歴史を感じる街並み、緑や花々あふれる自然、風薫る古道に散在する社寺、高台からは海の眺めも楽しめる。そぞろ歩きに出かけたい季節には、ぜひ訪れたい鎌倉。ほんの数年前まで、その界隈にはほんの数軒だったイタリア料理店が、今では数えきれないぐらいたくさん存在します。今回は、ドレッシーな店からカジュアルな店まで、それぞれが個性を競い合う、わざわざ足を運びたくなるイタリアンの名店をご紹介します。
目 次
1．シェフとの会話も楽しい自由な発想の多皿料理
IZA（神奈川県／鎌倉駅）
鎌倉駅から徒歩約2分のビル2階にある「IZA」。ベリーウッドの一枚板のカウンターを中心にした落ち着いた店内は、日本で作られたこだわりの器・家具・装画など、温かみを感じるインテリアでまとめられています。
コースは、お鮨屋さんのように少量ずつテンポよく目の前に差し出される鎌倉野菜や三浦野菜尽くしの全13～14品。2か月ごとに変わるメニューの定番人気は「うにのタルト」や「アワビのサラダ」。世界各国のお酒やワイン、ナチュラルワインのほか、グラッパやマルサラ酒などの食後酒も用意。ヨーロッパで修業したオーナーシェフの芝先康一氏との会話もはずみ、次にどんなメニューが飛び出すか、自由な発想の料理にワクワクが止まりません。
IZA
JR線 鎌倉駅 徒歩2分
2．古民家で寛ぎながら和イタリアンを満喫
Akizuki（神奈川県／北鎌倉駅）
北鎌倉駅から徒歩数分のところにひっそりと佇む、古民家を改装したイタリアン「Akizuki」。江の島の人気店だった「Loasi（ロアジ）」を閉めて、シェフの秋月光広氏がオープンした話題のイタリアンです。木の引き戸を開けると、大きなテーブルがひとつ、奥にはオープンキッチンのカウンター席。藁の混じった漆喰の壁と宮大工に依頼したという和風の室内は、鎌倉らしい和の雰囲気に満ちています。
日本とイタリアがほどよく融合した料理は、月替わりでその時のおすすめの食材で作られ、ひと皿ずつサーブされるコース仕立て。ワインはシェフが店のスタッフと2人で選んだ、流行りではない本当の自然派ワイン。唯一無二の「秋月料理」を、思う存分に堪能できる一軒です。
Akizuki
JR線 北鎌倉駅 徒歩3分
3．生産者とゲストをつなぐ地産地消イタリアン
RISTORANTE IL NODO（神奈川県／鎌倉駅）
鎌倉駅から徒歩約4分、小町通りを一本入った閑静なエリアにある、緑に囲まれた「RISTORANTE IL NODO」。オーナーシェフの松井昭憲氏自らが、渡辺農園をはじめとした鎌倉の農家や小坪漁港へ出向いて朝獲れの鮮魚や素材を入手。生産者とのつながりを大切にし、食材一つひとつと真摯に向き合った地産地消のイタリアンが注目されています。
「リストランテ・サバティーニ 青山」で身につけたイタリア料理の技術をベースにオーガニック野菜を主役に仕立てたコースは、あくまでも野菜の美味しさを追求しています。たとえば、カダイフで巻いた鮮魚のフリットも、メインは添えられた野菜。ピュレ、グリル、サラダと3種の調理法でにんじんを味わい尽くします。一皿ひと皿の食材をシェフが詳しく解説しながら、産地とゲストをつなげていきます。興味深い話に耳を傾けながらの食事には、ソムリエールのおすすめペアリングが花を添えてくれます。
RISTORANTE IL NODO
JR線 鎌倉駅 徒歩4分
4．築160年以上の歴史を感じながら味わう創作料理
鎌倉古今 / Restaurant COCON（神奈川県／鎌倉駅）
鎌倉の中心地から少し離れた、静寂に包まれた界隈に店を構える「Restaurant COCON」は「鎌倉古今」に併設のイタリアン。160年以上前に建てられた古民家を、江戸時代当時の梁などを残してリノベーションした店内には、長い歴史が流れています。
オープンキッチンを間近で見渡せるカウンター席でいただくのは、シェフの目利きで厳選された鎌倉野菜、相模湾の新鮮な海鮮などをメインにした、ジャンルにとらわれない独創的なイタリアン。「走り、旬、名残り」にこだわり、全国の生産者から直接届く食材はモダンに仕立てられ、味覚のみならず、視覚や香りでも魅了します。料理に合わせた器は、絵画を描いたような彩り豊かな盛り付けを引き立てます。特別なシーンに最適な個室では、庭園を眺めながら寛ぎのひとときが過ごせるでしょう。
鎌倉古今 / Restaurant COCON
JR線 鎌倉駅 車で10分
5．本場から空輸する食材でイタリアの味を伝える
リストランテ 鎌倉フェリーチェ（神奈川県／稲村ケ崎駅）
稲村ケ崎駅から徒歩10分ほどの高台にある一軒家レストラン「リストランテ 鎌倉フェリーチェ」。イタリアの星付きレストランで修業し、東京南青山の名店でシェフを務めたオーナーシェフの小曽根幸夫氏が、日本流にアレンジをしない本場の味を貫いたスタイルで、イタリア料理の真髄を表現します。
「イタリア料理はシンプルなだけに、食材のポテンシャルが高いことが必須である」と、パスタはすべて手打ち、食材もイタリアを中心に空輸で取り寄せています。オープンキッチンでは、小曽根氏と会話をしながら、アットホームな雰囲気で。テラス席では、稲村ケ崎の海や江の島、富士山などの絶景とともに本格イタリアンを楽しむことができます。
リストランテ 鎌倉フェリーチェ
江ノ島電鉄線 稲村ケ崎駅 382m
鎌倉には、料理人にとって魅力的な食材や環境が整っています。そのため、あえてこの地を選んで店をオープンする腕利きシェフが次々と登場。シェフのこだわりの詰まった鎌倉ならではのイタリアンの名店を、ぜひ訪ねてみてはいかがでしょう。
※こちらの記事は2023年11月01日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。
