東京には、美食家が通い詰める、味はもちろん、素材やコンセプトにこだわった焼鳥の名店が軒を連ねています。今回、プレミアム美食メディア「KIWAMINO」では、東京で一度は行きたい焼鳥の名店をご紹介。店選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。
目 次
1.割烹料理の技を活かした「松風地どり」をはじめとする焼鳥
南青山 七鳥目(東京都/広尾駅)
広尾駅から徒歩約10分、ビルの地下1階に佇む「南青山 七鳥目」。予約困難店として知られながらも、家庭的な雰囲気が心地よい一軒です。店主の川名直樹氏は、割烹料理店で修業の末、焼鳥に魅了され独立。同店をオープン後、わずか1年でミシュラン一つ星に掲載された気鋭の料理人です。
素材や料理の研究に余念がなく、店で使用する「松風地どり」などの食材は生産者と交流を重ねる過程で出会ったと言います。焼きには紀州備長炭を用い、風味や食感を堪能できるよう、和食の繊細な技法を駆使して食材を調理します。なかでもおすすめは、国産うずらの卵「エル・フランス」を使った卵の串刺し。半熟のまま炭火で焼いた卵が、口の中でとろけていきます。おまかせコースに含まれる一品料理も多彩で、飽きがこない構成。素材の美味しさを引き出した一品一品をぜひ味わって。
2.「伊達鶏」の内臓などの希少部位も美味しくいただける名店
焼鳥 おみ乃(東京都/押上駅)
ミシュランの一つ星を獲得したこともある「焼鳥 おみ乃」。押上駅から徒歩約3分、東京スカイツリーからも近い場所に店を構えています。白い暖簾をくぐった先にあるのは、落ち着いた和の空間。店内はカウンター席のみに限っています。店主の小美野正良氏は、目黒の名店「鳥しき」で修業を積んだ経歴の持ち主。現在は小美野氏から店を引き継いだ大将が「焼鳥 おみ乃」で腕を振るっています。
使用するのは、契約養鶏場から丸鶏のまま仕入れるという「伊達鶏」。背肝やアキレス腱などの希少部位も存分に味わえるのが、同店の魅力です。おすすめは、1日数本の限定品であるレバーやちょうちんなどの内臓。近火の強火で火入れをする職人技で仕上げます。コースの〆に提供される「伊達鶏」と青森県産の卵を使い分けた親子丼は濃厚な味。必食の逸品です。
3.匠の技、もてなしの心による珠玉の鶏料理を味わう
おみ乃 神谷町(東京都/神谷町駅)
神谷町の大通りから一本入った路地に佇む「おみ乃 神谷町」。店主は数多の食通を唸らせる押上の名店「焼鳥 おみ乃」の小美野正良氏とあって、連日ファンが詰めかける人気店です。焼き場をコの字で囲む白木のカウンターが14席並ぶ店内は、清潔感のある凛とした雰囲気の設えと、黒を基調とした大人な和空間。
コース料理でいただくのは、焼鳥にとどまらない多彩な鶏料理。また、旬の食材を使った一品、ご飯物といった構成で一つのストーリーが奏でられます。小美野氏が焼き場に立ち、福島県産「伊達鶏」を使った串焼きが楽しめるのも醍醐味の一つ。熟練された職人の所作を目の前で眺め、紀州備長炭の燃える音と仄かな香りを感じながら、心のこもった鶏料理を堪能しましょう。
4.フレンチと焼鳥の技で、長期飼育の地鶏を仕上げる注目の店
YAKITORI 燃es(東京都/六本木駅)
六本木駅から徒歩約3分と至便な場所にある「YAKITORI 燃es」。2024年のミシュランガイドに掲載された注目の一軒です。コの字型のカウンターと個室1室が備わる店内は、洗練された雰囲気が漂っています。焼鳥に使用するのは長期飼育された「媛っこ地鶏」など。身を柔らかくするため、地鶏は1週間ほど冷蔵庫で寝かせてから調理するというこだわりようです。
巧みな焼きの技術を持つ沼能大輔氏と、フレンチ出身で一品料理を担当する森謙一郎氏が、焼鳥とフレンチの技が活きたコース料理を提供します。肉質を引き立てるため、串に使うタレは少量。素材と向き合い、鶏の味を引き立てる野菜を用いて “新しい焼鳥”を表現します。見た目も楽しいテリーヌなどの前菜も好評。一味違った新感覚の焼鳥コースを味わってみてください。
5.地鶏の食べ比べや、燻製のおつまみも魅力的な焼鳥店
とり茶太郎(東京都/渋谷駅)
渋谷駅から桜丘町方面へ向かって徒歩10分ほどの場所に佇む「とり茶太郎」。カウンター席のみの店内は、気軽に入りやすい雰囲気です。店主の金子拓也氏は、焼鳥の名店で修業したのち、 2013年に同店を開業。素材や焼き、自家製のおつまみにまでこだわる姿勢は、焼鳥ファンからも評価されています。焼鳥には「ホロホロ鳥」や「比内地鶏」「かすみ鴨」などを使用。その日扱う鶏の種類の中から、地鶏の食べ比べができるのも嬉しいですね。
“おいしい焼鳥とおいしいお酒のある店”という開業時から掲げるコンセプトを突き詰めて調理しています。店の名物つまみは「自家製燻製盛り合わせ」。「比内地鶏」のきんかんなどはすべて店で燻製にした品々。薫香が食欲をそそり、日本酒やワインとの相性も抜群です。コースには希少部位の串も取り揃えているので、お酒と合わせて堪能したいですね。
6.先入観は不要!訪れた人だけが体感できる“究極の焼鳥”
かさ原(東京都/神楽坂駅)
神楽坂駅近くの住宅街にひっそりと佇む「かさ原」。黒一色の門を開き、石畳のアプローチを進むと、まさに隠れ家といった店が現れます。店主は、20歳の頃から焼鳥店で修業を積んだという笠原悠仁氏。神戸三宮にオープンした同店が人気を博し、2021年には現在の場所に店を移転しました。焼鳥に使用するのは、契約店のみが取り扱うという「髙坂鶏」。部位によって火入れの方法をかえるなど、巧みな職人技で料理を仕上げていきます。
おまかせコースは「髙坂鶏」の肝の刺し身から始まる11串。〆は、スープが絶品の鶏がらラーメンなど、3種類から選べます。創業時からストイックに“究極の焼鳥”を追求し続ける笠原氏。なお「料理に先入観を持ってほしくない」という想いから、店内の写真撮影は一切お断りです。訪れた人だけが許される、珠玉の一串を体感してみては。
7.銀座の地下に佇む名店で「奥久慈軍鶏」を堪能
バードランド 銀座(東京都/銀座駅)
銀座駅C6出口から直結のビルの地下1階に佇む「バードランド 銀座」。木の温もりが感じられる店内にはワインセラーが常備され、ワインと焼鳥のマリアージュを楽しめるお店としても話題。焼き台を囲むように作られたカウンター席では、料理が焼き上がるまでの音や様子を間近で楽しめます。また、4名様用と6名様用のテーブル席もあり、用途に応じて使い分け可能。
鶏は茨城県北西部で育てられた「奥久慈軍鶏」を使用。弾力のある食感と脂肪分が少ない肉質が特徴で、備長炭の絶妙な火加減で焼き上げられる串焼きは香ばしく、肉汁があふれます。奥久慈軍鶏の卵を使った親子丼やプリンも人気の一品。
こだわりの素材を絶妙な火入れでいただく焼鳥。食通も唸らせる、一度は行きたい焼鳥の名店の味を、ぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。
※こちらの記事は2024年12月02日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。