極みの店|

「紀尾井町 福田家」の個室を取材。伝統と格式を備えた、日本を代表する高級料亭

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江戸期、時代を代表する大名らの屋敷が位置していたことで知られる東京・紀尾井町。「紀尾井町 福田家」は、都心を代表する一等地に佇む名料亭です。稀代の美食家としても知られる「北大路魯山人」との縁が深いことでも有名なこちらのお店。今回は、料理や器、設えなど、様々な面で彼の薫陶を受け、その精神を現在に受け継ぐ「紀尾井町 福田家」を訪れました。
個室を中心に、魯山人ゆかりの品々が随所に配置された、贅沢な雰囲気をお届けしたいと思います。

設えの細部まで美しい高級料亭

紀尾井町通りに面した「紀尾井町 福田家」は、車でのアクセスが良い好立地。赤坂見附の交差点を目印に、六本木方面からは外苑東通りを、渋谷方面からは青山通りを経由しての到着となります。
夜間であれば、お店前での一時停車も可能です。

一歩足を踏み入れれば、情緒溢れる寛ぎの空間となっていました。靴を脱いでお料理をいただくのは、高級料亭ならではの体験ではないでしょうか。

現在、1階に個室を2つ、2階に最大16人対応の個室を1つご用意。各部屋とも、数寄屋造りに見られる直線美を活かしたシンプルな設えが特徴的でした。上質かつ、華美になりすぎない造りで、大切な商談など落ち着いて会話を重ねたい時にぴったりの空間設計となっています。

明るすぎない照明が、木造建築ならではの温もりを引き出しています。
各部屋に配置された掛け軸やお花は、季節感を意識して最適なものを都度用意しているとのこと。ゲストの目をも楽しませてくれる工夫が、随所に散りばめられています。

1階には2つの個室をご用意。お手洗いは、1階と2階に1つずつありました。
お手洗いやお帰りの際などには、他の個室のお客様と鉢合わせないように、スタッフが細心の注意を払ってくれるとのこと。会食のおもてなしのプロフェッショナルである、「料亭」ならではの心遣いです。

お手洗いにも近い1階の個室「桜」

1階にある個室「桜」。「紀尾井町 福田家」の全個室の中でも、玄関に近くお庭が見えるお部屋です。最大で8人まで利用できます。

木造建築ということで、天井が低いのではと不安な方もご安心を。天井の高い12帖の和室は、窮屈さを感じさせない造りとなっていました。

上座側に当たる席の後ろには、十分すぎるほどのスペースがありました。掘りごたつ式になっているため、長時間腰かけても苦になりません。

自然との調和を重んじる数寄屋造りらしく、室内に設けられた幅の広い縁側には外光が差し込みます。金曜日と土曜日のみお昼も営業しているため、窓外の景色を楽しみつつお食事をいただく、贅沢な時間を過ごせます。

さりげなく置かれている器は、魯山人作武蔵野中鉢。もちろん、オリジナルです。

掛け軸は、画家「酒井抱一」によるもの。狩野派を出発点に、土佐派や円山派といった日本画の諸派の技巧を取り入れた作風が特徴の江戸後期の日本画家です。

木造建築の粋を感じる「網代天井」のある個室「牡丹」

1階の廊下の奥に位置する個室「牡丹」。8帖と、少しこぢんまりとした印象となっているため、2人でのご利用でも、スペースを持て余す心配はなさそうです。

「紀尾井町 福田家」の中でも、比較的新しく増設されたお部屋。天井が若干斜めになっていることが特徴です。窮屈さを感じさせない工夫が施されています。

座椅子の後ろは、スムーズな移動が可能な余裕を持った造りとなっていました。

一部分のみですが、木造建築ならではの「網代天井」に。築80年の木造建築が持つ珍しい設えは、都内ではなかなか出会えない貴重なものです。

大人数の宴会向けの2階の個室「寿」

2階の個室「寿」は、最大16人まで収容可能な広さとなっていました。

通常6名様から利用でき、大人数の宴会にも最適な広さです。襖を外して前室つなぐと20名様まで入室可能です。

なお、二階はもう一部屋あり、4名様までご利用できる「水仙」があります。

「寿」のお部屋の入り口には、魯山人直筆の書が飾られています。「紀尾井町 福田家」宛に書かれた手紙で、冒頭に「福田」と記されているのが分かります。

篆刻にも通じた、魯山人ならではの筆致を間近に見られるのは、「紀尾井町 福田家」ならではの贅沢。
文末に記された「夢境」は、魯山人が用いた雅号の1つ。趣味人魯山人は、「魯卿」や「無境」など多くの雅号を有し、書や器の創作に没頭していたそうです。

2階には、大きなお皿と掛け軸が。お皿には、「初月」や「眉月」とも呼ばれる三日月ごろの月が描かれています。

掛け軸は「野口小蘋」よるもの。野口は、明治から大正期にかけて活躍した女性の日本画家で、花鳥山水の表現に長けていたとのこと。会食の合間に、近代の日本画を代表する画家の掛け軸を、ゆっくりと落ち着いて愛でるのも一興です。

2階の階段付近に置かれていた、胴部分の曲線が美しい壷も魯山人によるもの。目を凝らすと、彫られた魯山人のサインも見ることができます。

階段付近と天井には、緻密な細工が施された灯籠が設置されていました。これらも魯山人が手掛けたものだそうです。

旬の味わいを楽しめるよう、仕入れにも工夫を

提供する日本料理は、旬の素材の美味しさをいただけるものばかり。

料理の美味、素材の質に求めた魯山人の教えを忠実に受け継ぎ、多くの食材を産地直送で仕入れています。

鮎や「鈴ヶ沢なす」など、料理長・松下俊一氏の故郷である長野県から直送される食材も多いとのこと。
また、秋の味覚「松茸」は、シーズンギリギリまで旬の味わいを楽しめるよう、採れる時期に差がある岩手県と長野県産を使用するなど、工夫を重ねています。

和を感じさせる空間美と、料亭ならではの洗練されたホスピタリティで、数々のVIPをもてなしてきた「紀尾井町 福田家」。大切なゲストとの会食がある際にはぜひ、ご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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懐石・会席料理

紀尾井町 福田家

東京メトロ各線 赤坂見附駅 D出口 徒歩3分

30,000円〜39,999円

アクセス
住所 東京都千代田区紀尾井町1-13

謝 谷楓

「一休.comレストラン」のプレミアム・美食メディア「KIWAMINO」担当エディター。ユーザーの悩み解決につながる情報を届けられるよう、マーケットイン視点の企画・編集を心掛けています。

前職は、観光業界の専門新聞記者。トラベル×テック領域に関心を寄せ、ベンチャーやオンライン旅行会社の取材に注力していました。一休入社後は「一休コンシェルジュ」を経て、2019年4月から「KIWAMINO」の担当に。立ち上げを経て、編集・運営に従事しています。
【MY CHOICE】
・最近行ったお店:和田倉、SENSE
・好きなお店:六雁
・自分の会食で使うなら:茶禅華
・得意ジャンル:日本料理
・好きな食材:雲丹/赤貝

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