江戸の粋を堪能!東京の下町にある寿司店5選

新鮮なネタ、個性的なシャリ、仕込みに施されたていねいな仕事。洒脱で遊び心を忘れない魅力が詰まった下町寿司。今回は、職人の技が光る下町ならではの醍醐味を満喫できる5軒を厳選して紹介します。

1.100年の歴史を誇る伝統的な本格江戸前寿司

喜寿司(東京都/人形町駅)

下町の情緒漂う人形町界隈にあってとりわけ風格を感じる「喜寿司」。店内に一歩足を踏み入れると、大正12年の創業時と変わらぬ空気が流れています。ガラスケースに並んだ季節のネタを握るカウンターに立つのは、油井一浩氏。

イカの印籠詰めや手綱巻など、今ではあまり見かけない江戸時代から伝わる技が受け継がれています。海老にはオボロを挟み、鮪の筋は剥がす。そんなひと手間が素材の持ち味を最大限引き出します。砂糖を一切使わず米自体の甘みを引き立たせるシャリは、白酢と赤酢を配合。ネタとの絶妙な調和を生み出します。季節の寿司種が並ぶ風流な木札を眺めながら好みの寿司を注文する、そんな贅沢な時間を過ごすことができます。

喜寿司

東京メトロ日比谷線 人形町駅 A3出口より徒歩1分

12,000円〜14,999円

2.伝統と革新を織り交ぜた寿司を手軽に堪能

鮓 かね庄(東京都/浅草駅)

浅草駅より徒歩約10分、情緒溢れる浅草観音の裏路地に店を構える「鮓 かね庄」。昔ながらの風情が残る店内にはジャズが流れ、歴史とモダンが交錯する空間。店主の渡辺彰氏は、江戸前の名店・御徒町「寛八」にて約16年経験を積み、伝統と革新を織り交ぜた寿司を師から受け継ぎました。

シャリは米酢のみを使用し、酸味も塩気も穏やかで、砂糖を使用しつつも甘みは控えめ。トロ、ウニ、光物など大将のおまかせ握りが8貫に巻物、サラダ、お椀がついたランチが7,500円というお値打ち価格。リーズナブルに上質な江戸前寿司を満喫できる貴重な一軒です。

寿司

鮓 かね庄

つくばエクスプレス線 浅草駅 A2番出口 徒歩9分

15,000円〜19,999円

3.握り寿司発祥の両国から発信する江戸前の技

鮨 北條(東京都/両国駅)

両国駅から徒歩約4分、凛とした黒塗りの壁に欅の看板が印象的な「鮨 北條」。店主の北條充氏は「都寿司」で修業をスタートし、「マンダリン オリエンタル 東京」の「鮨 そら」で親方を務め独立。東京湾で獲れた新鮮な魚にていねいな仕事を施した、本格的な江戸前寿司を堪能することができます。

酢は岐阜「内堀醸造」の3年熟成の赤酢と、和歌山「九重雑賀」の純米大吟醸赤酢、「ミツカン」の白菊(米酢)をブレンド。福島県産コシヒカリと宮城県産ひとめぼれを合わせた、甘みのないシャリが特徴です。おまかせは、オーソドックなネタのみならずバリエーションに富んだ構成。刺身、珍味、寿司10貫などで、23,100円。江戸前寿司発祥の地とされる両国から伝統の技を発信します。

寿司

鮨 北條

都営地下鉄大江戸線 両国駅 徒歩4分

15,000円〜19,999円

4.「本手返し」を駆使して握る至極の寿司

鮨松波(東京駅/浅草駅)

浅草駅より徒歩約2分、創業60年の「鮨松波」。玉砂利が敷き詰められた玄関を抜け、2階に通されると現れる檜のカウンターが圧巻です。京橋「与志乃」出身の店主・松波順一郎氏は、「すきやばし次郎」の小野二郎氏と同門。寿司好きにとってカリスマ的存在です。

寿司の6つの面を細かく入れ替えて握り少しずつ形を整えていくという、今ではほとんど使われていない「本手返し」を駆使して、至極の江戸前寿司を握ります。ネタケースではなくザルに並ぶ旬の魚を切りつけて握るスタイル。職人気質のこだわりが詰まった老舗の技を満喫できます。 

寿司

鮨松波

東京メトロ銀座線 浅草駅 徒歩2分

20,000円〜29,999円

5.食通を魅了する王道の江戸前寿司を味わう

鮨一新(東京都/浅草駅)

浅草駅から徒歩約15分、下町情緒漂う雰囲気のなか本格派江戸前寿司が堪能できる「鮨一新」。市場に直接出向き厳選した上質のネタ、炭火を使って蒸しかまどで炊き上げるシャリ、店内で調合する醤油など、季節ごとの献立にはこの店ならではの技が詰まっています。

保管方法や調理道具にもこだわり、旬のネタを常にベストの状態で提供。ていねいな仕込みを施した王道の江戸前寿司は食通を魅了します。握り15品のコースが16,500円、おつまみと握り10貫のフルコースが22,000円。日本各地の酒蔵から取り寄せた個性豊かな銘酒とともに、旬の食材と熟練の技を堪能できます。

寿司

鮨一新

東京メトロ銀座線 浅草駅 徒歩15分

15,000円〜19,999円

風情溢れる日本家屋の一軒家や趣ある下町の界隈に店を構える老舗など、店内に足を踏み入れる前から期待が高まります。今回厳選した5軒は食通に愛される本格派ばかり。王道の技と味を一度は体験してみてください。

※こちらの記事は2025年03月11日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Miki D'Angelo Yamashita

コロンビア大学・パリ政治学院修士。新聞社勤務、国際時事担当記者、週刊誌、書籍編集者歴任。専門は別だが、趣味が高じて食担当記者に。延べ3000人料理人インタビュー、約30カ国で食関連を取材。料理本も多数編集。

【MY CHOICE】
・最近行ったお店:未在 / 晴山 / レヴォ /茶禅華
・好きなお店:ギ・サヴォワ / Restaurant KEI / 祇園さゝ木 / 宮坂
・自分の会食で使うなら:ル・ブルキニオン / ラルジャン / 乃木坂しん / 蕎麦おさめ
・注目しているお店:お料理ふじ居 / 日本料理 研野 / ELEZO ESPRIT
・得意ジャンル: スイーツ
・好きな食材:麺類

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