「銀座しもじ」特集。銀座で味わう、老舗出身料理長の会席料理

よりモダンに、多様化した日本料理を供する店が増えている昨今、あえて純日本料理の会席にこだわる「銀座 しもじ」。数多の名店がしのぎを削る激戦区で、新進気鋭の腕利き料理人がこだわりの出汁を自在に操り、連日舌の肥えたゲストを唸らせています。一流が集う街、銀座で、今や世界が注目する和食の正統を伝える「銀座 しもじ」の魅力をご紹介します。

銀座8丁目の中央通り沿い。煌びやかな「スワロフスキー銀座店」の向かいにあるビルの地下1階で、書家による風流な「銀座 しもじ」の字が行灯に踊ります。板張りの廊下が心地よい店内には半個室風の落ち着いたカウンター席4席と、大小の個室4室があり、全ての席が掘りごたつ式。銀座の目抜き通りにありながら、一歩足を踏み入れた瞬間から喧騒を忘れさせてくれるような、凛とした空気が迎えてくれます。

店主の下地智氏は、惜しまれつつ閉店した築地の老舗料亭「河庄双園」にて料理長を務めていた人物。幼少の頃から料理の楽しさを味わい、高校を卒業した後に複数の料理店で修業を重ねました。中でも前述の「河庄双園」には10年間勤務し、料理のみならず伝統や店の設えに至るまで、学んだことは多岐に渡り、料理長にも就任しました。

築地屈指の老舗料亭として多くのゲストに親しまれながらも、2016年秋に店の老朽化などの理由で閉店。これを機に下地氏は独立し、2017年4月、四季折々の味わいを楽しめる個室会席料理店「銀座 しもじ」をオープンしました。

2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、昨今日本の食文化がますます世界中から注目を浴び、親しまれつつあります。そんな状況下で日本料理自体も次第に多様化し、よりモダンなスタイルで提供する店も増加。しかしながら「銀座 しもじ」ではあくまでも日本料理の伝統を尊重し、頑なまでに正統派の“純日本料理”にこだわっています。全国から取り寄せた旬の素材を丁寧に扱い、『先付』から『お造り』、『椀物』、『焼物八寸』といった伝統的な流れの会席のコースを振舞うのは、料亭で鍛え上げた下地料理長だからこそと言えるかもしれません。

春の筍に始まり、夏には鮎や鱧、そして秋は松茸……、と季節と共に移りゆく旬の味覚を丁寧に切り取り、日々の献立を仕立てている「銀座 しもじ」。とりわけ下地料理長が強いこだわりを持っているのが、「出汁」だといいます。用途によって使用する昆布や鰹節の種類を変えるなどし、毎日早朝から手間暇を惜しまず仕込みに従事。

そうした日々のきめ細かな作業によって生み出される珠玉の料理の数々を、こだわり抜いたワインや季節限定の日本酒と共に味わうひととき。これはまさに至福の一言に尽きると言えそうです。

料理長渾身の料理を一層引き立てる器類も、料理同様に逸品揃い。作家の手になる作品や、料亭「河庄双園」から受け継いだ貴重な品などが惜しみなく使用されており、そんな目への楽しみもまた「銀座 しもじ」のおもてなしの心の表れです。

銀座の落ち着いた空間で楽しむ、旬の美しい会席料理。腕利き料理人が仕立てる端正な味わいと細やかな気遣いは、大切な人をもてなす様々な席で利用したい一軒です。

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懐石・会席料理

銀座 しもじ

東京メトロ銀座線 新橋駅 徒歩5分

15,000円〜19,999円

アクセス
住所 東京都中央区銀座8-8-6 銀栄ビルB1F

※こちらの記事は2020年01月27日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Mika Muroi

旅と食べ歩きと文章を書くことが好きで、プレミアム・グルメメディア「KIWAMINO」のライターに。フレグランスラボでの勤務経験から、香りやフレーバーにこだわりが。選りすぐりのレストランを、スマートな日本語に乗せてお届けします。
【MY CHOICE】
・さいきん行ったお店:DAZZLE
・好きなお店:嘉禅
・自分の会食で使うなら:麻布淺井
・得意ジャンル:イタリアン、ビストロ
・好きな食材:野菜全般、鴨、チーズ

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