予約困難な憧れのお店の味を楽しめる!名店の姉妹店特集 京都編

京都で人気の名店は、名前を聞くだけで敷居が高く感じられ、なかなか訪れることができませんね。ですが、そんな老舗や予約困難店がカジュアルな姉妹店を続々オープンさせ、味やサービスは本店さながらに上質。今回は、京都を訪れる際、ぜひ味わってみたい名店の姉妹店を5軒厳選しました。

1.名物「肉吸い」をはじめ、遊び心あるアラカルト

のぐち継(京都府/祇園四条駅)

祇園・切り通し、巽橋(たつみばし)のほど近くに店を構える「のぐち継」。屋号には、本店の味、ゲストと料理人、そしてゲスト同士を「つなぐ」という意味が込められています。店を任されたのは、吉田大輔氏。福岡や銀座などで修業後、京料理に辿り着きました。

姉妹店で味わえるのは、本店の味を継承しつつ、料理長の地元である五島列島の食材を組み入れた割烹料理。大阪の名物「肉吸い」は、葛餡に山椒を効かせた京風仕立てで、1年を通じてコースで提供。A5ランクのサーロインの中でも上質な肉だけを厳選し、ていねいに調理することで上品な脂の甘みを感じられます。5品のショートコースに、好みのアラカルトを追加できるのもうれしいポイント。五島列島のうどんを使ったカルボナーラ、さらには、鴨の生ハムにカレーや春巻などの洋食・中華も登場。本格割烹の中にも遊び心が光る充実のメニューから選ぶ楽しみも、また格別です。

割烹・小料理

のぐち継

京阪本線 祇園四条駅 徒歩4分

15,000円〜19,999円

2.自由な発想で料理人が生み出す、京料理の数々

菊乃井 露庵(京都府/河原町駅)

趣きある高瀬川の畔に位置する、創業約100年の名料亭「菊乃井」の姉妹店「菊乃井 露庵」。京都随一の繁華街の暖簾をくぐると、静かな和の空間が広がります。店名は「一点の隠すところも無い」という禅語の「明歴々露堂々」を引用。名料亭の味やサービスを、カジュアルに割烹スタイルで楽しむことができます。

伝統にとらわれることなく、自由な発想で生み出される京料理の数々は、冬の代表作、鶉の百合根饅頭に黒トリュフの餡や、初夏にはパッションフルーツと山葵のソルベなど。日本料理に洋素材を使うひと皿は「菊乃井」が掲げる“伝統と革新”を体現するもの。カウンターに席を取り、村田喜治氏をはじめとする料理人たちの活気に満ちた所作を眺めながらの食事も「露庵」の醍醐味です。

懐石・会席料理

菊乃井 露庵

阪急線 河原町駅 1番南出口から徒歩1分

15,000円〜19,999円

3.伝統と革新を掲げる「京都吉兆」の本格茶懐石

HANA吉兆(京都府/祇園四条駅)

“平成の南座”として歌舞伎発祥の地に生まれ、その名が付けられた「花吉兆」。南座の幕間の食事やお茶屋さんへの仕出し、八坂神社での婚礼料理など、日本料理屋として京都の街に根づいた歴史を築き上げてきました。

2010年に「HANA吉兆」と名を変え、伝統と革新を掲げる「京都吉兆」の提案する日本料理が本格茶懐石のコースとして登場。さらに「京都吉兆」で唯一、カウンター席を設け、季節の一品料理だけでも利用できるようになりました。有名作家による装飾作品を各階に配して、新たに生まれ変わったモダンな店内。日本酒や日本茶などの多彩なイベントが繰り出され、嵐山本店のおもてなしの心を受け継いでいます。

懐石料理

HANA吉兆

京阪電気鉄道線 祇園四条駅 祇園四条駅7出口から徒歩約0分

20,000円〜29,999円

4.小さな台所でいただく、ヘルシーな一汁三菜

丹(京都府/東山駅)

京都三条通白川橋のほとりに佇む、小さな台所「丹」。1870年創業の日本料理店「高台寺和久傳」の姉妹店として人気の和食処です。目指しているのは、親しい友人の家に遊びに行ったり家族が集まったりする時のように肩肘張らずに食卓を囲む、そんなくつろぎを感じる家。丹後半島の食材をメインに、自作の米や近隣農家から仕入れる野菜を優しい料理に仕立てます。

温かみのある台所から届けられるのは、一汁三菜を基本にしたヘルシーな献立。店名には「丹」という文字がもつ「小さな真心」「丹後半島の良い食材を紹介したい」という思いが込められています。大地の恵みを感じられる季節ごとの食材を、つまみや一品料理でしっぽりと堪能できるディナーコースのほか、野菜たっぷりの朝食やランチの提供も。いつ訪れても穏やかに迎え入れてくれる温かい空間です。

和食(その他)

京都市営地下鉄線 東山駅 出口1より 徒歩5分

5.伝統を守りつつ新しい風を取り入れる「祇園 やま岸」

祇園 やま岸(京都府/祇園駅)

「祇園 やま岸」は、予約困難で知られる京都の名店「富小路 やま岸」の姉妹店。祇園駅から徒歩約15分、祇園四条駅から徒歩約5分の花見小路を入った京都の風情たっぷりの路地に、2023年4月にオープンしました。旬の厳選食材を使用した懐石料理のコースはもちろん、好みの料理を注文できるアラカルトを楽しめるのはこの店ならでは。一品料理は季節によって変わるため、訪れるたびに新しい料理に出会えます。

料理長に就いたのは「たん熊 北店本店」や「懐石 辻留」などで和食の修業を積んだ日根野谷(ひねのや)誠氏。ていねいに引いた出汁と、旬食材を煮込む季節の鍋物が看板料理です。スッポン鍋のほか、豆乳や湯葉を使った季節ごとに変わるスープと具材も楽しみの一つ。事前に相談すればオリジナルコースの提案もしてくれるとのことなので、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

京料理

祇園 やま岸

京阪本線 祇園駅 徒歩15分

20,000円〜29,999円

本店と異なるフレンドリーな雰囲気、伝統をベースに新しい工夫を凝らした美味しさ。一流の味やサービスをリーズナブルに体験できる名店の姉妹店は、朝食から夕食まで、その店らしい個性に満ちています。一度訪れるとリピーターになってしまいそうな、魅力ある店ばかりをご紹介しました。

※こちらの記事は2024年02月29日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Miki D'Angelo Yamashita

コロンビア大学・パリ政治学院修士。新聞社を経てフリージャーナリスト。専門は別だが、趣味が高じて食担当記者に。延べ3000人料理人インタビュー、約30カ国で食関連を取材。料理本も多数編集。

【MY CHOICE】
・最近行ったお店:未在 / 晴山 / レヴォ /茶禅華
・好きなお店:ギ・サヴォワ / Restaurant KEI / 祇園さゝ木 / 宮坂
・自分の会食で使うなら:ル・ブルキニオン / ラルジャン / 乃木坂しん / 蕎麦おさめ
・注目しているお店:お料理ふじ居 / 日本料理 研野 / ELEZO ESPRIT
・得意ジャンル: スイーツ
・好きな食材:麺類

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