至高の牛肉を噛み締める。頻繁に出来る事ではありませんが、多幸感に包まれるあの食感と香り。
一口頬張っただけで元気が出ます。今回は銀座に店を構える、一度は訪れたいステーキ・鉄板焼きの名店を5軒、ご紹介いたします。
目 次
1.美術館のような優雅な空間で、希少な食材に出会う
巴里 夕顔(東京都/銀座駅 徒歩6分)
銀座の大通りに面したビルの5階にある「巴里 夕顔」。エレベーターを降りるとそこは、アートの香りとエレガントな空間美の夢舞台。内装を彩るのは、優雅な空間を演出するガラス彫刻やフレスコ画などの調度品。レストランというより美術館に迷い込んでしまったかのような設えです。
食材の仕入れには妥協なく、関西の雄「川岸牧場」が丹精込めて育て上げた神戸ビーフが味わえます。また関東で提供があるのは珍しい、上質な脂による口溶けの良さが自慢の長萩和牛も楽しめます。
魚介類は30年以上の取引がある北九州の鮮魚店「川原」から、玄界灘で当日獲れた豊かな海産物を毎日空輸でお取り寄せ。
飲み物も幅広く揃っており、オーダーメイドの木製ラックに横たわるワインはフランス産を中心に約1,000本を取り揃え、希少なヴィンテージとの出会いも期待できます。
2.昭和28年開業、老舗が伝え続ける松坂牛の魅力
岡半本店(東京都/銀座駅 徒歩5分)
銀座で美味しい松坂牛を食べたいという事なら「岡半本店」は間違いなく外せない一軒です。お座敷フロアーではすき焼きとしゃぶしゃぶ、カウンター・テーブル席では鉄板焼きをいただけます。
“伊勢の松坂牛の美味しさを東京にも伝えたい”という、昭和28年の開業当初から一貫した思い。選りすぐったまさに「特選」と言うべきクオリティの、牛肉の美味しさを堪能する事ができます。
フィレの厚焼も人気ですが、浅葱とガーリクチップを包んで手早く焼き上げたリブロイン薄焼は絶品。ふわっとレアな火入れのリブロインから溢れ出る肉汁が、ガーリクチップと合わさると身悶えするような香ばしさであり、浅葱のシャキシャキとした食感が良いアクセントになっています。
厳選した茨城県の常陸牛も目の前の鉄板で焼き上げ、旬の魚介類や野菜なども揃っています。時には洋風に、いつも通りの和風にと、調理の希望も臨機応変に聞いてもらえるのも嬉しいです。
3.特製の炉釜で焼き上げる、心のこもったしっとり神戸ビーフ
神戸牛炉釜ステーキ GINZA KOKO炉(東京都/銀座一丁目駅 徒歩1分)
2018年に開業し、瞬く間に人気店の仲間入りを果たした「神戸牛炉釜ステーキ GINZA KOKO炉」。
多くのゲストの心を虜にしたのは、耐熱煉瓦を積み上げて作られた特製の炉釜で焼き上げた神戸ビーフ。900度に達する温度の紀州備長炭で炉釜内を180度に保ち、遠赤外線で火を入れる。
備長炭の直火で表面はカリッと焼き上げられ、肉汁は中に閉じ込められたまま。断面は美しいピンク色で、一度噛み締めてしまうとその豊潤な味わいに噛むのを止める事ができなくなります。
味付けは塩胡椒のみですが、余分な脂が備長炭の上に滴り落ち、香ばしい煙が立ち上る事により、神戸ビーフに芳しい香りを纏わせてくれます。
コース料理のメインディッシュは、サーロインやシャトーブリアン、フィレなど、どの部位を使った炉釜ステーキにするか選ぶ事が出来ます(部位によって金額が変わります)。テイクアウトのKOKO炉特製サンドウィッチも根強い人気がある逸品です。
4.肉のプロ達が認める、生産者指定A5等級雌牛のみの山形牛尽くし
加藤牛肉店 銀座(東京都/銀座駅 徒歩4分)
横浜で三代続く老舗の精肉店「加藤牛肉店 本店」が、長年の知見を集約して開業したのが「加藤牛肉店 銀座」。全国の美味しい牛を探し求め、最終的に行きついたのが、山形牛。
仕入れるのは、A5等級かつ未経産の雌牛のみ。しかしそれだけではなく、生産者や血統、月齢などにも目を光らせ、牛肉本来の風味が遺憾なく発揮されるスペックの物を購入する徹底ぶり。
この目利きを通過した山形牛は、A5等級で言われがちな、脂の風味が重たく感じるような事はなく、実に口溶けが良くさっぱりとしています。赤身の部分はほんのりと上品な甘さが癖になるほど。
この持ち味を最大限に活かし、熟成させないフレッシュな牛肉をすぐに提供するようにしています。
ステーキの完成度は勿論ですが、サーロインを惜しみなく使ったブレザオラや、熱々を手でほぐし提供するとろけるコンビーフ、食べ応えと肉実の豊かさが魅力のハンバーグなど、どれも絶品揃いです。
5.塩も胡椒も振らず、ひたすらに牛肉本来の味を追い求める
銀座ひらやま(東京都/築地市場駅 徒歩5分)
産地に拘らず、状態の良いA5等級の黒毛和牛を選び抜いて提供する「銀座ひらやま」。
数ある部位の中でも、最も繊細なうま味があると考えているのが、フィレ肉。
火入れに細心の注意を払い炭火窯で脂を落としながら、じっくりと焼き上げています。
炭火の遠赤外線を駆使して、牛肉本来の持ち味を最大限に引き出し、塩も胡椒も使いません。
口に運ぶと柔らかく優しい口当たりの後に、じんわりと牛肉そのもののうま味がとめどなく溢れ出してきます。軽やかで、そして驚きの体験に心もお腹も満たされていきます。
この美味しい余韻をまだ終わらせたくなくて、テイクアウトでカツサンドやステーキサンド、ハンバーグサンドを買って帰られる方が多いのも頷けます。加えてデリバリー対応もしており、ローストビーフや、以前は年に数回のみ作られていた黒毛和牛タンシチューも注文できるようになったので、ついついオーダーしてしまう事でしょう。
いかがでしたでしょうか。一口にステーキ・鉄板焼店と言っても、それぞれに個性があるという事がよく分かっていただけたのではないでしょうか。この各店の個性が、銀座という飲食店の激戦地において、多くのゲストを集め続けられる大きな、そして魅力的な要素になっているのだと思います。
まだ行かれていないお店がありましたら、牛肉を噛み締める喜びに出会いに、皆様も足を運んでみませんか。
※こちらの記事は2023年04月20日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。