港区・乃木坂の住宅街。ビルの地下にひっそりとお店を構える「フランス料理 タンモア」は緻密に計算された料理と、何度も利用したくなるような温かなおもてなしが魅力のレストランです。
柔らかな時間が流れる、こぢんまりとした店内
オーナーシェフを務める田中いずみ氏は、料理業界では珍しい女性シェフ。農業高等学校を卒業し調理師免許を取得した後、横浜や鎌倉などのレストランで研鑽を積みました。
その後「本場の味を知るべき」と渡仏、3年半の修業を経て帰国後は34歳で「フランス料理 タンモア」を開業します。
店名にもなっている“タンモア”とは「柔らかな時間」という意味。趣あるビルの地下一階に潜むお店は、足を一歩踏み入れるとまるで別世界。白で統一された店内が、優しく温かな雰囲気で出迎えてくれます。
フレンチをベースにした遊び心溢れる月替わりのメニュー
いただけるのは、月ごとにテーマが替わる料理の数々。遊び心溢れる内容に、何度も訪れる方も多いそう。
例えば旅行好きのオーナーならではのテーマ「世界旅行」では、世界各国の定番料理をフレンチで再構築して提案。アミューズにイギリスの“イングリッシュブレックファスト”、前菜に中国の“北京ダック”など、メニューを見ているだけでもどんな一品が提供されるのか、ワクワクさせられます。
さらにシェフが得意とするジビエ料理も、人気メニューの一つ。食材を余すことなく丸ごと使用し、肉はもちろん、内臓や骨、血にいたるまで無駄にすることなく調理する一皿は、冬季限定のご馳走です。
料理をいただく前、テーブルにセットされているショープレートもぜひチェックしてみて。
一つ一つデザインが違うこのお皿、実は美術の教師でもある田中氏のお母様が作成したものだそう。そんなアットホームな雰囲気もこのお店の魅力です。
センス溢れるペアリングのラインナップに想像力を掻き立てられる
月ごとに替わるメニューに合わせたワインのペアリングも「タンモア」ならではの面白いラインナップ。
田中氏と二人三脚でお店を切り盛りするソムリエがセレクトしたワインはもちろん、田中氏自らが考案するノンアルコールのペアリングメニューも人気です。
お酒が飲めない方はもちろん、お酒好きの方もぜひ味わってみてはいかがでしょうか?
そんなペアリングのラインナップで目を引くのが、独創的なネーミング。
時に楽器に例えたり、アパレルブランドに例えたりなど、面白い文言は、ワインライター葉山考太郎先生が味をイメージして付けているそう。
「タンモア」ならではのワインの紹介に、どんなマリアージュが生み出されるのか期待が膨らみます。
ここならではのオリジナルな料理と、ワインとのマリア―ジュを楽しめる「タンモア」。
女性シェフが織りなす繊細でかつセンス溢れるひとときを味わいに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。