名店紹介「ル・マンジュ・トゥー」。美食家が集う神楽坂のフランス料理

風情ある路地裏散策が楽しい神楽坂は、魅力的な飲食店の多い都内有数のグルメなエリア。そんな神楽坂の賑わう表通りを抜け、閑静な住宅街の一角に建つフレンチレストラン「Le Mange-Tout」をご紹介します。周囲に溶け込む控えめな佇まいとは裏腹に、シェフの独自の味を求めて、全国から美食家たちがこぞって訪れる2つ星の名店です。

温かく迎えられる非日常の空間

牛込神楽坂駅から徒歩6分ほど。モダンで、さり気ない佇まいの一軒家レストラン「Le Mange-Tout」。躍動感溢れる1階の厨房に迎えられながら、都会的で洗練された2階のダイニングスペースへと向かいます。非日常感に期待が高まる、全14席の限られた空間。

少ない席数ゆえに予約困難なことでも知られる同店ですが、ひとたびお店を訪れれば、店主やマダムを始め、スタッフ一同が醸し出す温かなホスピタリティをひしひしと感じられるに違いありません。

フランス料理界をリードするシェフ

45年の料理人キャリアを誇るオーナーシェフの谷昇氏は、調理師学校在学中から六本木の「イル・ド・フランス」(現在は閉店)に勤務し、フランス料理の世界へ。二度に渡るフランス滞在において、アルザスの3つ星レストラン「クロコディル」や2つ星の「シリンガー」といった有名店での修業を経験。帰国後は六本木の「オー・シザーブル」や青山の「サバス」(現在は閉店)で、シェフとして活躍しました。

そんな中「Le Mange-Tout」を1994年に譲り受ける形でスタートし、1996年からは自身がシェフとして調理と経営の両方に携わることに。2006年の店舗改装を経て現在に至り、これまで長年に渡って2つ星を獲得し続けています。レシピ本などの著書も多く、今や日本のフランス料理界を牽引する存在として広く知られています。

科学者の視点で作り上げるフレンチ

「Le Mange-Tout」のメニューは、旬の厳選食材を用いた『その日のおまかせコース』一本のみ。一見すると飾り気がなくシンプルな一皿に見えて、一度いただけば複雑で奥深い味わいに出くわします。調理にあたって谷シェフが考慮するのは、食材や調味料の特性はもちろん、時には蛋白質の凝固温度や、油脂や酸の反応などといったことにも注力しつつ、さながら科学者のような視点でアプローチ。

そんな独自の料理理論を実現できるのは、まさに磨き上げた熟練の技があるからこそ。枠にとらわれない柔軟さが魅力的な美味しさを形成する一方で、伝統的なフレンチの一皿にもしっかりと谷シェフの味として表現された、完成度の高いコース内容が評判です。食べ応えも満足感も申し分のない、至高と評されるフレンチに出会えることでしょう。

フランス料理が連綿と紡いできた歴史の重みと新たなる可能性、その双方を味わうことが叶う、まさに至高の呼び声高い一軒。その上で料理の完成度の高さもさることながら、ゲストが軽妙な会話と共に食事の時間そのものを楽しむことができる、温かいホスピタリティに溢れたレストランでもあります。複雑で奥深い、思わず唸るほどの魅力溢れる料理をお供に、味わい深い時間を過ごしに出掛けてみませんか?

フランス料理

Le Mange-Tout

都営地下鉄大江戸線 牛込神楽坂駅 徒歩6分

アクセス
住所 東京都新宿区納戸町22

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※こちらの記事は2023年04月20日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Mika Muroi

旅と食べ歩きと文章を書くことが好きで、プレミアム・グルメメディア「KIWAMINO」のライターに。フレグランスラボでの勤務経験から、香りやフレーバーにこだわりが。選りすぐりのレストランを、スマートな日本語に乗せてお届けします。
【MY CHOICE】
・さいきん行ったお店:DAZZLE
・好きなお店:嘉禅
・自分の会食で使うなら:麻布淺井
・得意ジャンル:イタリアン、ビストロ
・好きな食材:野菜全般、鴨、チーズ

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