分子ガストロノミーで世界を熱狂させた伝説の名店「エルブジ」出身のシェフが、満を持してオープンしたレストラン「SECRETO」(セクレト)をご紹介します。2017年のオープン以来、瞬く間に予約困難な人気店となり、10席のみのプラチナシートは今でも好奇心旺盛な美食家たちの垂涎の的。化学の実験さながらの調理パフォーマンスや料理の豊かな味わい、それぞれが驚きに満ち、めくるめく非日常に出会える一軒です。
10席だけの“秘密”の空間
牛込神楽坂駅や牛込柳町駅からほど近い、神楽坂の閑静な住宅街。落ち着いた路地にあるマンションの1階に、「SECRETO」がひっそりと構えています。つい気付かずに通り過ぎてしまいそうな佇まいは、まさに「SECRETO(=スペイン語で“秘密”の意)」。
店名が控えめに掲げられたドアを開けると、心地よいウェイティングバーを挟んで、黒を基調とした店内が広がります。
ほの暗い中に、シェフのステージとなるアイランド型のオープンキッチンとカウンターが浮かび上がる、神秘的とも言える空間。10席が並ぶカウンターは、どの席からもシェフと向き合えるような配置がなされています。
「エルブジ」出身の実力派シェフ
オーナーシェフは、石川県出身の薮中章禎(やぶなかあきよし)氏。日本国内のホテルやレストランで修業を開始し、1999年にフランスへ渡りました。マルセイユの3つ星レストラン「ル プティ ニース」で修業した後、2011年に惜しまれつつ閉店したスペインの伝説的レストラン「エルブジ」や、バルセロナの「ドスパリージョス」に勤務。
帰国後は「マンダリン オリエンタル 東京」内の1つ星店「タパス モラキュラーバー」にてスーシェフとして活躍し、2017年10月に「SECRETO」をオープンしました。
「SECRETO」薮中章禎シェフのインタビューはこちら↓ https://www.kiwamino.com/articles/interviews/5169
“好奇心のすべてを、超え続ける。”味と技
「SECRETO」ではシェフのクリエイションによるディナーコース1種類のみを提供し、19時から一斉にスタートするシステムがとられています。シェフの故郷である能登・輪島産の魚介類など、上質な旬の食材を用いた料理の数々と、それらに合わせてペアリングしたドリンク類が供されます。「エルブジ」や「タパス モラキュラーバー」などで活躍した薮中シェフの料理は、“好奇心のすべてを、超え続ける。”というコンセプトの通り、非常にクリエイティブで驚きに満ちたもの。
日によってコースの冒頭に供される、黒真珠に見立てた一品などはまさにその筆頭と言えるでしょう。フレンチやスパニッシュ、そして和の要素が融合し、斬新な中にもしっかりと美味しく仕立てる技はさすがの一言。こだわり抜いた食材の魅力をシンプルに表現し、見事な緩急をもたせたフュージョン料理としてプレゼンテーションされます。
ドリンクペアリングはフランス産をメインとしたワインはもちろん、様々なペアリングが用意されており、細部にまでゲストを楽しませる驚きが仕掛けられています。
世界を席巻する分子ガストロノミーを神楽坂の路地裏で。大切な人と一緒に、五感で味わう楽しさに出会えるレストラン「SECRETO」。思わず虜になること請け合い、ずっと秘密のままにしておきたくなるような一軒です。
「SECRETO」の記事をもっと読む
「SECRETO」薮中章禎氏に聞く「好奇心のすべてを超え続ける料理」の“秘密”
※こちらの記事は2020年03月31日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。