一度は訪れたい、和食の名店 名古屋編

愛知県最大の都市、名古屋。経済や文化の要所であるこの大都市では、独自の食文化が発展してきました。すぐに思いつくのは、味噌カツや味噌煮込みうどん、天むす、ひつまぶしなどがありますが、和食の人気店が軒を連ねているという事でも、多くのゲストから好評を博しています。今回は名古屋市内にある、おすすめの和食の名店を4軒、ご紹介いたします。

1.昨日にはなかった新発想が生む、心に花を咲かせる肉料理

肉屋 雪月花 NAGOYA(愛知県/名古屋駅)

名古屋駅から至近にあるオフィスビルの地下1階という、好アクセスのロケーションにお店を構える「肉屋 雪月花 NAGOYA」。オーナーシェフである田中覚氏は、「肉師」という異名を持つ奇才。精肉店の家に生まれ、幼い頃から包丁で肉を切っていたという、筋金入りの肉のプロフェッショナルです。

独自の世界観で開発されるメニューや、店舗デザインが話題になり、名古屋のみならず、岐阜や滋賀、東京にも肉をメインとした飲食店舗を多数運営。その評判は国内外を問わず、広く知れ渡っており、連日多くの肉好きから予約が集まっています。牛肉の仕入れにあたっては一切の妥協がなく、松坂牛や神戸牛、近江牛をはじめ、希少性の高い最高峰の和牛を一頭買い。生産者や飼育月齢などを考慮し、確かな目利きで入荷しており、田中氏の強いこだわりと自信が伝わってきます。

料理はおまかせのコースで提供され、前菜からメインディッシュのステーキまで、工夫を凝らした肉料理が次から次へとお出迎え。ステーキはフィレ、サーロイン、シャトーブリアンなど、好みの部位を指定して焼き上げてもらえます。ソムリエが提案してくれるワインや日本酒も、ゲストの好みに合わせて、食事によく合う銘柄を選んでもらえると好評です。

肉割烹/和牛料理

肉屋 雪月花 NAGOYA

地下鉄各線 名古屋駅 徒歩すぐ

40,000円〜49,999円

2.中京圏の豊かな食材が織りなす、独創的な日本料理

蓬左茶寮(愛知県/池下駅)

豊かな自然に囲まれた、中京圏の食材を使った独創的な日本料理が人気の「蓬左茶寮」。元々池下駅から徒歩圏内のエリアにお店を構えていましたが、2022年8月に駅から徒歩約1分という、さらにアクセスが良好な立地に移転をしました。15名までのカウンター席はオープンキッチンになっており、どの席からも調理の様子がよく見え、五感を刺激する臨場感にあふれています。

オーナーの松本善隆氏が供するのは、吟味した季節の地元素材と、その日の逸品食材とで紡ぐ、山海の幸が咲き乱れるような、華やかで滋味深い日本料理。三河湾や伊勢湾、濃尾平野、奥三河の山間など、宝物のような旬の恵みを手に入れられる場所が、中京圏にはひしめいています。松本氏は生産者のもとに足を運び、長年に渡って信頼関係を築き上げ、ゲストの心に響く素晴らしい素材の仕入れを可能にしています。

四季の移り変わりに合わせて魅力的に変化していく料理をさらに楽しませてくれるのが、全国各地から選りすぐった日本酒。人気の銘柄はもちろん、季節限定品や希少な銘柄まで豊富に揃っています。ワインの品揃えも充実。ペアリングも楽しめ、お酒好きにはたまりません。

割烹・小料理

蓬左茶寮

名古屋市営地下鉄東山線 池下駅 徒歩1分

20,000円〜29,999円

3.1日3組の完全予約制、大切な人と過ごす春夏秋冬の特別なひととき

尾頭橋すみや(愛知県/金山駅)

金山駅の南口から徒歩約10分、堀川を渡り切って先へ進むとまもなく見えてくる「尾頭橋すみや」。お店を構えるアパートメントの階段を2階まで上がれば、暖簾がたなびく別世界が。店内に入ると、静謐な和の空間が広がり、木の温もり豊かな割烹料理店が、そこに佇んでいます。

“心からのおもてなし”を大切にしているため、1日3組までの完全予約制。ゆったりとした席間で調理風景を楽しめるカウンター席のほか、テーブル席の個室もあり、接待や慶事などプライベートスペースの確保が重要となるシーンにもぴったりです。料理は季節に合わせた旬の素材や、地元愛知の新鮮な野菜などを中心とした、四季折々の味を堪能できるコース仕立て。こだわりの天然魚介類を使ったメニューは評判で、季節によって鱧や鮎、河豚や松葉蟹にすっぽんと、春夏秋冬、間断なく充実した逸品が供されます。

根強い人気なのが、締めの「炊込み御飯」。土鍋で旬の食材と一緒にゆっくりと仕上げ、炊きたてと蒸らした後で、2つの味わいを食べ比べ。交互に食べ進める事によって、お米や具材自体の美味しさ、料理としての高い完成度に得心し、お代わりが止まらなくなってしまう事でしょう。

割烹・小料理

尾頭橋すみや

JR線 金山駅 北西へ徒歩10分

4.気取りのない純和風空間で楽しむ、日常に寄り添う割烹料理

花いち(愛知県/浄心駅)

浄心駅から押切公園方面に向かった、閑静な住宅街の一画にお店を構える「花いち」。古民家を改装した外観からは、小さな宿に泊まりに来たかのような温かみが漂います。暖簾や看板がなく「不触不味」と墨跡鮮やかに記された木版のみがひっそりと掲げられ、その意味は“触らずに素材の旨味を最大限に引き出し、できる限りの地産地消を”との事。

内装は大正ロマンあふれる純和風の設えで、畳や襖、障子など、そのすべてに風情があり、心地良い懐かしさに寛ぎを覚えます。店内に飾られた薬箱やちゃぶ台など、時を重ねて愛おしい気持ちになるような調度品の数々は、見ていて飽きる事がありません。現在では全国に知られる名店ですが、しばらくの間は近隣在住のゲストが中心の隠れ家的存在で、あまり他言せずにこっそりと通い詰めたいと思う気持ちになるのも、納得です。

店主・花市銀蔵氏が供するのは、地物の海産物や野菜を使用した、シンプルながら奥深い味わいの割烹料理。“人間は、住んでいるところから七里の範囲で収穫できる物を食べるべき”という信念をもとに、食材の持ち味を見極め、奇を衒わない工夫が散りばめられた料理は、どれも絶品です。

割烹料理

花いち

名古屋市営地下鉄鶴舞線 浄心駅 6出口700m(徒歩9分)

いかがでしたでしょうか。改めて考えると、名古屋は飲食店にとって大変恵まれた立地であり、そこに数多くの名店が建ち並ぶのは、必然の事だと感じました。この素晴らしい環境の中で生まれてきた「名古屋料理」とも言える逸品が、多くのゲストを惹きつけて止まないのでしょう。皆様も名古屋にお立ち寄りの際には、ぜひ和食の名店に足を運んでいただけましたら幸いです。

※こちらの記事は2023年04月12日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

橋本 恭一

美味しいお酒とお料理を求め続ける 都内屈指の胃袋&肝臓フル回転系ライター。 和洋中ジャンル問わず、王道の古典料理から イノベーティブ系のお料理にどんなお酒が合うかを ひたすらに追い求めており、食前食後などのバーの 楽しみ方も皆様にお伝えしてまいります。
【MY CHOICE】
・さいきん行ったお店:ナスキロ/サエキ飯店/赤坂 らいもん/鮨 みうら
・好きなお店:レストラン キエチュード/ラ クレリエール/私厨房 勇/トラットリア ダディーニ
・自分の会食で使うなら:くろ﨑/Les Chanterelles/日本料理 晴山/の弥七
・得意ジャンル:フレンチ/イタリアン/バー
・好きな食材:サルミソース/真鱈の白子/生トリ貝

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