トム・エイキンズ氏に聞く、日本初進出店舗「The Jade Room + Garden Terrace/東京エディション虎ノ門」にかける思い

世界的にも有名なミシュラン星付きシェフ、トム・エイキンズ氏が手掛ける「The Jade Room + Garden Terrace/東京エディション虎ノ門」。今回は、ホテル31階という高層階に位置するシグニチャーレストランの魅力やこだわりについて、トム・エイキンズ氏ご本人にお話を伺いました。

英国人スターシェフ、トム・エイキンズ氏が手掛ける日本初進出のレストラン

2022年10月にオープンした「The Jade Room + Garden Terrace」は、ラグジュアリーライフスタイルホテル「東京エディション虎ノ門」内にあるシグニチャーレストラン。店内は大きく分けると、上品なジェイドグリーン(翡翠色)をあしらった「Jade Room」と、地上約140メートルの高さから東京の街を見渡す「Garden Terrace」で構成されています。
※「Garden Terrace」は季節限定オープン、2023年春までクローズ。

「Jade Room」から一歩外へ出ると、四季の移ろいを感じられるグリーンに囲まれた「Garden Terrace」が。世界中でレストランを展開するトム・エイキンズ氏ならではの、和と洋が一体となったコラボレーション料理を味わえる同店。屋内と屋外、エリアごとに異なるメニューを楽しむことができます。

日本の文化や伝統と季節感を表現した、シェフ渾身の料理の魅力

日本の料理や伝統に強い憧れを持つという、トム・エイキンズ氏。クリエイティビティ溢れるシェフの料理には、どのような思いが込められているのでしょうか。

―まずは、日本初進出の経緯と出店にあたる意気込みをお聞かせください。

私は、コンセプトを新しく立てる際には毎回、綿密な市場調査を行います。現地のマーケットのトレンドは何か、そのダイニングシーンに何が欠けているのか、現地の人々が何を求めているのか、そして私が何を提供できるのかといったことを把握するようにしています。

もちろん、その答えを得るためには、実際にその街に足を運ぶことが非常に重要です。リサーチのための旅行に行き、地元の市場に出向いてどんな食材が手に入るかを調べ、地元のレストランで食事をしてみる。あるいは、他のレストランがどんなことをやっていて、うまくいっているか・いないかなどの様子を観察して、競合店の分析を行います。その街で活躍するシェフに話を聞き、どのサプライヤーを使っているか、食材のおすすめは何かなども聞き出します。可能な限り地元の食材を調達するようにしているので、食材の品質とコストは、新しいメニュー作りに欠かせない要素です。

新しいコンセプトを作るたびに、そのスタイル・雰囲気・デザイン・ブランディング・コンセプト全体の哲学など、非常に詳細なビジュアルプレゼンテーションのキュレーションを行います。作り上げるものに関して皆が共通の認識を持てるように、コンセプトはパートナーにも共有され、詳細なディスカッションが行われます。独立したレストランであれ、ホテルや公共施設の中にあるレストランであれ、レストランのロケーションは重要ですし、ターゲットとする客層もコンセプトを決める上での大きな要素です。

―シェフが考える日本の伝統や、日本の料理の魅力を教えてください。

日本人が食材を丁寧に扱い、食材に敬意を払っていることに感銘を受けました。スタッフも同様で、一生懸命に仕事をして、一つひとつのレシピを正確に記憶しています。私はこれまで世界中で仕事をしてきましたが、日本人の意識と技術は非常に高いと感じました。スタッフには、ただただ感謝するばかりです。日本独自の文化も魅力的で素晴らしいですし、何より日本人の情熱には感心させられます。

―料理のコンセプトについて、こだわった点はどんなところですか?

地元の人々にも旅行者にも喜ばれる、新鮮で革新的な料理を提供することにフォーカスしました。メニューは、日本の文化と料理に根付く変幻自在さと表現の豊かさを称えながら、多様かつ洗練された調理技術によってコンテンポラリーな和と洋のコラボレーションを生み出すことでその可能性をさらに押し広げています。そんな料理の数々を、東京タワーと東京のスカイラインを一望する、息をのむような景色と共に楽しんでいただけます。料理や伝統に強い憧れを持っている日本で最初のレストランをオープンし、心躍る気持ちです。

季節にフォーカスし、大自然からインスピレーションを得て、屋内の「Jade Room」と屋外の「Garden Terrace」のために、それぞれ別のメニューをデザインしました。その和と洋が一体となったコラボレーションを、皆さんに体験していただきたいです。

―食材を選ぶ際や調理の際に気を付けていること、また和と洋のコラボレーションメニューを作る上で意識している点を教えてください。

出汁や発酵食品、漬物、干物や干海老、醤油、様々な種類の酢や昆布など、あらゆる味付けに日本の食材で利用できるものを幅広く使うよう、心掛けています。良質な旬の食材や、季節の変わり目の数週間のうちに旬を迎える食材がある日本は、四季の食材も豊富で魅力的ですから、世界中の料理人にとって「働きたい国トップ3」に入るのではないでしょうか。イギリスと比べると、魚や野菜の種類も日本の方がはるかに多い。肉に関しても、部位が細かく分かれています。

―今後「The Jade Room + Garden Terrace」で挑戦したいことを教えてください。

東京には、料理と創造性において、常に安定している素晴らしいレストランが非常に多くあり、他のどの都市よりもミシュラン掲載レストランの数が多い理由がお分かりいただけると思います。私たちは、料理のディテールと創造性を常に高い水準で維持できるよう、努力していきます。

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トム・エイキンズ氏 プロフィール

トム・エイキンズは、英国で高く評価され、影響力のある英国人シェフの一人です。ワイン業界勤務の父親と、ガーデニングや料理が得意な母親のもとでノーフォークで育ったトムは、新鮮な食材の使い方を学び、幼い頃から食を人生の中心に置いていました。パリのジョエル・ロブションやランスのジェラール・ボワイエなどの名店で勤めた後、ピエ・タ・テールにおいて、英国人シェフとしては史上最年少の26歳という若さでミシュランの2つ星を獲得しました。

フュージョン

The Jade Room + Garden Terrace/東京エディション虎ノ門

東京メトロ日比谷線 神谷町駅 4b出口から外に出て徒歩2分

20,000円〜29,999円

※こちらの記事は2023年01月30日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Yuri

校正の仕事に興味を持ち、スクールを経て一休コンシェルジュ編集部へ。好き嫌いはほぼなし。食べることが大好きで、どんなものでも美味しく・楽しくいただきます。編集部メンバーとのお店巡りが最近のマイブーム。もう少しお酒が強くなりたいと思う今日この頃です。

【MY CHOICE】
・最近行ったお店:さ行/デンクシフロリ/BLESS/レストラン プルニエ/ラフィナージュ

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