一言でフランス料理といっても、クラシックからモダン、イノベーティブなものまで様々なスタイルが存在します。その現点となるクラシックフレンチは、様々なフランス料理のベースとなるもの。シェフの技が光るソースを堪能しながら、食材同士が重なり合うことで生まれる至極のハーモニーを満喫してみてはいかがでしょうか。今回「KIWAMINO」では、東京にあるクラシックフレンチの名店を5軒ご紹介します。
目 次
1.老舗グランメゾンで満喫する、創業時より続く自慢のスペシャリテ
Chez Inno(東京都/京橋駅)
1984年に東京・京橋にて創業した「Chez Inno(シェ・イノ)」。日本のフランス料理界の歴史に名を残す、老舗グランメゾンです。ビジネス街の中心に佇む建物のエントランスに入ると、シックで重厚感ある内装にシャンデリアが煌めく、アールデコ調の優美な空間が広がります。
現在は創業者・井上旭の意志を継ぎ、40年にわたり「Chez Inno」を支え続ける古賀純二氏と和歌山の「オテル・ド・ヨシノ」で活躍した手島純也氏が2022年秋から加入し腕を振るいます。
今では、レストランでも提供が少なくなってきたスープに関しても常時4種を用意。クラシックなお料理はコースでもアラカルトでも楽しめます。なかでも創業当初からスペシャリテとして愛される「仔羊パイ包み焼き マリアカラス」は、1度は味わいたい伝説的な一品。仔羊やフォアグラなどの個性の強い食材が、香味豊かなソースでぴたっと1つにまとまる濃厚な味わいを堪能ください。
2.正統派フランス料理の真髄を伝え続ける日本屈指のグランメゾン
アピシウス(東京都/有楽町駅)
有楽町駅より徒歩すぐの場所に位置し、1983年の創業以来日本のフランス料理界を牽引してきた「アピシウス」。日本屈指のグランメゾンとして、クラシックな正統派フランス料理の魅力を、発信し続けている名店です。アール・ヌーボー様式の重厚感ある店内には、シャガールをはじめとする名画の数々が飾られ、美術館さながらの空間美が迎えてくれます。
カーヴに眠るワインは約4万本。1928年産のシャトームートンをはじめ、様々なヴィンテージワインなど、厳選されたワインの数々が眠ります。ワイン好きにとって、まさに宝石箱(ウノテーク)のような存在でしょう。
供するのは、伝統的な王道フランス料理。なかでも「ウニとキャビアの野菜クリームムース コンソメゼリー固め」は、是非とも味わいたい逸品。オープン当初からグランドメニューから外れることのない、初代料理長・高橋徳男氏の時代から続くスペシャリテです。口の中で溶け合う、ウニとコンソメの滑らかなハーモニーは一度食べたら忘れられない味わいでしょう。
3.ダイナミックなポーションが魅力の正統派フランス料理
北島亭(東京都/四ツ谷駅)
1990年の開店以来、数多くの食通を魅了してきた「北島亭」。四ツ谷駅より徒歩約5分、喧騒を感じさせないロケーションに位置する正統派フランス料理店です。エントランスに入ると落ち着いた空間が広がり、アットホームな雰囲気の中で食事を楽しめます。
オーナーシェフ・北島素幸氏は、フランスの名店「トロワグロ」を始め国内外で研鑽を積んだレジェンド。シェフ自ら毎朝築地に通い、こだわりの食材を厳選します。目利きした魚介をはじめ、信頼する業者から届く肉や野菜を “本質を極めたい”というシェフの思いを込めた正統派フランス料理に昇華します。
「素材そのものを身体で感じてもらいたい」という思いから、お料理のポーションは大きめ。トリュフは丸ごと、肉も塊だからこそ、食材の旨味がダイナミックに感じられます。長年にわたり愛される名店で、クラシカルなフランス料理を味わってみては。
4.オートクチュールなお料理とサービスが自慢のフレンチレストラン
レストラン アラジン(東京都/広尾駅)
広尾駅より徒歩約5分の場所に位置する「レストラン アラジン」。1993年にフランス料理界の重鎮・川﨑誠也氏がオープンさせた、オートクチュールのようなお料理とサービスが自慢のフレンチレストランです。店内には赤いビロード張りの椅子と真っ白なテーブルクロスがかけられたテーブルが並び、クラシカルな雰囲気が漂います。
現在シェフを務める山田和彦氏は、ゲストの希望を第一に考えたメニュー作りを実施。月日を経て「また、食べたい」とゲストが思うような、記憶に残る味を提供します。
カレーの香りが漂うスペシャリテ「ウズラのワイルドライス詰め」や、冬の真鴨や山鳩といったジビエなど、クラシックを重んじた料理の数々を楽しめます。凝縮されたソースで味わう、古典フランス料理の世界を満喫ください。
5.老舗ホテルのグランメゾンで堪能する、本場フランスの味
レ セゾン/帝国ホテル 東京(東京都/日比谷駅)
日本の御三家ホテルの一つとして、国内外のゲストをもてなし続けてきた老舗ホテル「帝国ホテル 東京」。そのメインダイニングであるフレンチレストラン「レ セゾン」は“クラシカルモダン”な雰囲気の中、シェフ・ティエリー・ヴォワザン氏が織りなす洗練された本格フランス料理を味わえます。
ティエリー氏は、フランス・シャンパーニュ地方の名店「ボワイエ・レ・クレイエール」のオーナー、ジェラール・ボワイエ氏に師事し、その後「レ・クレイエール」のシェフとして9年間三つ星を守り続けた実力者。
数ある名品の中でも、ジェラール・ボワイエ氏直伝の「トリュフのパイ包み焼き」は感動の味わい。フォワグラを塗ったトリュフを丸ごとパイで包んだ逸品は、ナイフを入れた瞬間に立ち上る香りだけでも、幸せいっぱいになりそう。伝統的なフランス料理を踏襲しつつ、ティエリー氏ならではの感性で創り上げるフランス料理に舌鼓を打ってみてはいかがでしょうか。
今回は東京にある、クラシックフレンチの名店をご紹介しました。料理もさることながら、空間やおもてなしも魅力的なレストランばかり。伝統あるクラシックなフランス料理を堪能する美食のひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
※こちらの記事は2024年11月17日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。