岐阜県の瑞浪にある「柳家」をご存知でしょうか。最寄駅からも遠く離れた立地で、車に乗り換えてやっとたどり着くような山奥にお店を構えていますが、国内はもとより、海外のグルマンたちも口を揃えて「それでも時間を掛けて訪れる価値がある」と言わしめる名店です。今回は本店および系列の2店舗を、ご紹介いたします。
1.囲炉裏を囲んで饗される、季節を味わう野生の宴
柳家(岐阜県/瑞浪駅)

岐阜県・瑞浪の市街地から車で30分弱、里山の四季が感じられる山奥にお店を構える「柳家」。店内は、江戸時代後期の古民家を移築した風情のある雰囲気。席はすべて掘り炬燵席で、パチパチと音を立てる囲炉裏がゲストを迎えます。調度品も先代が蒐集した骨董品が揃い、食事を堪能するための非日常感が演出され、弥が上にも期待が高まります。
店主は3代目となる山田和孝氏で、女将や三男と共に目の前の囲炉裏で調理し、料理を提供。春は山菜、夏は天然の鮎や鰻などの川魚、秋は松茸をはじめとした茸類や、冬のジビエなど、その時期にしか味わえない地の利を活かした里山の豊かな食材が、次々と目の前に現れます。
ジビエというと、独特の風味が苦手という印象を持たれている方も多いかもしれませんが、「柳家」が厳選した素材は絶妙な火入れで焼き上げられ、臭みを感じるような事がありません。噛み締めると少し歯を押し返してくるような心地よい食感、そして噛むほどに口の中が力強いうま味で満たされ、飲み込んでしまうのが惜しくなってしまいます。
2.「柳家」の食材がきらめく、珠玉のイタリア料理
Gastronomie Saule 柳家(愛知県/栄駅)
愛知県名古屋市の栄駅からほど近くのビル内にお店を構える「Gastronomie Saule 柳家」。開業の翌年である2019年に、本格イタリア料理が楽しめるお店へとリニューアルを果たしました。「柳家」から提供される里山の豊かな恵みを、好アクセスの立地でいただけるだけでなく、新鮮な魚介類や旬の食材と共に、シェフおまかせコースとして供します。
ゆったりと幅を取った8名までのカウンター席は、調理風景を眺めながら食事を楽しめるオープンキッチンになっています。4名用テーブル席の完全個室も2部屋完備(間仕切りを外して8名での利用も可能)。顔合わせや接待などのプライバシーを重視したシチュエーションにはぴったりです。
合わせるワインは、食事にフィットする選りすぐりの銘柄が幅広く揃っています。悩んでしまう位にワインリストも充実していますが、ソムリエから的確な提案をしていただけるので心配無用。ゲストの好みや予算を勘案した上で、料理との理想的なマリアージュを楽しませてくれると、多くのゲストがその手腕に全幅の信頼を寄せています。
3.名店の系譜を継ぐ、冴えわたる和食の技
柳家 錦(愛知県/栄駅)
「Gastronomie Saule 柳家」からも至近の距離、同じ錦3丁目にお店を構える「柳家 錦」。完全予約制となり、最小2名から予約可能となっています。率いるのは「柳家」の次男である林薫氏。実家以外にも割烹料理店などで研鑽を積み、その技術を発揮して独自の創意工夫を凝らした料理は、多くのゲストを惹きつけています。
厨房を囲むように設えられた11名までのカウンター席のほか、座敷席完全個室を3部屋用意。間仕切りを外して、ひと続きの個室としても利用可能です。本店と同じ食材を使った逸品尽くしの「おまかせコース」のほか、「柳家 錦」だけの提供として、初夏の5月から秋の10月まで予約ができる「すっぽんコース」も大変好評を博しています。
お酒も、ビールや日本酒など幅広く揃っていますが、ワインの充実ぶりには目を見張るものがあります。リーズナブルな物から希少な銘柄まで、フランス産やイタリア産を中心にツボを押さえたラインナップは、ワイン好きが喜ぶ事間違いなしでしょう。
いかがでしたでしょうか。多くの人気ある飲食店は、大都市に自然と集まるものですが「わざわざ足を運んでよかった」「また訪れたい」と、国内外のゲストが「柳家」のおもてなしに心からそう思えるという事には、あらためて食の奥深さを感じます。皆様にも、この素晴らしい食体験をぜひ味わっていただけましたら幸いです。
※こちらの記事は2024年09月10日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。