日々様々なレストランを巡る食通が本当に好きなお店とは?今回お話を伺ったのは、株式会社サマリーの創業者で現在は顧問を務め、食通として知られる山本憲資氏。そんな山本氏がおすすめする、旅してでも訪れたい長野の名店を伺いました。どのお店も、常連になりたい素敵なお店ばかり。早速チェックしていきましょう。
ご紹介してくれるのは……

山本憲資氏
広告代理店、雑誌編集者を経てSumallyを起業。スマホ収納サービス『サマリーポケット』を展開。先日代表を退き、顧問に就任したばかり。食や音楽、現代アートなどへの造詣も深く、様々な媒体で時折記事の執筆も手掛けている。2020年夏より軽井沢に拠点を移し、森の中でスマートリモートライフを満喫中。
目 次
1.派手さのない手のかかった茶懐石を嗜みながら、京都を感じられる名店
瓢亭 本店(京都府/蹴上駅)
南禅寺のそばにある、400年以上の歴史をもつ老舗中の老舗。朝粥がよく知られていますが、茶懐石をベースにした夜の食事も大変に趣があります。一子相伝で伝えられ続けている「瓢亭玉子」と言われる半熟卵もシグニチャーのひとつで、本店の畳のお部屋で正座しながら食べると、不思議なことに特別なものを食べている気分になるというか、これは実際に特別な半熟玉子なんだなぁとしみじみ。「東京日比谷ミッドタウン」にも支店がありますが、京都の本店の趣はなにものにも代えがたく、一度はぜひ。朝方に南禅寺を散歩してから、こちらのお粥をいただくというコースも乙です。
2.アラカルトで愉しむ割烹といえば!実に京都らしさを味わえる一軒
ぎおん 阪川(京都府/祇園四条駅)
割烹クオリティの料理がアラカルトでも愉しめる京都を代表する名店。派手な設えではないものの、むしろ京都ではこういうお店でしっぽりやりたいところです。カウンターでお好みのメニューを注文し、選びぬかれた素材が目の前で炭火やらで調理される様子を見つつ、今か今かと供されるのを待つ愉しみはなかなか贅沢なものです。お値段もお安くはないですが、このクオリティなら納得。夏は宮津の鳥貝を、冬はふく刺しをいただいた後、あれこれ好きなものを自由に頼んで瓶ビールをちびりちびりやりながら酔いを深めていくのが味わいです。そして、当日でも予約がとれたりすることがあるのもまたこのお店の魅力だと思います。
3.旬の素材の旨味をしっかりと味わえる京都随一の予約至難の名店
京天神 野口
中心部からは少し離れた住宅街の中にある、京都が誇る名店。「和久傳」での修業を経て2011年にオープン。京都の割烹の中でも、最も予約至難と言われるお店のひとつです。ご主人の野口大介さんの料理にはしっかりとした美味しさがあるというか、いい素材を美味しく料理することに本当に長けた料理人で、品のいい豪快さを愉しめるお店です。ただ分かりやすい料理ということではなく、上品にそれができてしまうのがこのお店の凄いところ。シメもいくつかのメニューから選ばせてもらえるので、迷ってしまうところです。中心部にあるお弟子さんがやっている「のぐち継」はもう少し行きやすく、こちらもおすすめです。
4.京都駅から1時間ほど、わざわざ行く価値のある摘草料理の一軒
美山荘(京都府/花脊原地町)
京都駅から車で1時間ほど走ったところにある摘草料理の名店。創業は1895年で百数十年の歴史を持つ老舗。お店の周辺で採れた野草が丁寧な仕事を経て、軽やかで上質な料理となって供される。創業当時からそのスタイルだったかはわからないですが、宿泊も可能で、朝ご飯がこれまた美味しいのですよね。少なくともオーベルジュという言葉が日本に根づくはるか昔から今のスタイルでやっているはずではありますが、日本が世界に誇るオーベルジュのひとつだとも思っています。それが贅を尽くした華美なものではないところがまた誇らしく。
5.お料理に小宇宙を感じるような、現代の日本料理のひとつの最高峰
未在(京都府/祇園四条駅)
円山公園の中にある、京都の日本料理の最高峰、すなわち日本最高峰のひとつということなのだと思います。未だに在らず、という禅の言葉からの店名にも通じますが、ご主人の石原仁司さんの料理に対するストイックな姿勢には、泣く子も黙るという形容が割と当てはまるかもしれません。料理は力強く優しく、季節を感じさせる盛り付けで茶懐石が供されます。懐石と聞くと質素なイメージもあるかもしれません。そこもきっと未在流ということになると思うのですが、こちらはボリュームにも満ちた茶懐石で、なにか小宇宙を巡らせてもらったような達成感と満足感に溢れた食べごたえがあります。最後に点ててもらえる抹茶で元の世界に戻ってくるまでの一連すべてが、このお店らしさなのでは、と行くたびに強く感じます。
いかがでしたでしょうか?数多の名店に通う食通が選ぶお店の数々は、どれも素敵なお店ばかり。ぜひチェックしてみてくださいね!
※こちらの記事は2025年02月04日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。