温暖な気候の東海地方は海の幸・山の幸にも恵まれ豊かな食文化が育まれています。暑さが増してくると食べたくなるこの地方の夏の味覚も多数。今回は、旬の食材をふんだんに使って夏ならではの味わいを堪能できる、名古屋の名店を5軒ご紹介します。
目 次
1.在来種「玄そば」と全国の銘酒にこだわる“そば飲み”
古式蕎麦 玄水(愛知県/栄駅)
栄駅から徒歩約6分、繁華街のビル1階に位置する「古式蕎麦 玄水」。40年間そばを研究する店主の高橋長次郎氏が惚れ込んだ在来種「玄そば」を満喫できる、そば好きにはたまらない1軒です。
北海道から九州まで、その時々で入手可能なそばを常時3〜4種類ほど用意。そばの実を石臼で丁寧に挽き、打つのはその日使う量のみ。そばの種類によって硬度を変え、硬度0~20までの軟水を使用。粗挽きの粉で打つスタイルにこだわり、もりそばの「そば切り」でそば本来の味を引き出します。
新鮮な魚介や旬の野菜を仕入れ揚げる天ぷらは、自家製のブレンド粉を使いサクッとした食感が美味しさの秘訣。穴子の有馬煮や、焼き味噌など一品料理も多数用意され、全国各地から取り寄せた30種類ほどの日本酒との“そば飲み”もおすすめです。情緒溢れる和の空間で、のどごしのよいそばを手繰る夏のひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
2.超高温で旨みを引き出す通常の3割以上大きい青うなぎ
うな富士(愛知県/鶴舞駅)
鶴舞駅より徒歩約10分、うなぎ全体の収穫量のわずか2割、仕入れるのは本当に旨いうなぎだけ、という「うな富士」。通常の3割以上大きい青うなぎを使用するため、身の厚さや脂の乗りが絶品です。
肝をきれいな形で取り出せる腹開きを貫いており、この肝を乗せたうな丼やひつまぶしは名物の一つ。脂肪の多いうなぎは夏バテ防止にも効果抜群です。表面はパリパリ、中はふわふわでジューシーに仕上がるのは、1,000度を超える炎で熱したあと、炭火でじっくりと身に火を通すため。超高温での地焼きが旨みや脂肪分を閉じ込め、青うなぎ本来の味を引き出します。
創業者の水野尚樹氏が全国のうなぎ店を食べ歩き、タレの糖度と塩分濃度を分析し完成させた秘伝のタレを絡めて味わううなぎはまた格別です。名物のひつまぶしは、最後に出汁をかけるとカリッとした皮とほろっとした身が溶け合い、コクのある締めとして楽しめます。
3.型にはまらない創作うなぎ料理をカウンターで楽しむ
うなぎ家 しば福や(愛知県/国際センター駅)
国際センター駅から徒歩約6分、江戸時代から続く「四間道」「円頓寺」の街並みの一角に店を構える「うなぎ家 しば福や」。名店「うな富士」出身の大将・柴田哲滝氏が手返しなど熟練の技を使って繰り出す、絶妙な焼き具合が魅力です。
使用するのは、柴田氏の目利きで厳選された大きめの青うなぎ。名古屋で好まれる関西風の手法を用い、蒸しは入れず“外はパリッと中はジュワッ”と焼き上げます。合わせるのは、脂肪が多いうなぎに対して軽やかで深みのあるタレ。ご飯にたっぷり乗せられたうなぎをさっぱりと堪能できます。
定番のほか「うなぎのスモーク」やガーリックペッパーで食べるひつまぶし「スタミナまぶし」など、組み合わせを工夫したこの店ならではの品々も人気。メニューには自家製の「うなぎの干物」や「肝のアヒージョ」など型にはまらない逸品が並びます。独創的なうなぎ料理で酷暑を乗り切ることができるはずです。
4.美食家が全国から集う岐阜の名店ならではの自然の恵みを堪能
柳家 錦(愛知県/栄駅)
栄駅・伏見駅から徒歩約10分の場所に位置する「柳家 錦」は、全国から食通が集う岐阜の名店「柳家」の名古屋支店。岐阜の山奥に伝わる郷土料理を名古屋でも味わうことができます。
「柳家」の次男でもあり、割烹料理店などで研鑽を積んだ店主・林薫氏が腕を振るうのは、その日の仕入れによる12品ほどで構成される「おまかせコース」。和良川の天然鮎や各地の天然うなぎ、鹿や猪、熊、鴨などのジビエを滋味深い炭火焼きで満喫できます。
夏にぜひ味わいたいのは、岐阜県各地の川で獲れる鮎を炭火で仕上げた「天然鮎 塩焼き」の数々。「和良鮎」「馬瀬鮎」「郡上鮎」など上質な天然鮎を、丁寧な下処理で仕立てた逸品ぞろいです。店内には、カウンター席のほか個室の座敷席もご用意。選りすぐりの日本酒やワインを合わせて、絶品の鮎に舌鼓を打つ贅沢な夏の美食を体験できます。
5.和食の枠を超えて新しい“名古屋料理”を考案
蓬左茶寮(愛知県/池下駅)
池下駅より徒歩約1分、中京エリアの山海の美味、珍味を満喫できる日本料理店「蓬左茶寮」。店主の松本善隆氏自ら生産者や漁港を訪ね、魚介や肉、野菜、調味料など地元産の一級食材を仕入れて、新しい“名古屋料理”を提唱しています。
日本料理のほか、フランス、イタリア、タイ料理の経験も持つ松本氏が、和食の枠を超えた斬新な料理を生み出します。“季節が反映された料理”を信条とし、旬の味わいを華麗なる盛付けで表現。
夏には特別に「雲丹づくしコース」を提供し、雲丹の食べ比べを楽しむことができます。北海道から九州まで日本中の雲丹がそろい、それぞれの産地の特徴や個性を活かした様々な料理法で12種類から15種類がラインナップ。なかには「雲丹コロッケ」「ウニパイ」「雲丹そば」など発想の豊かさに驚かされる品々も。日本全国だけでなく、海外からも予約が殺到するという夏ならではの絶品コースです。
※6/14から8/20まで、昼席2組、夕席3組の限定(水曜日と日曜日を除く)。
贅沢なご当地グルメが目白押しの名古屋。酷暑にもさっぱりのそば、夏バテ解消間違いなしのうなぎ、贅沢な旬の鮎づくしや雲丹三昧。食欲が落ちる夏に名古屋の名だたる絶品料理でエネルギー補給をしてはいかがでしょうか?
※こちらの記事は2024年10月08日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。