フードライター・森脇慶子さんがおすすめする焼肉店

日々食べ歩きをするフードライター・森脇慶子が絶対に外さない、行きつけの焼肉店をご紹介!最新のお店から人気の予約困難店まで、様々なお店をご紹介します。

1.焼肉界のレジェンドが提唱するタレ焼肉の美味しさ

誇味山(東京都/乃木坂駅)

焼肉ブームの先駆けとなった用賀「ら・ぼうふ」を始め、牛一頭買いで話題を呼んだ駒沢「焼肉ホルモンこそっと」等々、名店を手がけてきた焼肉界のレジェンド込山秀規氏。その彼が満を持して独立、西麻布に「誇味山」をオープンしたのは2019年のこと。独立後も、込山氏自ら芝浦の食肉市場まで足を運び、牛を厳選。A 5ランクの黒毛和牛だけを一頭買いするスタイルはそのままに、ここでは原点回帰とも言えるタレ焼きの美味しさを提唱。

自慢のおまかせコースでは、サーロインやヒレを始めとする様々な部位を、それぞれの肉質に合わせ、異なるタレで味付け。肉の持ち味を最大限に引き出しています。ベストな状態で味わってもらえるよう、いずれの肉も、基本は込山氏自身が目の前で焼きあげてくれるのが頼もしい限りです。焼肉の合間には「和牛茶漬け」や「シャトーブリアンのカツサンド」といった一品料理も登場し、最後まで舌を飽きさせません。〆の冷麺も美味。

焼肉

誇味山

東京メトロ千代田線 乃木坂駅 徒歩5分

15,000円〜19,999円

2.肉のカットの美しさは業界随一。業界も注目する名店

炭火焼肉なかはら(東京都/市ヶ谷駅)

「こうやって切ってくれ」という肉の声を、日々、聞きながら肉をカットしているという店主・中原健太郎氏。肉はもちろん手切り。肉を前にした時の真剣な眼差し、丁寧かつ鋭い刃の入れ方、そして、目の前に運ばれてきた艶やかな肉片を見れば、その思いは一目瞭然。美味しいものは美しいという真実を改めて感じる見事さです。

「うちで扱っているのは、飼育日数の長い雌の黒毛和牛。最近は近江牛をメインに扱っていますが、銘柄云々よりも品質優先。納得したものをセリで一頭買いしています」とは中原氏。スペシャリテ「幻のタン」を始め、舌にしっとり溶け込むかのようなサーロイン、柚子胡椒で頂く極上ハラミなど珠玉の肉が次々に登場するコースは2万円台から。ですが、名物のヒレカツサンドを味わいたいならスペシャルコースをぜひ。肉厚のヒレカツとサクッとした焼きあげた食パンのコントラストが絶妙な銘品です。2021年に改装し、より高級感を増した店内はカウンターも充実。オープンキッチンを見渡せる特等席です。

焼肉

炭火焼肉なかはら

JR線 市ヶ谷駅 徒歩2分

20,000円〜29,999円

3.スタイリッシュに味わう。高級焼肉店の先駆け

うしごろ銀座店(東京都/銀座一丁目駅)

デートもできる高級焼肉店として西麻布にオープンして以来12年、次々と新境地を開いてきたうしごろグループ。その旗艦店とも言えるのが「焼肉うしごろ銀座店」です。2021年に銀座中央通りに面した商業施設7階に移転。リニューアルした同店では、内装も料理もよりブラッシュアップ。

厳選したA5ランク国産黒毛和牛の処女牛にこだわった質の高さはそのままに、ここでは、「和牛タルタルのグジュール」や青唐辛子ソースで食べる「牛ヒレカツサンド」「濃厚コラーゲンのコムタンフォー」など銀座限定のメニューも用意。ジャンルを超えたアレンジも楽しみです。「ザブトンのすき焼き」など定番メニューも安定の美味しさ。スタイリッシュな店内は個室もあり、接待にもおすすめです。

焼肉

うしごろ銀座店

東京メトロ有楽町線 銀座一丁目駅 7番出口より徒歩1分

12,000円〜14,999円

4.スタイリッシュな空間で味わう、オーセンティックな“ザ・焼肉”

KABUN-AZABUJUBAN(東京都/麻布十番駅)

上質な精肉と新鮮なホルモンを適正価格で楽しめると評判の赤坂「KABUN~CHIKA」。その姉妹店として去年の8月、麻布十番にオープンした焼肉レストランがここ。赤坂店のクォリティはそのままに「この店ではクール&カジュアルがテーマ。モダンな雰囲気の中、焼肉自体はオーソドックスな“ザ・焼肉”といったスタイルで提供しています」とはご主人の李久和氏。

その言葉通り、料理は直球勝負。李氏自ら芝浦の食肉市場まで足を運び、サシの入り方や肉の色をチェック。その目で納得したものだけを仕入れています。ホルモンなら脂ハツと豚ガツは必食。肉はハラミやカイノミ、ランプなど、李氏の言う「サシの入りすぎない赤身の肉」がおすすめです。〆にはキムチチャーハンをぜひ。いろいろ食べたい時には、名物料理を一通り味わえるコースもお得です。

5.豚肉愛に満ちたご主人が繰り出す極上の豚肉料理

ホルモン焼き婁熊東京(東京都/恵比寿駅)

鮮度バツグンの豚のホルモン焼きとワインが評判の恵比寿「ホルモン焼き婁熊東京」。毎朝、芝浦の食肉センターまで足を運び、“DAY 0”と呼ぶ、当日屠ったばかりの豚の内臓のみを仕入れているのは、ご主人の熊井良氏。しかし、その豚肉愛はホルモンのみに留まらず、豚肉を用いた様々な料理へと枝葉を広げ、ついには、ブーダンノワールや田舎風パテ、ロースハムやベーコン等々、ビストロ顔負けのシャルキュトリーまで自分で手がけてしまう拘りぶりです。

また、〆には、豚足やゲンコツ、豚頬肉でとるスープが絶品のラーメンも登場するなど、最早、豚肉料理専門店とでも言った方が良いほど。なかでも、見逃せないのは、毎週水曜日限定の「天城黒豚特別コース」。熊井氏が惚れこんだ金子畜産の黒豚を、新鮮な内臓から精肉まで様々な料理で楽しませてくれます。

公式HP:https://rukuma-tokyo.com/

どこも人気店ではありますが、一度味わっていただきたい美味しいお店ばかりです。ぜひお店選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。

※こちらの記事は2023年09月18日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

森脇 慶子

学生時代からの食べ歩きが昂じて食の世界に携わり、早や40年余り。
フードライターという言葉もない頃からこの道一筋。美味しいものへの探求心は、変わりません。
食は歴史、食は人をテーマに続けていければ、というのが目下の願い。「東京最高のレストラン」のメンバーとしても20余年のキャリアです。

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