしまうもの。せっかく店まで足を運んでもらうのだから、印象に残る料理でゲストを愉しませたい」との思いから、高級な食材や旬の上質な食材を贅沢に使用し、確かな腕前で逸品に仕立てる門脇氏。季節に合わせた料理の数々を、おまかせのコースで提供しています。また料理だけに注力することなく、カウンター越しの会話も大切にする姿からは、ゲストが過ごすひとときを思い出深いものに演出しようという真摯な姿勢が伺えます。
そんな門脇氏がこだわり続ける、ゲストの記憶に残る料理。その最たるものと言えるのが『トリュフの炊き込みご飯』ではないでしょうか。高級食材であるトリュフを文字通り惜しみなく使用した贅沢極まる一品は、トリュフの芳醇な香りと釜炊きご飯のハーモニーが抜群。一度味わえば記憶にしっかりと刻まれ、「麻布 かどわき」と言えば真っ先にその名が上がるスペシャリテです。他にも松茸やカニ、鱧にすっぽん、フカヒレといった、季節ごとの極上の味覚がはっとするような一品となって振る舞われ、この上ない口福のひとときを演出してくれます。
既成の概念にとらわれない豊かな発想力をもって、訪れるゲストに思い出深い時間をもたらしている「麻布 かどわき」。料理や接客に留まらず、空間そのものに息づいているかのようなゲストへの深いおもてなしの心は、店主である門脇氏が経てきた様々な経験から紡ぎ出るものではないでしょうか。品良く、さりげない上質さが光る空間で、心尽くしの美味に出会う。そんな忘れがたいひとときを味わいに、大切な人を誘って出掛けてみませんか?
※こちらの記事は2023年04月17日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。