コロナ禍にもかかわらず、多数のニューオープンが話題となった2022年。腕利の料理人の独立や名店の姉妹店、名シェフのカムバックなど、美食家が湧き立つ新店が続々登場。今回はその中でも、一目置かれる噂の店を東京から集めてみました。
目 次
1.熟練した技が生み出す日本料理を和の趣向を凝らした大人の隠れ家で
割烹 隆(東京都/表参道駅)
大阪や名古屋の日本料理店で研鑽を積み、銀座の名店「うち山」で統括を務めた大塚隆廣氏が満を持して2022年3月に青山にオープンしたのが「割烹 隆」。根津美術館のほど近くに佇み、地下を降りていくと、お香が焚かれ、炭を練り込んだ壁が印象的な空間に8席のカウンター、さらに敷石を渡った先には、個室の「はなれ」が用意されています。
継ぎ足しながら作り続けている海鮮出汁は、旬の食材を繊細に組み立てていく料理の中で欠かせない深い味わい。おまかせコース一本ながら、ゲストのリクエストにより好みの食材や調理方法に臨機応変に応えてくれます。多種の日本酒やワインを取り揃え、さらに料理に華を添えるのが「ロイヤルブルーティー」などの馥郁たる日本茶。リーズナブルなご馳走として大人気の鯛茶漬けランチもおすすめです。
2.名店を継承する研ぎ澄まされた味わいを、凛とした和の空間で満喫
西麻布野口(東京都/乃木坂駅)
外苑西通りから路地を入ったビルの1階に2022年1月に誕生した「西麻布野口」。大ぶりの生花が引き戸を飾る、華やかなエントランスを抜けて店内に足を踏み入れると、扇形に設えられた白木のカウンターが広がります。白木の清々しさ、網代造りの天井、和の趣向を凝らした内装の中迎えてくれるのは「銀座 小十」「神宮前 樋口」などの名だたる店で研鑽を積んだ、野口正太朗氏。
魚の捌き方や肉の火入れは名店の技術を継承しつつ、素材の旨みを凝縮しながら、研ぎ澄まされた味を生み出します。料理に使うのは、群馬の清酒「水芭蕉」の仕込み水。丁寧に引いた出汁は格別です。こだわりの一皿「小十」仕込みの鰻は、ぜひとも味わいたい逸品です。
3.名店「私厨房 勇」の姉妹店で枠にとらわれない中華をよりカジュアルに
麻布 勇(東京都/六本木駅)
白金の名店「私厨房 勇」のオーナーシェフ・原勇太氏監修の姉妹店「麻布 勇」が、2022年5月に西麻布交差点側にオープンしました。「The Okura Tokyo」の「桃花林」出身の木村和明氏は、原シェフの下で研修後、料理長に。コースのほかにも多彩なアラカルトメニューを楽しむことができます。
本店のクオリティーそのままに、自慢の「勇名物 活鮑の浅利出汁紹興酒バターソース 肝醤油ソース」を、よりカジュアルに提供。エスニックや和も取り入れ、ハーブやスパイスを駆使した料理は、定番紹興酒だけでなく多種多様のワインに合わせたい味わい。アットホームな雰囲気の中、おひとり様も歓迎の一軒です。
5.シェフの手捌きを眺めながら、好きなだけ選べる締めのパスタに舌鼓
TOSAGE(東京都/六本木駅)
元麻布の美食店が点在するエリアに2022年1月、新たに加わったイタリアン「TOSAGE」。重厚感ある扉を開けると目に入るのは、シックな内観にイタリア料理らしい活気に満ちたゲストと対面するカウンター8席。シャンパン造りの最後の工程”ドサージュ”と、シェフの登坂涼氏の苗字を「最高の一皿を送り出したい」との意味をかけて店名に。
季節だけでなく、月ごとに旬の食材がある日本ならではの組み合わせの妙から生み出されるクリエイティブコースには、10種類から20グラムを好きなだけ選べる締めのパスタという、お楽しみが待っています。輪郭のある手打ちパスタに食感豊かな具がぎっしり。”千手観音”のあだ名で呼ばれる見事な手捌きを眺めながら、個性的な料理に舌鼓を打ちたいものです。
料理のクオリティーが高いことは言うまでもなく、個性的にゲストをもてなす店ばかりを厳選しました。オープンしてすぐにグルメな人々が通い詰めることで話題になっています。「聞いているけど、まだ行ったことがない」という方は、予約難にならないうちに、ぜひ訪れてみてくださいね!
※こちらの記事は2023年10月27日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。