カウンター席で食事を楽しめる銀座のフレンチレストラン3選

大切な人と向き合っていただくイメージがあるフレンチですが、最近では、カウンター席があるお店も増えてきています。一人や少人数で気兼ねなく食事ができるのはもちろん、シェフのパフォーマンスや会話も楽しめるのが、カウンター席の魅力。
今回は名店がひしめき合う東京・銀座にあるフレンチレストランの中から、カウンター席があるお店を厳選してご紹介します。

1.名店で培った王道フレンチをカウンターで楽しくいただく

銀座大石(東京都/銀座駅徒歩5分)

「美味しいはもちろん、目指すは楽しい店です。」満面の笑顔でそう語るのは「銀座大石」大石義壱シェフ。その言葉通り、オープンキッチンの店内で繰り広げられる数々のパフォーマンスは、まさに大石劇場。カウンター12席が、いわばシェフズルームです。

鮑や丸鷄、黒毛和牛の塊等々選りすぐりの食材が、目の前で美味なる一皿に仕上げられていく臨場感もご馳走の一つでしょう。往年の名店「北島亭」で培った王道フレンチをベースとしつつ、現代のテイストに合わせてアレンジしたその料理は、素材感を生かした軽やかさが持ち味です。

例えば定番のテリーヌ。保存食として作られていた昔に比べ、塩分やアルコール分を適宜カット。ライトな食後感に仕立てています。また、「北島亭」譲りのウニのムースも、ミョウバンを使わぬ塩水ウニを用いることで、後口を軽快に仕上げています。この他、土鍋で炊く旬の炊き込みご飯やステーキ、魚のポワレなどなどコースでは14品ほどが登場。
食べた!という実感を味わえるボリューム感も人気の所以でしょう。

フランス料理

銀座大石

東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線 銀座駅 徒歩5分

2.クラシカルなフレンチを間近で体感する老舗レストラン

レストラン ル ジャルダン デ サヴール(東京都/東銀座駅徒歩3分)

オープンは1991年。南青山から銀座に移転して20年を迎える老舗「ル・ジャルダン・デ・サヴール」。オーナーシェフの中澤敬二氏は、1981年26歳で渡仏。「トロワグロ」や「ジャマン」などで4年間修業を積み、帰国後は、29歳の若さにして往年の名店六本木「イゾルデ」の料理長に就任した練達の士です。

「イゾルテ」時代、まだ世に広く知られる以前のミッシェル・ブラス氏を招聘。その際、強く感銘を受けたブラスシェフのスペシャリテ“ガルグイユ“(数十種類の野菜をそれぞれに適した料理法で調理し、一皿に盛り付けた美しい野菜料理)は、中澤シェフにとっても今だ、大切なシグチャーメニューの一つです。

フランス語で「風味の庭」の意味を持つ店名の名付け親もブラス氏だそうで、その名の如く料理はいずれも香り豊か。
ソースの風味、素材が焼ける音など五感を刺激する臨場感も、カウンターならではのご馳走でしょう。最近では少なくなってきたクラシカルな美味しさも魅力と言えましょう。

フランス料理

レストラン ル ジャルダン デ サヴール

東京メトロ線 東銀座駅 徒歩3分

15,000円〜19,999円

3.青木姉弟が奏でるパリのエスプリを楽しむカウンターフレンチ

レフ アオキ(LES FRÈRES AOKI)(東京都/東銀座駅)

2021年9月、東銀座にオープンしたカウンターフレンチの名店「レフ アオキ」。
店は新しくとも、青木誠オーナーシェフはフレンチ一筋35年の大ベテラン。本場パリでは、姉の三代子氏と共に13年間レストランを営んでいた経歴の持ち主です。
“青木兄弟”の意味を持つ店名を感じさせる、姉弟の意気のあった家庭的な雰囲気の中、パリ仕込みのテイストを楽しめます。

料理は「シェフおまかせのフルコース」など他のメニューもあり、昼夜共に数週間ごとに変わります。「フランス時代が長かったので、日本の食材はまだ手探り状態」と青木シェフ。とはいえ、蝦夷鹿は北海道「エレゾ」から、牛肉は滋賀の「サカエヤ」と目利きの確かさはさすが。

魚介は「銀座 鮨青木」の2代目店主、兄・利勝氏に豊洲の仲卸を紹介してもらうなど抜かりはありません。“地鶏のバロディーヌ”を始め、クラシックをベースに現代の嗜好を加味した皿の数々は、素材本来の味を感じさせる芯のある美味しさが身上です。

フランス料理

レフ アオキ(LES FRERES AOKI)

東京メトロ日比谷線 東銀座駅 出口3

12,000円〜14,999円

今回は、カウンター席がある東京・銀座のフレンチレストランをご紹介しました。
食事を一層楽しめる特等席とも言えるカウンター席。お店の雰囲気や目の前で繰り広げられるプレゼンテーション、シェフとの会話が、料理の味わいをより印象深いものにしてくれることでしょう。

※こちらの記事は2023年04月20日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

森脇 慶子

学生時代からの食べ歩きが昂じて食の世界に携わり、早や40年余り。
フードライターという言葉もない頃からこの道一筋。美味しいものへの探求心は、変わりません。
食は歴史、食は人をテーマに続けていければ、というのが目下の願い。「東京最高のレストラン」のメンバーとしても20余年のキャリアです。

このライターの記事をもっと見る

この記事をシェアする