古都京都で、かつて商業の中心として発展した新町通界隈。現在でも古い町家の多い新町通は、祇園祭の際には室町通と共に宵山で大変な賑わいを見せます。
そんな京都らしい通りに店を構え、三代続く「京料理 木乃婦」。多様な空間を備えた堂々たる佇まいで、はんなりとしながらも、しっかりと軸のある京料理を供する一つ星の料亭です。
京都らしい雅な風格を宿す新町通の名店

創業は昭和10年。御所御用達であった料理旅館「木藤」の暖簾分けを受け開業しました。落ち着いた新町通にあって、一際目を引く風格ある外観。打ち水がされた石畳に迎えられる店内には、趣ある設えの個室が大小様々に用意されており、少人数での食事から冠婚葬祭まで、あらゆる用途での利用が可能です。
お座敷はもちろん、掘りごたつ席やテーブル席の部屋まで多種多様。年代を問わずゆったりと京料理を楽しめる空間が揃っています。
素材からお酒まで造詣が深い実力派の「三代目」
「京料理 木乃婦」の三代目主人である高橋拓児氏は、1968年生まれの生粋の京都人。
地元の立命館大学を卒業後、「東京吉兆」にて5年に渡り湯木貞一氏に師事しました。京都に戻った後は生家である「京料理 木乃婦」にて、初代の祖父と先代の父の下、ソムリエや利き酒師の資格を取得するなど意欲的に活動。
外国の料理の調理法や食材などにも造詣が深く、伝統の上に胡座をかかない研究熱心さで知られています。また京料理の海外への普及にも取り組み、その活躍ぶりは多岐に渡っています。
多様な技法を駆使して仕上げる本格京料理を堪能
毎朝市場へ赴き、直接吟味する旬の食材。産地やブランドなどに左右されず、その日に良いと確信できるものを厳選し贅沢に使用。
長年継承されてきた技法を駆使して、たおやかな京料理に仕立てます。加えて渡仏の経験も豊富な三代目は、内外の料理人たちとの交流の中で会得した、他ジャンルの料理の技法も効果的に取り入れており、その一例がフランス料理の出汁。
主にフランス料理のソースのベースに使われる「フォン」や、スープの素となる「ブイヨン」などの技法を巧みに用いながら、より厚みを持って京料理を表現。
また、ゲストの好みやリクエストはもとより、来店頻度なども考慮しつつ、伝統的な京料理のコースの中にも常に新鮮な驚きがあるような工夫を凝らしているそうです。
日本酒に加え、ワインの品揃えも豊富な同店。京料理とワインのマリアージュは「京料理 木乃婦」を代表する楽しみの一つです。ソムリエでもある三代目が、常時50種ほど揃うワインの中から最高の組み合わせを提案。
また特筆すべきは、その日その日の良質な食材を用いて、マリアージュを即興で仕立てていく『ワイン献立』のコース。三代目ならではの秀逸な当意即妙が楽しく、同店の究極のワインペアリングに出会えるコースと言えそうです。
創業から一貫して京料理の真髄を探求し続けている「京料理 木乃婦」。新風を取り入れながら、三代に渡り脈々と受け継がれてきた「洛中味」を堪能しに訪れたい、京都屈指の風雅な名店です。
アクセス
住所: 京都府京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町416
※こちらの記事は2022年08月02日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。