北陸新幹線の延伸開業もあり、今や福井は、美食家の間でも最注目と言っても良いエリア。そこで今回は、北陸の山海の幸をふんだんに使い、福井の魅力を発信する話題の店4軒を紹介します。ぜひ一度は訪れてみたい、名店ばかりを厳選しました。
1.北陸の素材をベースに作る自由な発想の日本料理
料理屋 みや崎(福井県/福井城趾大名町駅)
福井城趾大名町駅より徒歩約1分、凛としたエントランスの暖簾をくぐれば、L字型カウンター7席のみの粋な内装が迎えてくれる人気店「料理屋 みや崎」。滋賀県出身の店主・宮﨑洋彰氏は、学生時代のアルバイトから料理の世界へ。和食を中心に、複数の飲食店で経験を積み2018年、独立。まもなくミシュラン一つ星を獲得しました。
既存の考えにとらわれすぎず、自由な発想によって生み出された料理の数々。北陸三県で採れた食材をベースに、全国各地からこだわりぬいた食材で奏でる日本料理はどれも絶品です。
その素材へのこだわりは群を抜いており、店主の出身地である滋賀県・木下牧場の木下牛やツキノワグマの肉、冬には天然の鴨や越前蟹を使用。炭火焼きをはじめ多彩な味わいを生み出します。お酒を片手に料理をいただきつつ、職人の仕事を眺めるのも楽しみのひとつです。
2.老舗がコンクール優勝シェフを迎えて新たな出発
Le Jardin(福井県/日華化学前駅)
福井市の閑静な住宅街に佇む、フランス料理店「Le Jardin」。「第54回ル・テタンジェ賞国際料理コンクール」にて優勝したシェフ、堀内亮氏を料理長に迎えリニューアルオープンし、話題を呼んでいます。
新しい出発にあたって、庭を眺めながら四季を感じるソファ席、壮麗な木製シャンデリアなどを備えた、優美なグランメゾンに生まれ変わりました。堀内氏は、銀座「ロオジエ」やフランスの三つ星店「レジス・エ・ジャック・マルコン」などで修業。福井の食材を世界が認める卓越した技術で正統派フレンチに仕立てます。
なかでも福井の特産品をアレンジした「六条大麦とイカの温かいサラダ 汐うに風味のエキューム」など、この地ならではの一皿がおすすめ。中庭に設えたナチュラリスティックガーデンで育てたハーブを効かせ、より素材の味を際立たせるセンスには脱帽です。越前焼の器や地元の「高村刃物製作所」によるダマスカス模様のナイフなどを使用し、福井の伝統を伝えながら、革新に満ちた美食を創り出しています。
3.独自の握り方で魅了する老舗2代目の味
鮨 十兵衛(福井県/日華化学前駅)
住宅街の一角に姿を見せる凛とした佇まいの一軒家「鮨 十兵衛」。創業40余年の老舗寿司店が改装され、2代目に受け継がれました。店内は奈良檜一枚板のカウンターが清々しい雰囲気を放ち、シンプルな装飾や器で季節を表現しています。
店主の塚田哲也氏は、札幌の名店「すし善」にて6年間研鑽を積み、父の店を継ぐため帰郷。新鮮な鯖や鰆、鯛など福井の地魚のみならず、時期ごとに最上のものを取り寄せる鮪をはじめとするこだわりのネタの数々を、こだわりをもって提供しています。
赤酢と米酢をブレンドした、やや甘みを帯びた優しい味わいの寿司飯が、締めや熟成などの仕事を施したネタと絶妙に調和。地元の銘酒を中心に、ワイン、シャンパンも揃え、辛口の酒が寿司の旨さを引き立てます。器好きの塚田氏が集めた志野焼、唐津焼などのコレクションとともに楽しむ至極のひととき。県外から訪れるゲストも多く、グルメ憧れの寿司店です。
4.匠の技を求めて美食家が通う予約困難店
馳走飯田(福井県/西山駅)
JR鯖江駅より車で15分ほど、福井鉄道バスの西山駅からは徒歩間もない、自然豊かな粟田部地区の山里にひっそり佇む割烹店「馳走飯田」。メディアに登場することも少ない、美食家御用達の隠れ家です。
JALファーストクラスのメニューを監修する実力派、飯田俊彦氏が腕を振るいます。地元の食材を郷土愛たっぷりな創作和食に仕立て、美しい器とともにゲストを魅了。カウンター席に個室3室を備えた店内には畳の香りが漂い、女将さんと大将の温かいもてなしに、まるで実家に帰ってきたようなくつろぎが得られます。一斉スタートであるにもかかわらず、それぞれ異なる料理をゲストに届けるスムーズな対応にリピーターも続出。
飯田氏は、15歳で和食の世界に入り30歳で独立、父親が畑作をしていたこの地に店を持ちました。地元にこだわり、和食道を突き詰める。その姿や匠の技に惹かれて、全国からわざわざこの店を訪れる人が後を絶たない名店です。
北陸には、この数年で魅力的なグルメスポットが次々と現れ、この地ならではの美食体験ができる楽しいエリア。なかでも、知られざる名店が多いのが福井です。アクセスも便利になった今、ぜひ訪れてはいかがでしょうか。
※こちらの記事は2024年10月21日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。