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岐阜「焼鳥みずき」水木淳二氏に聞く、真摯に焼き上げる焼鳥への情熱

名鉄岐阜駅より北へ徒歩約10分、岐阜・柳ヶ瀬エリアに佇む焼鳥の名店「焼鳥みずき」。店主の水木淳二氏に、滋賀の淡海地鶏を紀州備長炭で焼き上げる焼鳥と、ご自身のお店作りに対する思いについてお伺いしました。

地元のみならず、全国から食通が訪れる焼鳥の名店「焼鳥みずき」

店主の水木淳二氏は、愛知県出身。岐阜の名料亭で10年、和の料理人として経験を積んだ後、名古屋の焼鳥の名店「千亀」を経て2012年に「焼鳥みずき」を開業しました。全国的に有名な生産者、滋賀・大津「かしわの川中」から朝引きの淡海地鶏を仕入れ、毎日自ら串打ちをされています。紀州備長炭で丁寧に焼き上げる焼鳥は、身の弾力とジューシーな旨みが口いっぱいに広がり、専門店ならではの希少部位も楽しめると評判。
一品料理のレベルも高く、リピーターが後を絶ちません。

鶏の旨さに感銘し、焼鳥職人の道へ

―水木さんはもともと日本料理のご出身ということですね。

高校時代から飲食店でアルバイトをしていまして、そのまま飲食の道に進もうと思いました。最初は地元の愛知県で7年ほど働いていて、先輩の紹介で岐阜の「日本料理 たか田八祥」に入りました。そこでは10年ほど働き、最後は店長までやらせていただいていました。

―名店で料理人として実績を積まれていましたが、和食ではなく焼鳥で独立することになったきっかけは?

焼鳥をやろうと思ったのは、美味しい鶏に出会ったのがきっかけです。ある焼鳥屋で宮崎地鶏を食べ、感動するくらい美味しいと思いました。その後、東京・目黒の「鳥しき」に行って炭火で焼いた鶏肉を口にした時「こういう焼鳥もあるんだ」と思った。串の打ち方、焼き方、火入れが素晴らしいと感じました。それから名古屋にある焼鳥の「千亀」で「無給で良いんで働かせてください」と言って、火入れの仕方などを教えていただき、独立しました。
独立自体はずいぶん前から考えていたんですが、いざ独立するとなった時「日本料理より焼鳥の方が僕には美味しいな」と感じたんですよね。創作料理で奇をてらうというよりは“シンプルイズベスト”で、素材の味をダイレクトに活かした感じが好きなんです。
その頃すでに家族がいたので、長く過ごした岐阜で焼鳥店を開業することにしました。

素材の良さを追求し、丸鶏を毎日大量に仕込む

―「焼鳥みずき」では、滋賀・大津の「淡海地鶏」を使っているそうですが、味の特徴を教えてください。

「淡海地鶏」は固すぎず柔らかすぎず、ほどよい歯ごたえがあり、脂が美味しく、鶏特有の臭さが無いことが特徴です。お店を始めるにあたって色々取り寄せて試してみましたが、「淡海地鶏」の味が良かったですね。
また、値段とのバランスも考慮しました。やっぱりどこの鶏もフレッシュで分けてくれるところが少なくて、真空パックされた状態で届くんです。内臓などのパーツを分けてもらえないので、まるまる買えるところが良かったというのもありますね。

―丸鶏で仕入れているんですね!その分仕込みも時間がかかるかと思いますが……。どれくらい仕込みに時間をかけられているんですか?

オープン当初は朝7時から15時頃までずっと仕込みをして串打ちをしていました。今は、仕込み始めるのは9時くらいからですね。毎朝9時から、日によりますが、10羽程度を仕込んでいます。
かれこれ12年ほど串打ちをしていますが、完ぺきな答えはないなと日々感じます。串打ちは決まりが無いので、自分でベストなものを作るために、カットの大きさも色々試していて、最初は割と小さかったですね。今はジューシー感をより味わってもらうために、大きめにしています。

また、焼き加減でも全然味が違ってくるんですけど、炭の大きさが営業中に減っていくので焼き方も変えます。そういう意味で、炭で焼くのは答えが無いです。焼き方はこだわりがあるんですが、口で説明するのはちょっと難しいですね。煙を前から吸うダクトと、煙を上から吸い込むダクトの機械を使っていて、焼き方によって使い分けています。煙を上にあげると火力も強くなるし、薫香の香ばしさが楽しめる。くどくならない程度に、炭の香りのつけ方を調整しています。

焼鳥で、今の季節を感じられるようなメニューを

―仕込みも焼き方も工夫をされていらっしゃいますが、ぜひ味わってほしいスペシャリテを教えてください。

串で言ったら肝とソリレスは、満足度が高いと好評です。ソリレスという部位は腿の付け根(お尻)の辺りにある肉で、プリッとしていて旨みがあります。焼く時に皮も付けて焼くので、ジューシー感がプラスされ、バランスが良いですね。実は1羽で1本しか取れない希少部位なので、機会があればぜひ味わってほしいです。

野菜の串や一品料理のメニューは、その日の気分で変えていますね。市場に行って野菜を見た時、この食材が出回り始めたので「こういう食べ方で出せないかな」と考えて。焼鳥とはいえ、肉ばかり食べても飽きてくると思うので、合間に野菜を入れたり、口直し的なものを一品料理に入れたりしています。

―一品料理のバリエーションが多いのは、これまでのご経歴があってこそですね。

美味しい料理を作るために、肉以外の素材にもこだわっています。岐阜の農園「しいたけブラザーズ」の原木しいたけを始め、良いものがあれば地元産以外でも食材を仕入れています。ご常連の方も多いので、お客様に飽きさせないように、色々変化をつけています。締めのお料理もちょこちょこ変えています。秋の季節には、トリュフを使った卵かけごはんが人気ですね。

―岐阜でも名店と名高い「焼鳥みずき」ですが、将来的には東京へ進出を考えられているということで、これから挑戦されてみたいことについてお聞かせください。

2024年の目標としては、ちょっと東京に行こうと思っています。焼鳥を日々焼いている中で、徐々に「僕1人でやりたい」っていう気持ちが強くなってきたんですね。
現状の店舗はキャパが広く、自分の気持ちや表現したいことをお客様に直接伝えづらいため、カウンター10席程度の広さの店を作りたいと。お店をやるからには勝負というか、自分でこだわりたいというのが理由なんですけど、でも今の単価のままでは東京では 商売として成り立たない。美味しいものを求めて人が集まる東京で、商売として成立させてみたいなと。
これまで日本料理の仕事で培ってきたものを活かしながら、焼鳥にとどまらず新しい食材にも挑戦してみたいです。例えば、冬はマガモなど季節の食材を使った料理を出したいと思っています。また、今もすっぽんを使用するコースをやっているので、すっぽんなどもいいかもしれません。 自分が美味しいと思う食材の旨みを、最大限に活かした料理を出したいですね。

―繁盛しているお店から飛び出て、新たな挑戦をする理由がまさに「焼鳥への向き合い方」で、とても情熱を感じます。

「本当に美味しいものをお客様に食べてもらいたい」っていうだけなんですが、その思いのために、ずっと追求していかなきゃいけないんだろうな、と思います。串打ちも、心を込めて串打ちしてやらないと、お客様には伝わらない。だから日々の仕込みには、丁寧に打ち込んで、その日のベストな焼き方で提供したいです。自己評価で言うと、焼き方の完成度はまだ70%くらいだと思っていて、100%には届かない。もっとこうしたほうがいいんじゃないかとか、常に考えながら焼いているので、やはり美味しい焼鳥を出すためには心を込めること、それに尽きると思います。

焼鳥、鳥料理、郷土料理

焼鳥 みずき

名鉄線 名鉄岐阜駅 徒歩13分

5,000円〜5,999円

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水木淳二氏 プロフィール

1974年秋田県生まれ。岐阜の「たか田八祥」にて10年、にて研鑽を積んだのち、名古屋の焼鳥の名店「千亀」で焼鳥のイロハを学び、2012年に「焼鳥みずき」を開業し今に至る。2024年中に東京への出店を計画。

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【編集後記】

鶏の旨みをダイレクトに味わえる焼鳥に魅せられて、この道に進まれた水木氏。「美味しい焼鳥を食べてもらいたい」という強い思いが、名店ならではの味を支えているのだろうと感じました。ますます進化を続ける「焼鳥みずき」の挑戦に、これからも目が離せません。

※こちらの記事は2024年02月11日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Airi Ishikawa

一休のメディア事業部長。日本全国を旅しながら、その道のプロにインタビューや取材をしています。休みには足をのばして国内ワイナリーを巡るのが好き。地産地消や、生産者に近い距離で食材や料理に向き合う「極みのシェフ」がいる店をご紹介します。
【MY CHOICE】
・最近行ったお店:銀座 しのはら / 南青山 まさみつ / サエキ飯店 / コートドール
・好きなお店:鮨 梢 / フランス料理 エステール / コンチェルト / エンボカ 京都
・注目しているお店:SeRieUX / プルサーレ / bistronomie Avin
・得意ジャンル:フレンチ / バー
・好きな食材:山菜 / 鴨

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