「邸宅レストラン」という響きだけでも想像が膨らみますね。広がる庭園の中に佇む館。アプローチに足を踏み入れると、そこはもう別世界。扉の向こうはどんな空間が待っているのでしょうか。ときめきながら食事に向かう、今回はそんな日常から解き放たれる、特別な福岡の邸宅レストランを紹介します。
1.日本の歴史と改革を旅する美食コース
イノベーティブ フレンチ ワタハン(福岡県/薬院駅)
薬院駅からおよそ7分歩いたところに広がる緑豊かな日本庭園と、趣のある数寄屋造りの建物。「イノベーティブ フレンチ ワタハン」は、老舗料亭として知られた「和多伴」の歴史と寂びの美意識を受け継ぎつつ、現代に生きるホスピタリティ精神が細部まで浸透する福岡県きってのフレンチレストランのひとつです。
ダイニング、和個室、洋個室からなる広々とした店内でいただけるのは、フレンチをベースとしながら自由な発想で作られた目にも美しい料理の数々。北西部に広がる玄界灘で獲れた新鮮な魚介をはじめ、厳選した九州の食材を贅沢に使用しています。
ランチでは3,960円から全8品を楽しめ、ディナーでは全12品にわたって美食の旅を堪能することも。樹齢100年という梅の木を眺めながら、その歴史と変遷に思いを馳せてはいかがでしょうか。
2.上質な空間と食器で非日常を演出
Nishimura Takahito La cuisine creativite(福岡県/西鉄平尾駅)
西鉄平尾駅から徒歩約15分。緑溢れる住宅街にひっそりと佇む、まるで隠れ家のような「Nishimura Takahito La cuisine creativite」。インターフォンを押して玄関から上がるとガラス張りの大きなワインセラーや一枚板で造られたテーブル、革張りの一人掛けソファーなど、古民家を改築した落ち着いた空間が広がります。
料理はミシュラン「フュージョン部門」において、日本人唯一の一つ星を獲得した西村貴仁氏の精神を受け継いだジャンルレスな一皿。シェフ自ら直接産地に足を運び厳選した食材を使用し、独創性溢れる逸品へと昇華していきます。
アンティーク品やオールドバカラ、有田焼など、和洋ジャンルを問わず揃えられた上質な食器に盛られた料理はどこか誇らしげであり、非日常を存分に演出してくれます。
3.九州の歴史に根付く和洋折衷の趣向を味わう
国指定重要文化財 旧松本邸(西日本工業倶楽部)(福岡県/戸畑駅)
戸畑駅から車で約7分。100年以上の歴史を誇り、日本館と洋館からなる国指定重要文化財「旧松本邸」内にあるフランス料理レストラン。上品な家具や広々とした空間と、心地よい静寂につつまれる緑豊かなロケーションはハレの日を祝うにもぴったりです。
四季折々の旬を大切に厳選された素材は、伝統的な手法で丁寧に調理。クラシックな味わいは、いつ食べても変わらぬ美味しさでゲストの心とお腹を満たします。
博多和牛を使った肉料理や、季節を感じる旬魚料理に食べた人は思わず笑顔に。デザートまでしっかりついたコース料理で、最後まで会話が弾むことでしょう。
4.じっくりと、熟成肉を味わうイノベーティブなひととき
オーセンティック リビング ブッチャー エヌワイシー 福岡警固(福岡県/薬院大通駅)
薬院大通駅から徒歩で約10分。レンガ造りの重厚な建物に、まるでアメリカ・ニューヨークの一画に迷い込んだかのような空間では、すべてが本物(Authentic)思考。熟練のギャルソンによる心地のよいサービスは、特別な日を演出するのにもぴったりです。
主役は薪の炎によって芳ばしく焼かれた赤身肉。噛めば噛むほど旨味が口いっぱいに広がります。温度と湿度を一定に保った熟成庫でじっくり約3週間寝かせた肉はとろけるような美味しさです。
九州産の豊かな素材と共に斬新な技法で調理された一皿を、大切な人と楽しんではいかがでしょうか。
今尚、歴史的邸宅が多く残る福岡県。そこに併設されたレストランもまた、昔ながらの重厚なインテリアはそのままに、時を感じさせる佇まいを保っています。飾られた美術品を眺めながらの優雅な食事は、何にも代え難い貴重な時間になることでしょう。記念日にはもちろん、日常の感謝を伝える場として、非日常空間へ出かけてみてはいかがでしょうか。
※こちらの記事は2024年06月13日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。